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9ー4 迷宮の外へ!

 9ー4 迷宮の外へ!


 ラキアは、俺たちに頭を下げた。

 「どうか、わしらダークエルフの一族と世界樹を外の世界へと連れて出してやってもらえぬか?」

 「それは、いいけど」

 俺は答えた。

 「俺は、この迷宮によって閉じ込められている友人たちのもとへ行きたいんだけど」

 「なんですと?」

 ラキアに問われて俺は、事情を話した。

 瘴気のために魔族が滅びかけていたこと。

 それを救うために魔族をトカゲの谷に受け入れたこと。

 勇者の乱心。

 そして、魔族にくみしたと疑いをかけられたライディアたちがもうすぐ処刑にされること。

 ライディアたちを救うために俺たちがこの迷宮に挑んでいること。

 「そういうわけで俺たちは、明後日、いや、もうたぶん明日までぐらいには俺たちのことを待っているだろう仲間のもとへ辿り着かなくてはならないんだ」

 「なるほど」

 俺の話をきいたラキアが俺に訊ねる。

 「この迷宮の中に隠された者たちのためにその者たちの待つ場所へ行かねばならぬということかの?」

 俺が頷くとラキアは、パンパン、と手を叩いた。

 すると、天幕の外から一人の若者が中へと入ってきた。

 その白髪の若者にラキアは、声をかける。

 「セツラよ」

 「なんだ?婆様」

 セツラは、ラキアに礼をとるときいた。

 ラキアは、セツラに告げた。

 「これからわしは掟を破り、外の世界へと続く門を開く。お前たちは、このお方たちと共に門を抜け外の世界へと行くがいい」

 「しかし」

 セツラは、ラキアに訊ねる。

 「それは、術者の命を奪う技では?」

 「かまわん」

 ラキアが答える。

 「外より神の使者が来た。お前たちは、世界樹と共に行け!」

 「しかし、婆様が」

 セツラが言いかけるとラキアは、手を上げてそれを阻んだ。

 「この小さな世界ではもう世界樹は保つことができぬ。どうか、お前たちは外の世界へ行き世界樹を育てておくれ。そのためならこの婆の命など安いもんじゃ」

 それからすぐに村にラキアの言葉は伝えられダークエルフたちは、みな着の身着のままで村の中心にそびえる世界樹のもとへと集まった。

 俺たちと数十名のダークエルフたちを囲むようにラキアは、結界を張ると自ら世界樹の枝を一本折りそれをセツラに手渡した。

 「これを持っていくがいい」

 「婆様」

 数名の年老いた者たちがラキアと共にこの地へ残ることを決める。

 ラキアは、結界を閉じると術を発動した。

 「この呪は、世界樹の命を持って発動する。よってこの呪を使うということは世界樹によって保たれているこの迷宮を破壊することになる」

 「婆様!」

 セツラがラキアに呼び掛ける。

 ラキアは、歯のない口でにやっと笑った。

 「さらばじゃ、みなの者よ。彼の世で達者で暮らすがいい」

 空に穴が開き俺たちは、そこへ飲み込まれていく。

 いや。

 俺たちだけじゃない。

 この世界が。

 迷宮自体が天の穴へと吸い込めれていく。

 「さらば!」

 俺は、最後にラキアの声をきいた。

 「わしの子供たちを頼むぞ!トカゲの王よ!」


 

 

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