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9ー3 古代魔法ですか?

 9ー3 古代魔法ですか?


 「ダークエルフ、だって?」

 黙って俺たちの話をきいていたロナードが興奮を隠せずに声を漏らす。

 「それが本当なら、すごい発見だぞ!」

 ロナードが言うにはダークエルフとは、もう何千年も前に滅んだという古のエルフの一族なのだという。

 「ダークエルフは、古代魔法の継承者であり、この世界の守護者と言われていた。とうの昔に古代の叡知と共に滅んだとされているものが見つかったなんて!」

 「確かにそれは、本当のことじゃ」

 ラキアがふっと笑った。

 「じゃが、それもわしの前の長のころまでのこと。今では、すべてが失われてしまった」

 ラキアは、プカーっと煙を吐くと続けた。

 「かつてハイエルフとの戦いに敗れたわしらダークエルフの一族は、ハイエルフから逃れるために古の魔法で迷宮を造り出しその中に身を隠した」

 ラキアは、俺たちに語った。

 「だが、もう古の魔法を知る者はほとんど死に絶えた。わしらダークエルフは、このままこの迷宮の中で静かに終わりを待っておったのじゃ」

 ラキアは、もう千年以上の時を生きている。

 だが、そのラキアですら迷宮の外の世界を知らなかった。

 「わしのような老いた者はいい。じゃが若者たちだけでも外の世界に出て生き延びてほしい」

 ラキアは、キセルを吹かしながら話した。

 「だが、外の世界にはハイエルフがおり、わしらダークエルフの末裔を殺そうとしておる」

 「ハイエルフ?」

 ロナードが驚きを隠せない様子でラキアに訊ねた。

 「あなた方の言っているハイエルフがという種族は、もう何百年も前に滅んだと伝えられていますよ?」

 「誠か?」

 ラキアが愕然としてロナードにきいた。

 「あのハイエルフが?わしらダークエルフの一族をこの迷宮に追いやったあの者たちが滅んだというのか?」

 「はい」

 ロナードが頷く。

 「ハイエルフは、もう何百年も前からその姿を目撃されてはいません」

 「では、世界樹は?」

 ラキアがロナードににじりよりきいた。

 「ハイエルフとわれらダークエルフが所有を争っていた世界樹は?奴等の持つ世界樹はどうなったのだ?」

 「世界樹?」

 ロナードが頭を振った。

 「わかりません。だが、僕たちの世界では世界樹は伝説にすぎない存在になっています」

 「もしや、ハイエルフの守る世界樹は滅んだのやもしれんな」

 ラキアが呻いた。

 「そういえば数百年前にわれらの守る世界樹が実をつけたことがあった。思えばあれが奴等の滅びの合図だったのやもしれん」

 

 

 

 

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