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最強武器から始まる異世界転移~装備したら女の子になってたんだけどっ~  作者: べちゃっとパンケーキ
雪の国ノールと冒険の始まり
3/13

逃走劇と謎の部屋

なんか早くできたので、投稿します。

「うわぁぁぁっ!」


 現在、スキル《能力倍加》の効果で素早さを四倍にしてフルダッシュ中……


 なぜこんなことをしているのかというと、時間は少し遡り洞窟探索を開始してから数十分が経過した時のことだった。


──そのときは、ちょうど広場のような場所を見つけて、そこで休憩していた。

道がいくつあるか調べようと休憩を終えて立ち上がった時、歩きまわっていた

ダルタニャンが戻ってきた。


「旦にゃ様、あそこに可愛い犬が居るのニャ!」


 確かに可愛い犬が地面で寝ていた。

 体がすごく大きく、毛ももふもふしていて、今すぐにでもモフりに行きたい……

そう思っていた時だった。


「クウゥゥゥン」

 

 目を覚まし、初めは可愛いかったこの犬だが……


「グルゥゥゥ……ガウッ」


 僕達を視認した瞬間、一気に纏っているオーラが変わり、歯を剥き出して

こちらに襲いかかってきたのだ。


(……いやっ、こわっ! 誰だよこれが可愛いって言ったやつ!?)


 正直、これ死んだわ……と思ったね。

 《能力倍加》の存在を思いだし反射的に使ったのは、本当に素晴らしい判断だったと思うよ。


「ダルタニャン! 僕の肩に乗って! 逃げるよっ!」


「了解にゃのニャ! 今《鑑定眼》で見てみたけど、あいつは強すぎるニャ!」


 そこら辺の魔物くらいには負けないと豪語していたあのダルタニャンが強すぎと

言うんだ。滅茶苦茶に強いんだろう。

 ダルタニャンが肩に乗ったのを感じて、足にグッと力を入れる。


「よーし、飛ばすよ!」


 こうして、僕と巨犬……いや狼だろうか? まあなんでもいいか。

もふ(ろう)という名前にしよう。

 こうして、もふ狼からの逃走劇が始まった。


──とまあ、そんなことがあって現在に至る、という訳だ。

ちなみに素早さ800、顔面に当たる風の強さが半端じゃない。

曲がり角は気を付けないと思いっきりぶつかりそうだ。


 一つ、驚いたことがある。あのもふ狼、素早さが現在800である僕について来るのだ。あの巨体をこの速さに追い付いてこさせるあの足の脚力はどうなっているのか……


 そして、もふ狼に追い付かれることよりも恐ろしいことがある……


 なんと僕の肩の上に乗っている猫、さっき気づいたんだけど滅茶苦茶揺れに弱い。

そう、僕の肩で盛大にリバースしそうなのだ。

 

 猫のキラキラでぐちゃぐちゃになった僕が目を血走らせたデカイ狼に追われ、

異常な速さで走っている。

 傍から見て、これほどの地獄絵図はあるだろうか?


「うにゃあ、旦にゃ様ぁ。もう限界ですにゃぁ」


 今、理解させられたね……

 もふ狼からの逃走じゃなく、ダルタニャンにリバースさせる前に隠れる場所を

見つけることが本当の目的ゴールであることを。


「くそ……どこか隠れるところは……」


 角を曲がり、走ろうとする。

……が、僕は見つけてしまった。この危機的状況を乗り越えられる素晴らしい場所を。


「! この細い道なら……」


 そして、僕は迷わずその細い道に滑り込む。

静かに一度深呼吸し、口を押さえて息を殺す。


 そして、陰から元いた道の様子を窺う。


「グルルルゥゥゥ……」


 角から凄い勢いでもふ狼が曲がってきた。

前に僕が居なくて、隠れていることに気づいたのか……鼻をヒクつかせている。


(そうか! 嗅覚だ! 外見からして犬っぽいから鼻が利くはずだ……!

これは少し……マズイ……)


 しかし、もふ狼は少しの間ヒクつかせた後、元来た道を戻って行った。


「た、助かった……のか?」


「あいつはケイブウルフっていう魔獣だニャ。何でも、はぐれた狼が魔素マナ

当てられ魔獣化して、高い脚力の代わりに嗅覚が低くにゃったらしいのニャ。

……って、《鑑定眼》の説明に書いてあったのニャ」


奥の方でリバースして、スッキリした様子のダルタニャンが詳しく説明してくれる。


「いや、それ早く言ってよ……」


 こっちは居場所がばれると思って、大分焦ったのに。


「にゃーにゃー、旦にゃ様。さっき奥の方に吐きに行った時に扉があったのニャ。

中に魔物の気配もなかったし、休んで行かにゃい?」


 こいつ、話を逸らしたな……

 でもまあ、足が疲れていたからちょうど良いと言えばちょうど良い。

今回はのってやるとしよう。

 

「……うん、そうだね。僕も疲れているし、少し休んで行こうか」


「それにゃら、案内はあたしに任すのニャ!」


「よし、じゃあ行こっか」


 長時間走って疲れ切った足を引きずりながら、前を歩くダルタニャンについて行く。



──五分ほど歩くと、確かに石造りの扉があった。

扉には綺麗な装飾が施されており、中心には魔方陣が刻まれている。


「ここだニャ。でもこの扉、一定の魔素マナを持っていにゃいと動かないみたいで

あたしには開けれにゃかったのニャ」


「じゃあ、僕ならいけるかな?」


 仮にも、僕は魔素量620だ。いけるだろう。

 扉の魔方陣の部分に触れる。


──バチンッ


「いたっ!?」


 まるで扉に叩かれたように、痛みを感じて弾き返される。

どうやら僕じゃ足りないようだ。


(はぁ、自分の魔素量は結構多いと思っていたんだけどな……)


 《能力倍加》で魔素量を四倍にして触れる。

……さすがに、開いた。


──ちなみにこの扉、魔術士十人ほどの魔素量が必要だったりする。


 扉を開けてみると、中も石造りの広い部屋だった。

等間隔に松明があり、そこらに剣やら鎧やらが転がっている。

 宝物庫みたいなものだろうか。

それにしてはキラキラ度が少ない気もする。


──バタンッ


「っ! ……なんだ、扉が閉まっただけか……」


 勝手に閉まるんだね、扉……


「ま、どうでも良いか。僕なら開けれるし。

ダルタニャン、僕は少し仮眠を取るよ……」


「……すぴー、むにゃむにゃ」


……寝るのはやっ!

ていうか、使い魔って寝るんだね。


「じゃ、じゃあ少しの間、おやすみ~」


 そうして、僕は壁にもたれ掛かり、次第に眠りに落ちていった。




──眠っているアオイ達に影が伸びる。


「……猫の使い魔と……女の子かな?

……誰でも良いんだけど、君達なら、もしかすると……」


 そう言って、影の主はアオイの上にダルタニャンを乗せて

アオイを抱えて部屋の奥へと姿を消した……

ありがとうございました!

ブクマや評価、励みになってます!

次は土曜日辺りに投稿したいと思います。

ちなみに主人公、最後にさらっと説明したけど滅茶苦茶女顔で

その事をコンプレックスとしています。

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