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最強武器から始まる異世界転移~装備したら女の子になってたんだけどっ~  作者: べちゃっとパンケーキ
雪の国ノールと冒険の始まり
12/13

初めての魔物と僅かな疑惑

大分遅れてしまいました。申し訳ない……


 

 現在、拠点とした冒険者ギルドの裏手にある、積雪の森というところを歩いている。その理由は簡潔に言えば、アルをあの宝物庫のような場所から救出するためだ。そうなった経緯だが話すと長くなるので割愛させていただくが、大体の過程は話しておこう。


 昨日、あの後予定を話し合おうと言ったスゥの口から告げられたのは早すぎるアル救出作戦の決行だった。


 流石にあそこに行くには早すぎると、あの洞窟に居たケイブウルフ──後からダルタニャンから聞いたのだが、あのケイブウルフはステータスの表記がおかしかったらしい──を持ち出して説得を試みる。まあ、確かにあの速さは異常だとは思ったけど、ダルタニャン曰く、一部の数値が文字化けしていたらしい。速いだけならまだしも、流石に文字化けというのは不安を煽るのだ。


 本題に戻るけど、結局説得は通じなかった。『これは、大陸中に私たちの名前を轟かせる一番手っ取り早い方法。彼女と行動を共にするだけで名前が広まるんだよ? それに魔導書型の魔術師はある程度実戦経験を積まないと魔法を使えないの。それを考えればあの洞窟──新雪の洞って言うんだけど、そことそれまでの森は良い狩り場だから魔法を覚えるのにはちょうど良いんだ。魔法行使までのレールは出来上がってるしすぐできる筈だから、ね? 危険を伴うけど、それを上回るメリットがあるでしょ?』


 という風にすごく真面目な感じで悟された。死ぬ可能性がある以上早く合流することに越したことはないし、流石にそろそろ使いたいからね、魔法。寧ろ、そのためだけに異世界生活やってるまであるしね、僕。


 まあ、冗談はさておき。しかしながら不安要素があるのに、警戒しないというのはこの世界において、死にに行くのと同義だろう。そう言ってスゥには索敵の魔法を全開に使ってもらうことになった。


 ちなみにスゥのステータスはゴリゴリの魔法アタッカーだった。スキルも魔法関係の固有(ユニーク)スキル【魔導】と【錬金術】で本当の魔女っぽい。ちなみに【魔導】は詠唱が短くなる、一度に種類の違う魔法を同時に詠唱できる、魔素の消費量が減る、魔素量・操魔力ともに上昇する、などといったぶっ壊れなスキルだ。【錬金術】はその名の通り、錬金術でポーションや簡単な魔法具を作れるスキルだ。他にもあるがおまけみたいなものだろう。


 ちなみにスゥが錬金でポーションを作るときは、ほとんどの場合、どこにあったのか大きな黒い大釜に毒々しい液体を数種類入れて、かき混ぜ棒で混ぜている。不敵な笑み付きで。あのなんともいえない濃い緑色の液体がポーションとして機能するのかは謎だ。たまにかき混ぜ棒が溶けてるし。


 まあ、そんなことは置いておいて、とりあえずケイブウルフと相対することは避けなければならない。ダルタニャンにも警戒してもらった方がいいだろう。多分だけど索敵に関してはダルタニャンの方が優れているだろう。


「ねえ、ダルタニャン。ケイブウルフと鉢合わせになるのはどうしても避けたいから、洞窟に入ったら索敵スキルは全開でお願いね。あとアルの匂いは分かるよね? 匂いを頼りに道も教えてくれる?」


「にゃー。すごく疲れるけど、旦にゃ様のためだにゃー。頑張るニャ」


「うん、よろしくね。帰ったら簡単に作れそうなスイーツを作ってあげるよ。そうだなぁ……ホットケーキがいいかな」


 いつもだったら食いついてきそうなスゥだが、魔法に集中しているのかなにも喋らず前を歩いている。


「葵、魔物が居るよ……今のうちに斃すことに慣れておこうか。コツは、そうだね……魔物を空気か何かだと思っとけば案外いけるかな? 血は出ないし」


「え? そうなの? てっきり血は出ると思って覚悟していたんだけど」


 エグい色の血を全身に浴びるんじゃないのかと、昨日あんなに吐かないように脳内シミュレーションを繰り返してトレーニングしていたというのに。


「まあ、体の構成は殆どが魔素だからね。斬ったところで出るのは黒っぽい靄だけだから。なんて話している内に来たよ」


 そう言われてスゥが向いている方を見ると……確かにいた。白くて可愛らしいウサギが。なんとも攻撃し辛い見た目だが、それが魔物であることは額にある鋭い角から分かるだろう。おそらく突進してきてあの角での刺突がこのウサギの攻撃方法なのだろう。


 そうこう考えている内にウサギはなかなかのスピードで接近してくる。そして、飛び上がり……回し蹴りを繰り出してきた。


「回し蹴りぃぃ!?」


 咄嗟のことに驚き、回避しようと動いた時には、ウサギの脚は何かのスキルの効果か黒く染まり、すぐそこまで迫っていた。


「旦にゃ様!」


 ダルタニャンが僕とウサギの間に入り、“バキィィン”と持っている刺剣で蹴りを弾き返す。いや、蹴りを弾き返すってなんだよ。でも本当にその表現が一番しっくりくるのだ。相手も無傷──なんなら、二本の足で立ってステップまで踏んでいる。


「猫式刺剣術──猫爪(びょうそう)


 そう言ってダルタニャンが跳び上がり剣を振ると猫の爪痕のような4本の斬撃が出る。これにウサギは自前の角で応戦する。そういう使い方するのね、その角。


「旦にゃ様、今だニャ!」


 と言われたが、その前に【能力倍加】により素早さを二倍にしてウサギの背後に回っていた僕は、そのまま白銀の剣《天照》を首めがけて振り抜く。首を斬り離されたウサギは光の粒子となって、僕とダルタニャンの体に吸われていった。


「今のは…………それより。助かったよ、ダルタニャン!」


「あたしは旦にゃ様の使い魔として当たり前のことをしたまでニャ」


 少し照れながらそう言うダルタニャン、可愛い……


 “パチパチ”とゆっくりとこちらに歩み寄ってくるスゥ。その姿に若干の違和感と苛立ちを覚える。違和感の正体は恐らく“仕草”だ。普段のスゥならこんな人の神経を逆撫でするようなことはしない。そればかりか愛想を振り撒いているくらいだ。あの可愛らしい体躯と顔に皆、騙されてつい口が軽くなってしまうのだろう。それに戦闘に参加しなかったのも少し気がかりだ。いくら僕に経験を積ませようとしていても、僕が危なくなったら少しくらい手伝ってくれそうなものだけど。それに今日はやけにおとなしく、無口なのもいつものうるさいスゥを思うとおかしいように感じてしまう。なにも無いのなら良いけど……


「流石、一時期剣道であの如月(きさらぎ) (りん)と渡りあっていただけはあるね」


「あ、あはは~ それほどでもないよ」


 と、疑った時にはこれだ。僕や転移した友人たちにしか知り得ない情報を出してくる。本当に友人関係である僕が若干違和感を覚えるくらいなのだ。なにも無いかもしれないし、致命的で取り返しのつかないことになるかもしれない……ということで僕の中でケイブウルフの次に警戒することにした。疑わないにしても、僕はこの世界について知らなさすぎる。そういう魔法があってもおかしくはない。


 あ、ちなみに如月は恐らくこの世界にいる、クール系美女の友人だ。元の世界では剣道日本一で、僕も少しの間だけ彼女の親が開いていた道場に通い、そんな彼女に一度だけだが勝ったこともあるのだ。その時の剣術やあの技術(・・・・)はこの世界でも通用する事は分かっている。さっきは油断していてダルタニャンに守られたが、次からは気をつけていこう。


「ねえ、ダルタニャン……スゥの匂いを【超嗅覚】で嗅いでくれない?」


 スゥに聞こえないくらいの声量でダルタニャンに頼む。


「旦にゃ様もですか。実はあたしも違和感を感じて試したのニャ。でも純菜嬢の匂いに違いにゃいのニャ。一応【魔眼】も試したんだけど、魔素の波長も(おにゃ)じなのニャ」


「そ、そうなんだ。う~ん、ダルタニャンがそう言うんならそうなのかな……」


「あんまり、過信し過ぎるのも良くないニャ。あたしもこのスキルがどこまで信用できるのか分からないニャ」


 まあ、疑うに越したことはないか……何かしら起こってからでは遅すぎるし。


「なーに、二人で話してるの? 早く来ないと置いて行っちゃうよ」


 うしろからスゥ(おそらく?)がむすっとむくれて顔を出す。それに慌てて僕は笑顔を作り、


「あはは~なんでもないよ。たださっきのミスは良くなかったかなーって、話してたんだ」


「ふーん」


 なんとか取り繕うことができた僕は先に歩き始めたスゥに着いていく。先ほど確かめたけど地図ではアルのいる洞窟はこの先である。もし本当に偽スゥで僕に正体を明かさずこのまま進むのであれば、狙いはおそらくSランク冒険者であるアル。どちらにせよ、今仕掛けるのには証拠が足りない。もう少し決定的な証拠を手に入れなければ……

ありがとうございました!

そういえば、ツイッターやってましたけど、ログインできなくなったんで、別のアカウントをつくることになるかもしれません。

まあ、見ている人あまりいなかったでしょうけど、その時はまたお知らせします。

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