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最強武器から始まる異世界転移~装備したら女の子になってたんだけどっ~  作者: べちゃっとパンケーキ
雪の国ノールと冒険の始まり
10/13

魔法の授業

お久しぶりです。だいぶ遅くなってしまいました。


 というわけでスゥが魔法の授業をしてくれるらしいです。スゥは今、その準備をしているところだ。僕はというと書庫にあった『ルゥストリア呪術大全』という本のページをめくっていたところだ。いやなに、今の姿は呪われた(カースド)スキルによるものだから、呪いの一種だし記述があってもいいかなと思ったのだ。今のところそれらしきものはないのだが……まあ焦る必要もないだろう。姿が変わろうとも僕は僕だからね。あ、ちなみに『ルゥストリア』は大陸の名前だ。どうもこの世界には2つ大陸があって、今僕たちがルゥストリアでお隣には『アルス』という大陸が存在するのだが、そちらは色々あって魔物が跋扈するだけの大陸となっているらしい。僕はそこに『災厄』の元凶、或いはそれに関するなにかがあると踏んでいる。まあ憶測にすぎないのだが。


「……い、おーい、あ~お~い~」

 

「あ、はい。なにかご用で?」


「なにその返事……? って、そんなことより授業の準備できたよ?」


 どうやら、深く思考しすぎてスゥが部屋──革製のソファーと机があるだけの部屋だ──に入ってきたことに気付きもしなかったようだ。ここぞとばかりにずいっと顔を近づけ、いつもより生き生きとした目をしてこちらを見てくるスゥ……は無視して奥を覗くと、深緑色の板──つまり地球でいう黒板というやつだ──があった。この世界にもあるんだな、黒板。いや、アルの話だと過去にも転移者はいたらしいし、その人達が作り方を教えていったという線もあるか。まあ、どちらでもいい話か。僕たちはそれを最大限利用するだけだ。


「……で、するんでしょ、魔法の授業」


「……スゥさんや、まずはその欲望駄々漏れな状態をなんとかしなさいな」


「……チィッ……ばれたか……」


「いやっ、普通に気付くよ!? その異常な量の鼻血見たらっ!」


 おまけに目が異常なほど血走ってるしね。今のあなたを見て逃げない人はほんの一部だと思いますよ。ええ。


「……と、まあ冗談はこれくらいにしておいて……てってれー『誰でも簡単初心者魔導書魔法』~」


 何事も無かったようにスゥが懐から本を取り出す。あの、何てことないように一瞬で鼻血止めるのやめてもらっていいですか? 常識はずれなんで。そして、国民的アニメのリズムをしれっとパクるな。訴えられる。誰がとは言わないけれど。


「私も魔導書魔術に関しては素人だからね。こういう時こそ本に頼るべきだよね。えっとぉ、なになに……『まずは体内を流れる魔素を感じるべし。さすれば、道は開かれん』だって」


 うん、良いんだけどね……シンプル過ぎて、逆に分からん。効率的な方法とか、その図解とかはないんだね。それになにその古典的な文法……? 要るのか、その要素……? 少なくとも『誰でも簡単』とはいかないと思うんだけど。


「なるほど……そういうことだったのね!」


 なぜ、分かる……? なんか全てを理解したような顔でこっちに近づいてくるけど、その短文でなにを理解したというんだ……そして、目の前に来て両手を前に出す。なにその手。何をしろと? まさか……


「手を繋げ、と?」


「(ニコッ)」


「……いや、清楚なお嬢様風の笑顔でも隠しきれて無いからね? 君のその欲望。ていうかそもそも僕、中身は男だからね。心の中では嫌らしい顔してるかもしれないよ?」


「フッフッフッ……葵が女の子の身体に興味無いことくらい耳に入れているのだ。あと私たち以外の女子全般が少し苦手なことも……これは不可抗力なのさ。実際この方法が魔素を感じる上で手っ取り早い方法なのだ(勝ったな)」


「……あーそう、じゃあ書庫に行こうかな。魔素の流れを感じる上で効率的な方法を解説している本くらいあるだろうしね」


「だー待って、本当にこれが一番早いんだって!」


「僕と手を繋ぐのに?」


「そうそう……て、違うわー! このっ、嵌めやがったなー!」


 嵌めてない、勝手に嵌まっただけだ。ていうかここまでお馬鹿さんとは……もうちょっと頭の回る奴だと思っていたよ。そもそも僕に口で勝とうとしたのが間違いだね。これでも、全員が全員変わった性格(いわゆる変人)の集いと呼ばれていたスゥを含めた、僕の友人たちを内側から取りまとめていたんだ(ちなみに外から見ると別の奴がまとめているように見えるそうだ)


 基本的にお馬鹿ばっかりなので分かりやすく説明する必要があるんだよね。そんな環境な訳だから自然と文章力が身に付くのだ。


「うん、まあ冗談はこれくらいにしておいて、と。はい、手繋いだよ?」


 ここで、~有無を言わせぬ悪魔の笑み(不可視の)邪悪オーラを添えて~をスゥにお見舞いする。これはロリコンスゥも冷や汗物らしい。一瞬昇天してしまいそうな笑顔を浮かべた後、その威圧感のため地獄に堕ちる前の人の様に青白くなってしまった。いつもながら、その表情の変化の速さは感服するよ。


「ワタシ、イウコトナンデモ、キキマス」


「そう、本当に?」


「カ、カミニチカッテ」


 やり過ぎたか? ガッチガチに固まってしまってるんだけど。


「うん、じゃあ話し方普通に戻して、魔法の授業再開してくれる?」


「ハ、ハイ。コホン、え~それじゃあ、今から少しだけ葵に魔素を流すからそれを感じ取ってね。自然な状態であればあるほど感じ取りやすくなるから、あまり力まないようにね」


 と、スゥが言ってから少ししてから、手から暖かいなにか(・・・)が流れてくるのを感じる。おそらく、これが魔素(・・)なのだろう。本当にすぐ分かったな……別にスゥを信じてなかった、という訳ではない。確かに不信感はほんのちょっぴり、本当に少しだけあったことは否めないが。


「もう手、離すから身体に駆け巡る私の魔素を感じておいてね。巡るところに魔素が流れる管がある。それ重要だからどこを通って、どこに集中しているか、ちゃんと覚えておいてね」


 自分の体内をスゥの魔素が巡っていくのが確かに感じられる。それと同時にどこにその管が集中しているのかが分かっていく。両手、両足、後は……脳、だろうか。そして、全身を巡った魔素は心臓付近へと近づき霧散する。なぜ心臓付近で霧散したのかは分からないが、おそらく人が動く上で重要なところに魔素の通る管が集中している。もちろん、どういう理由があってそこに集中しているのかは分からないが。


「……集中している場所は人間が自身の身体で一番使う場所。言い換えれば人間が一番使いやすいところ(・・・・・・・・・・)。そこに集中しているのは、単に魔法を使いやすくするためだけ、というのがこの世界の魔術師たちの定説だね。証拠に別に足からでも魔法は撃てるよ。脳に集中してるのは、魔法を撃つための司令塔とするためらしいよ」


 なるほど、理にかなった説だ。ていうか、ペラペラ喋ってるスゥが何気に凄い気がするんだけど。常にこんな感じであればすごく頼りになるのになぁ。なかなかどうして、天才に限って変わった性格しているのか……


「あと、心臓付近で魔素が消えたと思うんだけど、それはそこに『魔核』っていう魔素を貯めておく場所があって、そこにある葵の魔素と私の魔素が相反しあった結果量の違いで私の魔素が消えたっていう原理。まあ、難しいことだし『そこに魔素を貯めておく場所がある』ってことさえ覚えておいたら問題はない」


 待て待て、本当にこれスゥか? 僕の記憶では情報収集と情報操作が好きな変態さんってだけで、勉強とかはあまり好きじゃなかったと思うのだけど。僕が知らぬ間に変わったということかな。


「じゃあ、次は魔核から魔素を取り出す訓練をしていこう!」


 次の段階に進めようとしているスゥだが、今一番気になっているのはスゥが持ってきた『誰でも簡単初心者魔導書魔術』という本は必要あったのかということだ。僕自身は1ページたりとも読んでいないし、スゥはペラペラッと読んで全て理解したようだからだ。つまり導き出される答えは『別にスゥだけでも良かったんじゃね』ということだ。まあ、順調に進んでいるのでどうでもいいんだけど。

ありがとうございました。次はできるだけ早く投稿できるようにします。

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