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みんなのあいどる


「「「真冬、ハイ! 真冬、ハイ!!」」」


 後ろで謎なコールに合わせて真冬が踊っている中、チフユの発言の意図を探る。


「あんた一体何言ってるの?」

「貴女こそ兄さんが何も考えずに、真冬をアイドルに仕立て上げ麺を打ってるだけだと思ってるの?」


 何か、信じられないみたいな顔をされながら言われたけど、現状でそれ以外の要素を察することがあたしには出来ない。


「違うの?」

「チナツはこの街に来たばかりだから分からないかもしれないけど、兄さんがこの活動を始めてから私達のシンパが増えた。それに、毎日この騒ぎを起こしているおかげで、公爵家や教会の警備が薄くなっている(気がする)」

「それ絶対気のせいだから!! 自分の娘が拉致されて警戒が薄くなる訳ないじゃない!!」


 襲撃犯が街中でこれだけの騒ぎを起こしておいて、警戒されない訳がない。


「チナツ、落ち着いて。そんなに悲観的になる事はない」

「何でよ?」

「公爵家の次女は私達に協力的。つまり、教会の不正を暴くのに一役買ってくれる」

「そいつ信用できる訳? 元々公爵家の人間なんでしょ」

「大丈夫。チアキが教育係だったらしいから……」

「それ本当に大丈夫なの?」


 倫理観とか、そういう系の奴。


「話してみると分かるけど結構真面な娘だから。公爵家の不正にも思う所があるみたいだし」

「あんたがそう言うなら信じるけど。それで何であたしが麺作りと接客をしないといけない話になる訳?」

「予想以上に人気が出て三人だと手が足りなくなってきた」

「あの一平とか言う変態とかうどんとかはどうしたのよ」

「一平は教会の不正を探ってくれてる。彼が一番、潜入するのに向いてるスキル持ってるから」


 あんなに目立つ格好しているのにそんなに潜入スキルが高いんだ……。


「飲食店にうどんとそばみたいなケモノは衛生上の観点上、入れられない」


 言われてみればそうだった。


「「「真冬ちゃ~ん!! 回って、回って!!」」」


「ていうかさっきから思ってたけど、後ろのアレは良いの?」

「私はもう諦めた。真冬本人も嬉しそうにしてるし、あの人達も真冬が嫌がる事はしてないから……」


 そう言うものだろうか。

 幼女に群れるおっさん達という構図は変質者の集まりにしか思えないんだけど。


「それにチフユの名前が入ってる団扇とか持ってる人がいたけど、アレも何なの?」

「私のファンらしい」


 嬉しそうにしてんじゃないわよ……。


「私は兄さんの婚約者だって言ってるんだけど、それが良いんだって」

「その人達寝取り願望持ちの連中じゃないの?」

「皆、結婚して幸せになってくれって言ってくれてるから、それはないと信じたい」

 

 そんな純真な気持ちだけな訳ないでしょう。

 もしくは人妻好きか……。

 どちらにしても真面な奴等ではないと思う。


「チナツも今入れば、チナツ用の団扇と法被と鉢巻が作られるはず」

「要らないわよ、そんなこっ恥ずかしいもの」

「えっ?」


 何信じられないものを見たみたいな顔してんの。

 別にあたしはアイドルを目指している訳ではないし、そこまで目立つのも好きではない。


「チナツ好きそうだと思ったのに……」

「あんたはあたしを何だと思ってる訳?」

「兄さん好きのデレが8割位のツンヤンデレ」

「そんなにデレてないから!!」

「はぁ、チナツはもっと自己分析をした方が良い」


 何であたしが溜息つかれなきゃいけないのよ。


「チナツ可愛いから人気出ると思ったんだけど」

「そんな言葉で乗せられる程あたしはチョロくないわよ」

「それでも兄さんにチナツがフリフリのアイドル衣装着て踊ってるところが見たいとか言われたら、ちょっと考えてからやるんでしょ?」


 確かにあいつがどうしてもと言うんだったら考えなくは――――


「って、そんな訳ないでしょ!!」

「ちーちゃんもわたしといっしょにおどってくれるの?」


 何時の間にか隣に来ていた真冬がキラキラした目で見てくる。


「残念だけど、あたしは踊らないわ」

「だめなの?」


 この幼女は自分の強みが分かっているのか目をウルウルさせてくる。


「チフユが一緒に踊ってくれるでしょ?」

「オリジナルとは、ぜったいにいや!! ちーちゃんとおどりたいの!!」


 その言葉にチフユがショックを受けて崩れ落ちた。

 さっきから思ってたけど、この娘言葉のナイフでチフユをグサグサ刺しすぎじゃない……。


「でも、あたしはあんまり踊るの巧くないし……」

「それでもいいの!! いっしょにおどろ?」


 くそっ!

 ちびっ子とは言え、魔王からは逃げられないとでもいうのか……。


「……仕方ないわね。一回だけよ」

「やったーーーー!!」


 真冬に引っ張られて広場のど真ん中に連れていかれる。

 えっ?

 そんなに目立つ所で踊るの?


「みんなーー!! きょうは、とくべつゲストでちーちゃんにきてもらいましたーーーーー!!!!」

「「「うおーーーーーーーーーーーーー!! ちーーーーーーーちゃーーーーーーーーーん!!」」」


 そして周りに声を掛け始める真冬。

 それに答える様に、歓声を上げるファン達。

 熱狂的なファンは白く発光する棒を持ち手を振る。

 御老人達は自分の孫を見るかの様な暖かい目を向けてくる。

 普通の人ですら真冬の掛け声に反応している。

 どんな状況よ……。


「それじゃ、うたいます!! きょくめいは『すき、すき、にいさん』です!!」


 何その歌!?

 あたし知らないんだけど……。

 というか何でこんな大勢の前で歌わないといけない訳?


 そして始まる伴奏。

 何処から音を出しているのかと思ったら、後ろでうどんとそばが風魔法で音を出していた。

 器用な事をする奴等だ。


 チフユを見るとまだ死んだ様な目でにこやかに立ち崩れていた。

 真冬から刺された言葉ナイフがまだ抜けていない様だ。

 意外とあいつメンタル弱いわよね……。


 もう、こうなったらヤケよ!!

 女は愛嬌、あいつに恥じない歌声を披露してやるんだから!!


一年程前に知人とJDJKJCJSに続く流れからJYJHに続いていく話をしたんですが、今日その人からその先にはJB、JTがあると言われました。

JBは兎も角、JTは闇が深いと思います。

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