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いざ、エルードへ ~チハル編~


「チハル、戻ったよっ」


 チアキがお兄ちゃんの説得に行った翌日ようやく帰ってきた。

 大体の話はお兄ちゃんの頭の中を覗いていたので、知っているが時間をかけ過ぎである。


「何考えてるの? ちょっと時間かけ過ぎじゃない」

「そんな事ないよっ。ちゃんとチハルの要望通りうどん達も同行してくれるみたいだし、この位の時間は必要経費じゃないかなっ」


 いけしゃあしゃあとよく宣う奴だ。

 チナツにチアキがいない事を誤魔化していたこっちの身になって欲しい。

 チナツの詰問って結構きついんだよね。


「というか、何で真冬まで連れて行くの?」

「自分から兄様に会いたいって言ってたんだよっ」


 確かにあの娘は元がチフユお姉ちゃんなだけあって、お兄ちゃんへのラブ度が半端なかった。

 会ったこともないのに、わたしにお兄ちゃんの話をして欲しいとねだってくるのだ。

 そして、わたしの話を聞いて自分の妄想の中でお兄ちゃんを美化して、勝手に惚れると言うボットと化していた。

 ああいう娘のことをヤンデレと言うのだろう。

 その内、お兄ちゃん成分が足りないと禁断症状が出るとか言ってきそうだ。

 そう考えると、自分の欲望に我慢しきれなくなったとしても、仕方のない事なのかもしれない。


「あの娘、お兄ちゃんに迷惑を掛けたら殺すから……」


 お兄ちゃんは偉大なだけあって、真冬の事もちゃんと受け入れていたようだ。

 でもだからと言って、それで真冬がお兄ちゃんに迷惑を掛けて良い理由にはならない。

 必要以上にベタベタしていい理由にもならない。

 年齢とお兄ちゃんに甘える事は関連性がないのだ。

 見た目4歳児であっても、お兄ちゃんの事で贔屓はしないのがわたしのポリシーである。


 まぁ、そうは言っても真冬の事だから、わたしとちゃんとお話すれば分かってくれる筈だ。

 あの娘はなんだかんだで物分かりが良い。

 多分、チアキとか言うキチガイと一緒に過ごした結果、我儘が言えなくなってしまったのだろう。

 そう考えると可哀想な娘ともいえる。


「チハル、何か失礼な事考えてない?」

「そんな事ないよ」

「はぁ、まぁいいけどねっ。それで、チナツ達にはエルードに行くことは伝えてくれたかなっ?」


 チアキはわたしの態度に呆れつつも、このパーティの今後の方針について聞いてくる。


「一応ね。チナツが最初、魔王討伐よりも教会の不正を優先していいのか悩んでたけど、魔王四天王がいるとか言ったら納得してくれたよ」


 まぁ、わたし達が裏から手を回していることに気付いたとも言うけど。


「それで、チアキが戻ってきたらエルードに出発しようって事で話を進めてあるから」

「えっ、うち待ちだったの?」


 むしろそれ以外に何か理由があるんだろうか。

 チアキを置いていくことも検討したけど、蛆虫の件もあるし、エルードに行った先で手が足りなくなるのも困る。

 後、チナツに怒られそう。

 そんな訳で、チアキを見捨てることが出来なかったのだ。


「チアキの準備が出来次第出発するから、早く準備して」

「わかったんだよっ」


 そう言って、チアキは自分の荷物の整理を始めた。



「それであんた達は何を考えている訳?」


 チアキと別れた後、チナツに捕まってしまった。


「この間言った通りだよ。いい加減、この面倒な旅を終わらせたいと思うんだ」

「本当にそれだけなの? あんた達の事だから厄介事にしかならない気がするのよね」


 失礼な奴だ。

 わたしはそんなに厄介事を持ち込んでない。

 大体はチアキのせいだ。


「何にしてもチナツの悪い様にはならないよ。それにチナツに何かあったら、お兄ちゃんが悲しむでしょ?」

「あんたは……」

「わたしはチナツの為に動く気はないけど、お兄ちゃんの為には何だってするからね。だから、今回の件は安心して貰っていいよ。チアキの首も抑えてるし」


 ジョーカー的な存在であるチアキは手札にないから、ジョーカー足りうるのだ。

 手元にあれば切り札にしかならない。

 あれでも、お兄ちゃんには嫌われたくないみたいだから、そう簡単には裏切らないでしょ。

 少なくとも今回の間位は……。


「あんたに心配されてるようじゃ、あたしもまだまだね。チフユがいない間位はしっかりしないと」


 チナツはわたしの言葉を聞いて、気を入れ直した様だ。


「別に心配とかしてないんだけど……」

「はいはい。無謀な事はしないから安心して」


 チナツはわたしを軽くあしらいながら、人の頭を撫でてくる。

 わたしより一年早く生まれた程度で生意気な奴だ。


 まぁでもこれでエルードに着いた瞬間、チナツが教会と公爵家に吶喊する様な事にはならないだろう。

 本当に普段真面な人程、暴走した時の手間暇が酷いのはなんでなんだろうね。


 何にしても、これで生お兄ちゃんと会える訳だよ。

 ここまで長かった。

 早くお兄ちゃんに会って、褒めて貰おう。


 そろそろ禁断症状も出て手の震えも止まらなくなってきたし、取り敢えずお兄ちゃん匂を嗅いでお兄ちゃん成分を回復させないと。


 ああ、早く オニイチャンニ アイタイナ。


これで次回からエルード編の始まりです。

相変わらずの無計画で話を考えておりますので、この先がどう転ぶかは誰にもわかりません。

取り敢えず、ドワイト君達や真冬には活躍して欲しいとは思っています。


引き続きよろしくお願いします。

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