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わたしのオリジナルって、やさしいけどキライ


「チアキ、まさかこの子って……」


 俺の答えを聞いたチフユは何か思い付いたらしい。

 まぁ十中八九この間の髪の毛の件だろう。


「そうだよっ。この間チフユさんから貰った髪の毛から作った娘だよ」

「やっぱり……」


 その答えを聞いてチフユは気の毒そうに真冬ちゃんを見た。


「なんか、しつれいなひと。わたしは、にいさんとあえてしあわせだもん」


 その目が気に食わなかったのか真冬ちゃんはチフユを睨み返す。


「貴女、チアキに酷い事されなかったの?」


 チフユはしゃがんで真冬ちゃんに視線を合わせながら話を聞く。


「そんなこと、されてないよ。チアキおねえちゃんからは、まほうのつかいかたとか、もじのよみかたとか、おしえてもらったんだよ」


 すると、そんな態度に真冬ちゃんも緊張が解けたのか、チフユの方を向いて答えた。


「そう、それは良かったね。ちゃんと魔法とか使えるようになった?」

「いちばんかんたんなやつは、ぜんぶつかえるんだよ。ほらっ!」


 真冬ちゃんが手から小さい火を発生させる。

 一番簡単な火属性の魔法だ。


「それは凄いじゃない」

「うん!」


 チフユに褒められて嬉しそうしている姿をみると、チフユそっくりなのもあって親子にしか見えなかった。

 褒めて貰いたいのか、真冬ちゃんは次々と新しい魔法をチフユに自慢気に見せていく。

 チフユもそれを見て、真冬ちゃんの頭を撫でながら大袈裟に褒めていた。

 なんか見ていてすごくほんわかする。


「なぁ、チアキ」

「何かなっ?」

「あの娘、チフユの身代わりにしようとか考えてないよな?」


 チアキの事だからそれ位やりそうだと一応聞いてみる。


「そんな事はないよっ」


 ダラダラと汗を流しながら否定されても、信用できないんだが……。


「うち的にも、あそこまでしっかりと育った個体をそんな簡単に捨てるのは勿体ないからねっ。今回連れて来たのは、魔王が二人いるで敵に対する目晦ましになりそうだったことと、あんな小さな子を普通は殺さないよねっていう人の情に付け込めそうだなと思ったからだよっ」


 どちらにしても、真面な理由ではない。

 チアキ的には最悪の場合切り捨てても構わないとは思っているのだろう。

 チアキからすれば、いくら意思があっても真冬ちゃんは研究で作った品物に過ぎない。

 生き物ではないから、本当に生きている人(チフユ)とどっちを取るかと言われれば、生きている人を取るのだろう。


「本当に面倒なものを作るよな、お前は……」


 俺は思わず溜息をついてしまうのだった。


「そんな事はないと思うけどなっ。うちがやらなくても、どうせ誰かがやり始めるよ」


 チアキはそう言いながらも、真冬ちゃんを見る視線は優しかった。



「兄さん。この娘、私達の子供にしよう」


 チアキと話をしていると、チフユは真冬ちゃんを抱きかかえながらそんな提案をしてきた。


「どういうこと?」


 チフユの腕の中で嬉しそうにしていた真冬ちゃんがチフユの提案の内容を尋ねる。


「私達が真冬のパパとママになるってこと」

「わたしは、パパになったにいさんと、けっこんできる?」

「パパは私の旦那様だから結婚は出来ない」

「それじゃあ、いや!! にいさんとけっこんするの!!」


 真冬ちゃんはチフユの説明が気に入らなかった様で、暴れてチフユの腕から脱出すると俺に飛びついてきた。


「チアキ、前から疑問だったんだが、何で真冬ちゃんの俺への好感度がこんなに高いんだ?」

「多分、チフユさんを元に作ってるからだろうね。真冬もチフユさんと同じレベルで兄様の事が好きって事だよっ」


 これは新しい火種を生み出しただけなのでは?


「兄さんは私と結婚する約束をしているの。だから真冬は兄さんとは結婚できない」

「まだ、けっこんしてないじゃん!! だったら、わたしがにいさんとけっこんする!! こいびとでも、すきなひとは、とっていいんだもん!!」


 真冬ちゃんはチフユの説得に対して、全く聞く耳を持っていなかった。


「おい、なんかチナツみたいな事を言い始めたぞ」

「うちが忙しい時にチナツにも面倒見て貰ってたからだと思うよっ」


 チナツも何を教えているんだ……。


「ちなみにチナツは真冬ちゃんについて何か言ってなかったのか?」

「何か色々言ってたけど、取り敢えずはしっかり育てなさいだって」


 この口振りだと滅茶苦茶怒った上で、諦めた感じだな。


「後、チハルに見せる時は注意した方が良いって言ってたねっ」

「どういう事だよ?」

「うちはチナツじゃないから分からないよっ」


 まぁ、そうかもしれんが……。

 少しくらいは考えてくれても良いんじゃないか。


「真冬ちゃん、取り敢えずお兄ちゃんとお外で遊んでこようか?」

「ほんと? やったーー!!」


 取り敢えず話を進める為に、チフユと喧嘩していた真冬ちゃんに声を掛ける。

 すると、真冬ちゃんは俺の周りを飛び跳ねて喜んだ。


「チアキ、今の内にチフユにエルードの件話しておいてくれ。俺は行く方向で大丈夫だから」

「ほら、にいさん!! はやく、はやく!」


 小難しい話をするのに、真冬ちゃんは申し訳ないが邪魔だろう。

 俺はもう話を聞いているし、後はチフユ次第だ。


「兄様、助かるんだよっ」

「エルードの件ってどう言う事? また、チハル達が面倒事を起こしたの?」


 チアキにお礼を言われ、俺は真冬ちゃんを連れて部屋を出た。

 チフユもチナツ関係の問題であることを察してくれたみたいだし、多分来るだろう。


 しかし、なんか色々とマズイ予感しかしないが、本当に大丈夫なのか?


真冬ちゃんはチフユが自分のオリジナルであることは知っています。

だからと言って何かが変わる訳ではないです。

多分、尊敬しているはず……。

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