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チート能力の対価


 気が付くと僕は利用している宿屋に戻っていたんだ。

 手元にはちゃんと『因果律を操作する本』も残っている。

 さっきのフードの女は一体何だったんだ?

 その女の事は不気味に思ったが、自分に被害がない事を確認できるとそこまで気にならなくなった。

 あんな不気味な女よりチナツちゃんの事だ。

 彼女を如何にしてドロドロにしていくのか、自分好みに堕としていくのか、そっちの事を考える方が有意義だな。

 ああ、彼女の泣き顔を、絶望した顔を想像しただけで興奮が止まらない。

 僕は部屋でニヤニヤしながら、捕まえて来たまだ生意気な女を虐めつつ、その時が来るのを楽しみにしていた



 そして、魔王討伐の旅立ちの時が来た。

 事前に言われていた通り、王城に行くと僕以外の勇者パーティの面々が集まっていたんだ。

 少し遅刻してしまったのもあるけど、大物は遅れて登場するものだからね。

 皆大目に見てくれるだろう。


 魔王討伐に行くメンバーは意外と大人数だった。

 選抜で選ばれたのは3人だけだったけど、それぞれがお供の人間を連れて来ていたからだ。

 僕も最初の村で捕まえたビッチをお世話係として連れてきている。

 一番最初に捕まえた女ではあるが、こいつが一番具合が良いのだ。


 さて、取り敢えず今回のパーティを紹介しよう。


 まずは勇者が連れて来たメンバーからだ。


 リーダーである勇者チハル。

 彼女は身長が小さく貧乳だ。

 僕の世界だと中学生位にしか見えない。

 ロリコンであれば大喜びな見た目をしたいるが、生憎僕はロリコンではない。

 後5年もすればクラスカーストの上位に持て囃される様な美女になる事だろう。

 ただ彼女は常に死んだような目をしていて、僕が話しかけても(僕が話しかけると大体の女子は気持ち悪いと言わんばかりの目で見てくるのだが)、他の選抜メンバーのイケメンが話しかけても、興味なさそうに無視していた。

 この偉大な僕を無視するなんて生意気な奴だが、チナツはこいつも大切に思っている様だ。

 チナツを調理するときに役に立ってくれるだろう。


 そしてチハルの義姉にあたる聖女チナツちゃん。

 彼女はスタイルが良い。

 何よりも気の強そうなあの目が良い。

 ああいう目を屈服させるのは、非常に楽しい物なのだ。

 今回の僕のメインターゲットと言えるだろう。


 勇者の従妹である賢者チアキ。

 どこかで見たことがある顔をしていたが、よく思い出せない。

 この女は周りに愛想を振り撒きながら挨拶をしていた。

 ただ僕を見た時一瞬だけ、虫けらを見る様な目をしていたが気のせいだろう。

 そうだ、彼女には何の問題もない。

 ――うちを気にするだけ無駄なんだよっ。


 以上の三人が勇者パーティだ。

 つまり、この三人が僕の今回のターゲットである。


 後は、この王都一の冒険者と名乗っていたドワイトのパーティ。

 ドワイトは中々のイケメンで、僕の元いた世界では野球部のエースをやっていそうな奴だった。

 ああ言う奴は外面は良いが、内面はクズが多いんだ。

 この男もその例に漏れない奴だろう。

 こいつも三人の女を連れて来ていた。

 尻の弱そうな女騎士アンジェラと寝取られ属性のありそうな女剣聖リジー、闇落ちしそうな女僧侶ローズマリーだ。

 どの女も胸が大きく、安産体形をしていた。

 三人とも嫌々ドワイトに従っていそうだし、タイミングを見てドワイトを倒して三人を解放してやっても良いだろう。

 その際に、しっかりと対価を貰ってやればいい。

 僕の奴隷になれるんだから、逆にこいつらにとっては幸せだろう。


 最後は隣国の英雄ゴットフリートだ。

 こいつもまたイケメンだった。

 ザ・王子みたいな面をしており、周りに女を侍らせて当然みたいな考えをした男だ。

 こういう奴は大体頭が弱いんだ。

 婚約破棄をしようとして、破棄をしたらどうなるのか分かっていないタイプだろう。

 こいつの後ろには2人の女がいた。

 一人はスレンダーなエルフで名前をリーフというらしい。

 この女は常にゴットフリートを睨んでいた。

 もう一人はアネットという素朴な女だった。

 ほんわかとした空気を出しつつも、その中にしっかりとした芯がある。

 こう言った女も良いな。

 僕のコレクションにエルフは居なかったし丁度いい。

 この女たちも僕の奴隷にしてやろう。


 男共は道中で魔物に殺されたことにでもしてやれば手っ取り早いだろ。

 こんな所で新しい玩具をこんなに沢山手に入れられるなんて、僕はやっぱり運が良い。



 国王から色々と言われた後、国民たちに大体的に祝われながら、王都から出発した。

 取り敢えず、魔王城があると言う北に向かうらしい。

 そして、出発した最初の晩に事件が起きたのだ。

 街道にある一番最初の宿場町まで進んだ僕たちはそこで一泊する事にした。

 宿を決めると、ゴットフリートは町の女を引掛けてくると言って居なくなり、ドワイト達もまた街の様子を見てくると言って何処かへ行った。

 僕もまたコレクションに入れられる様な女がいないか街を探索していたんだが、気が付いたら近く森の中にいたんだ。



「あっ、やっと来たねっ」


 するとそこにはチアキがいた。

 嬉しそうに耳をピクピクと動かしながら、僕を待っていたらしい。

 まぁ僕ほど魅力にあふれた人間であればこの対応も当然だろう。


 しかし、なんでこの女がこんな森の中にいるんだ?


「疋田君。君がチナツだけで満足して、兄様に手を出そうとしなければ、こんな事にはならなかったんだよっ」

「何を言っているんだ?」


 いつもニコニコと笑っている顔が、目だけ笑っていない。

 その目は僕を嘲笑するような、愚弄するような目をしていた。


「君は神から貰ったチート能力で好き勝手やって来たみたいだねっ」


 チアキの手には僕が女神さまから貰った本が握られている。


「な、なんで、その本を……」

「いやー、、酷い内容だよねっ。これだけで凌辱モノの薄い本が何冊作れるんだろうね」


 彼女は握った本をパラパラと流し読みするかの様に捲りながら僕を見る。


「ふざけるなよ!! どうやってその本を取ったのか知らないが、それは僕の物だ!!」


 取り返そうと、糞女に近づこうとするが、何時も通り体が動かず、途中で躓いてこけてしまう。


「あんまり、興奮しない方が良いと思うよっ。君のチートは今この時を持って無くなったんだから」


 チアキは転んだ僕の頭を踏みながら、そう忠告してくる。


「ふざけるな! ふざけるな、ふざけるな!! このチートはそんな簡単に無くなる様なモノじゃない!!」

「でもチート能力がなくなったから、今まで通り動けなくなったんでしょ? 最初からチートに頼らず自分の体を鍛えていればこんな事にはならなかったのにねっ」


 冷水を浴びせるかの様なその発言にハッとする。

 確かに僕は最初に自分のステータスを最大値になる様に設定した。

 それが元の状態に戻ったから、思い通り体が動かないっていうのか……。


「大体考えている通りだよっ」

「僕は神同然の存在だぞ!! そんな僕にこんなことしていいと思っているのか!!」

「でも、それはこの本があって初めてそうなれるんだよね? 今、君の手元にそれがない以上は君は唯の人じゃないかな?」

「違う!!」

「違わないよ。だから、今、こうして、うちに手も足も出ないんでしょ。本当に力に溺れた存在って愚かだよねっ。しかも、それが他人から貰って粋がってただけとか本当に愚かだよっ」


 糞女が僕の頭を地面に擦り付ける様に足をグリグリと動かしてくる。


 いたい、痛い!!


「まぁ調子に乗ったツケが回って来たって事だね。安心してよ、自分がやったことを後悔できるようにしっかりとやってあげるから」


 糞女は僕の抵抗がなくなってきたのを確認すると、僕を縛って更に森の奥に連れていく。

 いやだ、もう止めてくれ……。


「君はそう思った人達に対して辞めなかったよねっ。これは自業自得、因果応報なんだよっ」


 ここまで来ればもう大丈夫と思ったのか、糞女は手に込めた魔力を的当ての様に、僕の急所を外して打ってくる。


 いたい……、痛い、痛い!!!!


「何よりもねっ、兄様に手を出そうとしたんだ。生まれてきたことを何回でも後悔させてあげるよっ!!!!」


 その言葉は先程までの空気を読んでいない明るい言葉と違い、おどろおどろしい程の憎悪が籠められていた。



 ◇ ◆ ◇ ◆

 

「もう殺しちゃったの?」


 先程まで響いていた絶叫が鳴りやむと、後ろから声を掛けられた。


「チハル?」


 物陰から表れたチハルはニコニコと赤黒い肉塊を見ながら、うちに近付いてくる。


「それにしても珍しいね。チアキがここまで怒るなんて」

「そうかなっ?」


 うちは内心の感情を外に出さない様に注意しながら、何時も通り明るく返事をする。


「そうだよ。まぁお兄ちゃんが絡んでることだし仕方がないかな」


 チハルはうちの様子を見て納得したのか、再度肉塊を見直す。


「精神崩壊しない様に、魔法で精神にプロテクトを掛けつつ、拷問にかけるとか流石だね。大体こう言うのは、痛みで精神が崩壊して終わるパターンが殆どなのに。それに、死にそうになったら回復して、もう一回やり直すことまでやるなんて鬼畜の所業だよ」


 チハルは褒めているのか貶しているのか良く分からない評価をしてくる。


「この分だと最期は完全にやり過ぎて殺しちゃった感じかな」

「それがどうかしたのかなっ?」

「別にどうもしないよ。でも、チアキも人間なんだなって嬉しくなっただけだよ」


 チハルはそう言って、うちに珍しく兄様に笑いかけるかのような良い顔をして、森から出て行く方向を取った。


「兄様はうちにもっと人間味を出して欲しそうに言うけど、うちからしたらチハルの方が人間味がないと思うんだよ……」


 チハルの居なくなった方向を見ながら、うちはそう思ったのだ。


当初の計画ではもっとコメディ色が出ると思ったんですが……。

まぁ話を書いていると方向性が変わるのは、よくある事だし仕方がないですね。


そんな訳で疋田君のざまぁ回でした。

チナツが出て来ないのは、最後の拷問シーンを見たらチナツだと嘔吐しそうだなと思ったからです。

一応宿場町から自分のスキルを使って、チアキのサポートはしています。

後、チハルもチナツから新規パーティメンバーの思惑は聞いています。


次回は、隣国の英雄回です。

そろそろチハルが動いてくれるはず。


引き続きよろしくお願いします。

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