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チナツは真心を持っている


 チハルの一件であれだけミスった癖にチフユ達はまだ検証を続けるみたいだった。


「あんた達も懲りないわね……」


 あたしはそう思いつつも、これはにぃにがあたしの事をどう思っているのか知れる、良い機会だとも思う。

 あたしの努力がにぃににどれだけ認められているのか、それは非常に気になる事なのだ。

 

「兄様関係は皆気になるだろうから、先にどうでもいい所からやっていくよっ」


 チアキはそういうが、あたし的にはにぃにとの相性以外そこまで重要ではない

 ま、まぁ、これからにぃにと結婚した後に、チフユ達と上手く付き合っていくための参考にはなるかもしれないから、やってあげなくもないんだけど。

 ちなみに、チハルはもう全員やってしまったせいか、にぃ――あいつに絡み付いて他の事に興味はなさそうだった。


 あたし一人で反対しても意味なさそうだから、取り敢えずチアキの提案を受け入れることにした。


「じゃあ、チフユさんとチナツからお願いするよっ」

「えっ?」


 チアキの提案に思わず聞き返してしまう。

 正直、この間あれだけ本音で大喧嘩した相手とほのぼのとするのは気が引けるのだ。


「チナツ、早くやろう」


 そんなあたしの心は全く気にならないのか、チフユはノリノリである。

 いや、前回の剣をもう少し気にして、申し訳なさそうな空気位出してよね。


「はぁ、しょうがないわね」


 あたしは溜息を付きつつ、機械の棒を握った。


 [チフユ]   [チナツ]

 慄慄慄慄慄   怠妬尊妬怠

 清嫉好嫉清   好妬敵守奸

 好嫉愛嫉好   妬認愛認妬

 清嫉好嫉清   奸守敵妬好

 慄慄慄慄慄   怠妬敬妬怠



 画面を見ると想定通りの結果が出てきた。


「これは今までにない位、良い結果じゃないのか」


 チアキに文字の説明を聞いたあいつが、顔を綻ばせながら嬉しそうにしていた。

 確かに、今まで親族とか幼馴染とかの関係とは思えない位、殺伐とした文字ばかりだったから、今回の結果はあいつ的には嬉しかったんでしょうね。

 殺害系の文字が入ってないし。

 それでも、良好な関係であれば『慄』とか『敵』とか出てこないと思うんだけど、あいつの中の良い結果のハードル下がり過ぎじゃない?


「でもチフユは相変わらず、あたしに対する嫉妬が抜けてないのね?」

「チナツが私より優秀なのは変わらないから。前の試合だって、私は一太刀しか入れられなかったし、全力で戦われたら負けていた」


 あたしはチフユをからかってやろうと思って言ったのだが、チフユに簡単に返されてしまった。

 そうやって自分の弱さを簡単に認められるのが妬ましいのよ。


「しかし、チナツのツンデレはこう言った所にも出て来るんだねっ!」

「はぁ? 何言ってるのよ」


 チアキが結果を見ながらケラケラ笑っていた。


「だってこの結果だと、うち達の中だと一番チフユさんを信頼しているってことだよっ」

「確かにそうだな。『好』とか『尊』って文字は嫌いな人間には使わないもんだろ」

「チナツはもっと素直になった方が良いんじゃないかな」


 チアキに続けて、あいつとチハルまで調子に乗ってきた。


「チハルは後で罰ゲームね……」


 調子に乗ったチハルには後で罰を与えることにしよう。

 村の真ん中で磔刑にすれば良いわよね。


「なんで、わたしだけ……」


 視界の端で、チフユがガッツポーズを取って喜んでいたのが目に入った。

 あたし達三人ともに尊敬の文字が入ってたんだから、当然かもしれないけどね。



「最後はうちとチナツだねっ。これが終われば、兄様との相性診断だけになるんだよっ」


 妹勢の中でのトリは、あたしとチアキである。

 どうせチアキもあたしのことなんてなんとも思ってないんでしょうけど……。


 さっきのチハルの結果を思い出し、ちょっとへこむ。

 あたし的にはチハルの面倒をちゃんと見て、可愛がってきたつもりだったんだけど。

 まぁチハルの結果には隠れた文字があったし、その辺で良いのが隠れてる筈よね。

 隠れてなかったら義姉としての矜持が……。


「チナツ、変なこと考えてないで早くやろうよっ」


 あたしが動かないのを見て、チアキに急かされてしまった。

 仕方がないので、考えを切り替えて棒を握る。


 [チナツ]   [チアキ]

 邪邪卑邪邪   疎疎疎疎疎

 邪怖憂怖邪   疎畏恐慄疎

 卑守愛守卑   疎恐無恐疎

 邪怖憂怖邪   疎慄恐畏疎

 邪邪卑邪邪   疎疎疎疎疎 



 まあ結果は想定通りだ。

 しかし、チフユにせよチアキにせよどんだけあたしを恐れてるのよ……。

 と言うか恐れ以外、全部空虚な無じゃない。


「チアキ、あんたね……」

「チナツこそ、うちはそこまで邪悪で卑しい存在じゃないよっ」

「あんたのは自業自得でしょ!! 実験と称してどれだけの人に迷惑かけてるのよ!!」

「チナツだって、うち達を何時も鞭で叩いてくるんだしお互い様だよっ」


「しかしチナツは必ず真ん中に『愛』が来るのな」

「チナツは愛に溢れる女って事だね」


 あたしがチアキと言い合いとしていると、あいつがチハル達と結果について総評していた。

 チハルは結果を見て爆笑していた。


「チナツは聖女らしく愛に生きてるって事」

「まぁチナツらしくて良いんじゃないか。兄としては誇らしい位だ」


 にぃににそう言って貰えるのは正直嬉しい。


「チフユも後で罰ゲームね」

「えっ? なんで私まで」


 でも、あたしはこいつらに舐められたくないのである。


「あんた達があたしをからかおうなんて百年早い」


 あたしの中でチハルの隣にチフユの十字架を立てることを決定した。

 ついでに、チハルは亀甲縛りにもしてやろう。

 今度はちゃんと股の間にも縄を通してあげる。


次回はにぃにとチナツ達の結果発表になります。

チナツの努力は報われるのか、チアキは兄様にとって一番都合の良い女になれているのかが見所です。


ちなみに、携帯の通知で知ったんですが今日は即席ラーメン記念日だそうです。

昭和33年8月25日に世界初のインスタントラーメンが発売されたとか。

皆もこれを機に即席麺を食べよう!!

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