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賢者の涙ぐましい無駄骨


 今日も今日とて兄様はチフユと一緒にいる。

 あの二人の仲の良さは凄くいい。

 だから兄様をチフユから奪い取るのは心苦しい所がある。

 しかし、うちも兄様が欲しいのだ。

 そこでチフユに男を作らさせ、兄様に寝取られの被害者になってもらおうと色々と工作をしてみた。

 今日はうちの涙ぐましい無駄骨を紹介してみようと思うよっ。


 チフユは女のうちから見ても結構な美人だと思うんだっ。

 王都でやっているミスコンであっても、そこそこの順位に入ることが出来るはずだよ。

 だから辺境のイーストウッドだと地域一の美人といってもいいレベルってことだねっ。

 NTRイベントを作るために必要なのはクズ男とヒロインと寝取られる側の低能男だね。

 今回は申し訳ないけど低能男とかいう微妙な役回りを兄様にやってもらうことになっちゃうんだっ。

 でもエロ方向だと寝取られる側が低能で、普通のだと寝取られる側が有能になるのはなんでなんだろう?

 こういう謎は永遠の課題かもしれないねっ。

 そして、ヒロインは言うまでもなくチフユだよ。

 そうすると足りないキャストはクズ男になるから、こいつをスカウトする必要が出てくる訳だね。

 でも、クズ男探しは混迷を極めたんだよっ。

 クズ男って一言で言ってもスキルとか職業とか色々とあるからね。

 うちが理想とするクズ男は職業【剣聖】で【魅了】スキル持ちなんだけど、意外とこういう理想的な男性っていないんだよ。

 チフユは確か状態異常耐性を持っていないはず。

 であれば、チハルと違って【魅了】が入るはずなんだよ。

 まぁ、うちは賢者だからちゃんと入らなかった時のことも考えて動くんだけどねっ。

 というか実験的な側面もあるから、成功しようがしまいがどっちでもいいんだよ。



「そんな訳でイーストウッドの冒険者ギルドにやって来たよっ」

「あんた、また変なこと考えてるでしょ?」


 気が付いたら、後ろにチナツが来てたよ。

 うちはそんなに信用がないのかな?


「それでなんでイーストウッドまで来てる訳?」

「決まってるよ。チフユ寝取られ計画だよっ‼」

「はぁ? 何言ってるの?」


 チナツに呆れられてしまったよっ。


「チフユに男を作らせれば兄様が捨てられる訳で、そこを分捕りに行けばうちのものになるって計画だよっ」

「相変わらず、きちがいなことを考えるわね……」

「チナツに言われたくないんだけどなっ」


 チナツはうちの計画に反対みたいだねっ。

 でも仕方がないんだよ。

 兄様が素敵すぎるのがいけないんだ。


「それで寝取る側を探しに来たって訳ね」

「そういうことだよっ」

「あんたって、たまにすごい馬鹿じゃないかと思うんだけど自覚ある?」

「どういうことかな?」

「だって、そんなことやったってバレたらあいつに嫌われるだけじゃない」

「ふむ、確かにそうかもしれないねっ。でも、バレなければ犯罪にならないんだよっ」

「既にあたしにバレてるんだけど……」

「その辺も含めて大丈夫だよ……。だってチナツは今からうちの言うことを聞かざるを得ないんだからねっ」


 うちはそう言って催眠魔法を発動させる。

 催眠魔法とかの精神感応系魔法は、法律で禁止された魔法だけど仕方ないよねっ。

 知りすぎたチナツがいけないんだよ……。


「あんた、催眠魔法とか姑息な手段使おうとしてるでしょ?」


 アレ?

 魔法が効いてないだと……。


「あんたみたいな危険人物を前に精神感応魔法無効化のアクセとか装備してこない訳がないじゃない」

「なるほどねっ。でも、そのアクセって物凄く高かったんじゃないの?」

「信者から絞り取った寄付金という名の徴税をあまく見ないで‼」

「それって自慢できることじゃないと思うんだけど……」

「だから、あんたがどんな姑息な手段を使おうとあたしには無意味よ‼」


 これだから、チナツは面倒臭い。

 この慎重さ、用意周到さ、微に入り細を穿つこの性格こそがチナツの長所でもある。


「流石、チナツだね……」


 嫌な汗が流れるのを感じる。

 こんなの、色々とやりすぎて兄様に怒れた時以来だ。


「それでどうする訳?」


 ここでチナツと戦うのも得策じゃないし、かと言ってチナツを追い払う手段がある訳でもない。

 転移魔法も発動まで時間かかるしねっ。

 本当にチナツは面倒臭い……。


「しょうがないから今回は諦めるよっ」

「それは良かったわ。あんたが捕まったら、あいつも悲しむだろうし……」


 そもそも、チナツがここに居なければバレることもなかったんだけど……。

 まぁ良いか。

 こういうことも含めて失敗だよねっ。


「ていうか、チナツ何してるの?」


 気が付いたら、チナツの鞭で縛られていた。

 亀甲縛りという奴である。

 股の間に鞭を通すのは止めてくれているけど、往来でこの格好は少し恥ずかしいんだけど。


「いや、あんた一回逃がすと捕まえるの面倒だし、このままあいつの所に連行するわ」

「えっ?」

「詰所連れてくより、あいつに叱ってもらった方があんたには効果あるでしょ」


 それはちょっと止めてほしいんだけどなっ。

 兄様、NTR系大嫌いだから、そんなことされると本気で怒られるんだけどっ‼


「自業自得でしょ。あんたには、詠唱禁止のデバフもかけてあるから安心してあいつの所に帰るわよ」


 こうして、うちのNTR計画はチナツの手によって阻止されちゃったんだっ。

 次はもう少しうまくやろうと思うよ。

最近投稿できなくてすいませんでした。

感想、誤字脱字等入れていただけた方はありがとうございます。


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