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カップ焼きそばを美味しく食べる方法


 取り敢えず、俺達はこのカップ焼きそばというやつを食べるため、いつも通り俺の製麺所に向かった。

 行ったり来たりしている様な気がするが、気にしたら負けなのだろう。

 ちなみに、チハルとうどんとそばについては大した怪我もなかった。

 まぁ無事なのは良いことである。


 製麺所につくと変態は俺の分だけではなく、全員分のカップ焼きそばを準備してくれた。


「カップ焼きそばには塩や明太子、たらこ、わさびマヨ、キムマヨ等様々な味があるが、君達には最も基本的なこの『夜店の焼きそば』を食べて貰おう」

「なんだと、カップ焼きそばにはそんなに種類があるのか!?」


 俺は変態の説明に驚愕する。


「フフフフフ、驚くのはまだ早い。これは我が明星派の出している一つの商品のカテゴリーに過ぎない!! 他派閥には更に違う味のカップ焼きそばを出している所もある」

「さっきのだけでも6種類あるのに、他派閥のものまで入れるとさらに増えるというのか!?」

「それだけではない!! 同じカップ焼きそばでも違う派閥の商品であれば、ソースやマヨネーズが違うから味が変わるのだ!!」

「なんだって!!」


 即席麺の一角に過ぎないカップ焼きそばだけで、そこまで種類があるというのか……。

 麺道の奥は深いと思っていたが、即席麺という魔境は更に奥が深そうだ。


「盛り上がってる所悪いけど、いい加減そこの変態は自己紹介して欲しいんだけど?」

「それは私も気になってた」


 俺の盛り上がりに水を指すかの様に、チナツとチフユが変態の正体を問い詰め始めた。

 そんなことは今更どうでもいいと思うのだが?


「それは失礼した。私は即席麺で世界征服を狙う明星派の麺職人が一人!! カップ焼きそばの一平という!! 一平ちゃんと呼んで貰らいたい」


 変態改め一平はそう名乗った。

 しかしカップ焼きそばで一平ちゃんは色々とやばい気がする。

 俺は普通に変態と呼ぶことにしよう。


「それで、あんたは何しにこの村に来た訳? 観光って訳じゃないんでしょ?」


 チナツはやはり変態のことが気になる様だ。

 確かに魔王軍がこんな辺境の村に来たということは注意しなければならない事なのだろう。


「決まっておろう。私は新しい魔王様に即席麺の素晴らしさを教示し、即席麺による世界征服の指導者になってもらうため来たのだ!!」


 その変態の言葉に、うどんとそばが抗議の声をあげる。

 まぁコンコンとかウワーンとか鳴いているのでその発言の意図は謎である。


「つまり私に即席麺の素晴らしさを説明する為に、カップ焼きそばを配りに来たって訳?」

「その通りだ!! そうしたら、そこの少年が即席麺の魅力に惹かれていたので師事してやろうと思った訳だ!!」


 しかし、話が長いな。

 確かに変態の用件はチフユに関わることで非常に重要なことである。

 だが今すぐに確認すべきことではない!!

 今はこのカップ焼きそばが―――――――食べたい!


「チハル、お湯を沸かしに行くぞ」


 隣を見るとチハルも暇そうにしていたので、声を掛ける。

 チハルは頷くと、俺とともに調理場に向かった。



「しかし、お湯の量はどれ位準備すればいいものなんだ?」


 くっ、先走り過ぎたか?

 よくよく考えれば、俺もチハルもこのカップ焼きそばの作り方が分からない。


「取り敢えず、この箱を包んでいる袋を破ってみようよ」


 俺が悩んでいるとチハルがアドバイスをしてくれる。


「確かに悩んでも始まらないな」

「そうだよ。失敗したら、あの変態クソ野郎に新しいのを準備させればいいんだよ」


 チハルの意見も最もである。

 袋を剥がすと、白い箱が出てきた。

 四方と底が軽量且つ断熱性が優れていそうな素材で作られており、蓋の部分には薄い紙の様なものが貼られていた。


「なるほど。この蓋に描かれた絵の通りにやれば、作れるんじゃないかな?」


 チハルは蓋に描かれた絵を見てそう言った。

 絵には説明書きも書かれていたが、口惜しいが俺もチハルも文字が読めない。


「説明書きが読めないのが残念だが、確かに絵だけで何となくは解読できるな」

「そうすると、まずはこの蓋を半分くらい剥がすみたいだね」


 チハルと手探り状態ではあるものの、絵に従って作業を進めていく。


「絵には小袋が2つ入っているって書いてあるのに、こっちの箱には入ってないよ!?」


 するとチハルから戸惑いの声が聞こえる。

 確かに見てみると、俺の箱の中には入っていた小袋がチハルの箱には入っていない。


―――妙だな……。

 

「仕方がない。蓋を全部剥がして中をよく確認してみよう」

「でも、お兄ちゃん。わたし達素人が適当なことをやったら、美味しいカップ焼きそばが作れないんじゃない?」


 チハルのいう事も最もである。


「これ以上は手を進めない方がいいと言うのか……?」


 ここまで来て諦めるのか?

 俺はその程度の男だったのか?


「お兄ちゃん……」


 チハルの心配そうな声が聞こえる。

 俺は諦めの境地にも似た深い闇を感じた。

 くっ、ここまでか。


「あまい、あまいぞ少年!! そこまで一人で進めた度胸は買うが、一から十まで一人ですべてこなそうとは笑止!!」


 そこには、先程までチナツに問い詰められていた変態がいた。


ブクマ、評価等いつも有難うございます。

この度、感想を入れてくださった方もおり大変感謝しています。

引き続き更新、頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。

またブクマ・評価等も入れてっていただけるとやる気の向上に繋がりますので、何卒よろしくお願いします。

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