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幼馴染と秘密会議


 チアキ達は取り敢えず、王都に戻ることにした様だ。

 現状チフユが魔王の魂に取り込まれる気配がなさそうだったり、魂を如何こうできるチナツがいない為である。

 チハルは最後までチフユを討伐しようとしていたが、チアキに引き摺られて王都へ戻っていった。

 最近の雑な扱われ方を見ているとちょっと悲しくなってくるな……。

 そんな訳で俺の製麺所にはチフユとケダモノが2匹残っているわけだ。


「と言うか本当に大丈夫なのか? 無理してないか?」


 一応って言うのもどうかと思うが、勇者であるチハルの前だと言えないこともあるだろう。


「心配してくれてありがとう。でも大丈夫。それに、魔王の魂があるとか言うのは嘘だから」

「どういうことだよ?」

「私は魔王としての自覚があるってこと」


 チフユは平然とした顔で俺を見る。


「ちょっと待ってくれ。それはいつからの話なんだ?」

「三日位前に私の頭の中でふと過去の記憶が蘇ったの」

「それは中二病とかではなくて?」

「中二病とかではなくて」


 若気の至りではないとチフユはそういった。

 そんな冷静な態度に俺はちょっと動揺してしまう。

 

「それで、あっ私の前世は魔王だったんだなと」


 そんな俺の動揺に気付かなかったのか、チフユは何気なくそう言うのだ。

 確かに、チフユは年齢の割に大人びており、こういう所で冗談をいう様なタイプではない。

 つまりチフユのいう事は本当の事なのだろう。 


「……なるほどな」


 取り敢えず、チフユが魔王であることは認めないといけないのだろう。

 しかし、そうすると問題がある。

 それはチフユが人間に害をなす存在になってしまったのかどうかという事である。

 流石にそんなんになってしまっていたら、俺も人間としてチハル達を止めることは出来ないだろう。

 だから、これだけは聞かないといけないのだ。


「それじゃあ、お前は人間を滅ぼしたいとかそんな事を考えているのか?」

「そんなことはない。兄さんも言ってくれてたじゃない、私は私。魔王であってもそれは変わらない」


 チフユは俺の不安を感じたのか、私を信じてほしいといった目で俺を見る。

 まぁ、そうだよな。

 そんな目を向けられ、俺の決心も固まる。

 これでも、ずっと一緒にいた身だ。


「わかったよ。俺はお前を信じる」


 俺はチフユの目を見てそう言ったのだった。



「そういえば、結局その狐と狸はなんなんだ?」

「魔王としての私の配下らしい。名前は狐が【うどん】で狸が【そば】」

 

 チフユの言葉に合わせて2匹が頭を下げる。

 魔物なだけあってこちらの言葉がわかっているのかもしれない。


「うどんもそばも、魔王四天王の一角」


 魔王四天王って魔王の次に強い存在だよな?

 前の魔王の時は、四天王が勇者パーティを何度もなく追い詰めたという。

 まぁうどんはさっきチハルに思いっ切りボコされてたけど……。


「四天王が2体もこんな辺境の村にいていいのか?」

「2匹が言うには、私が世界征服とかする気なさそうだから、取り敢えず身の安全だけ保障できればいいらしい」


 四天王も結構適当というか、何と言うか。


「って言うか、そいつ等のいう事が分かるのか?」

「なんとなくだけどね。それで、魔王軍は今3つの派閥に分かれているらしい」


 チフユが言うには、

 今平和だから別に戦争しなくてもいいじゃねっていう東洋派、

 魔王が復活したんだから今こそ世界征服のチャンスと思っている日清派

 そんな事よりも即席麺を積極的に世界に発信すべきだという明星派

に分かれているとのことだ。

 取り敢えず、当代の魔王がどういった考え方をしているのか分らない為、穏健派である東洋派のリーダーが挨拶を兼ねて護衛に来たというのが、うどんとそばがここに来た理由とのことだ。


「成程な、即席麺か。3分間お湯につけると麺が出来上がるとは新しい発想だ」


 俺はその話を聞いて即席麺の存在に心奪われてしまった。

 たった3分で麺を作るとは恐ろしい存在である。

 これは製法を聞かなければならない。


「その明星派というのはいつ来るんだ?」

「その内来るんじゃない」


 俺の質問に、『まぁ兄さんだし、しょうがないか』っていう暖かい目で見守っているチフユが答えた。


「人間が農地改革だ魔法改良だとか下らないことをやっている間に、魔族は300年先の世界に行ってしまっていたのか……」

「兄さん即席麺が気になるのは分かったけど、魔王軍の人間界侵攻とかそう言うのはどうでも良いの?」

「そんなことは些事だ。即席麺の方が大きな問題だ。むしろ、魔族を滅ぼして即席麺の技術が失われる可能性があることの方が嘆かわしい」

「兄さん……」


 チハルに負けるレベルの四天王がいる魔王軍では、チハルよりも強いであろうチナツやチアキには勝てないであろう。

 そうなると即席麺が失われてしまう。

 これは不味い。


「よし決めたぞ、チフユ。俺は魔王軍に入る!!」


 そうして俺は魔王軍入りを決意したのである。


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[良い点] 主人公とチフユのやり取り好きです!チフユのクールで優しい所も
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