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教会強襲戦 その1


 チアキと別れあいつの元に戻ると、あいつは既に喫茶店から居なくなっていた。

 ……えっ?

 あたし、見捨てられたの……?


「あっ、あなたさっきのお客さん達のお連れさんでしたよね?」


 あたしが呆然としていると喫茶店のウエイトレスに声を掛けられた。


「えっ、さっきのお客さん達って?」

「金髪の女の子と銀髪の幼女とカッコいい男の人達ですよ」

「いや、違います」


 ウエイトレスはそんな事を言っていたが、にぃには言うほど見た目は良くない。

 普通である。

 あたしからすれば十分以上にカッコいいと思うが、世間一般の目からすれば普通のはずだ。

 少なくても、ウエイトレスがカッコいいなんて表現を使うとは思えなかった。


「えー!! でも、その男の人から青い髪の白いシスター服を着た人に伝言を頼むって言われたんですよ」


 確かにその風貌をした人間はあたしだ。

 そうなると、このウエイトレスが言っている人達は、確かにあいつなのだろう。

 考えれてみれば、チハルと真冬の髪の色は合っている。


「ちなみに、その男はなんて言っていたんです?」

「『変態達を見つけ次第、教会に行くから後よろしく』だそうです」


 あいつは何を言っているんだろうか?

 ちょっと言葉が足りなさ過ぎて分からない。


「他に何か言ってなかったんですか?」

「いえ、特には何も……」


 これじゃあ本当に状況が読めない。

 取り敢えず、教会に行くしかないって事?

 まぁ、でも言伝を残しているって事は、にぃにに見捨てられた訳ではないってことよね。

 よく考えれば、あたしが緊縛を多用していること位で、にぃにがあたしを見捨てる訳がないのよ。

 よし、何か自信が取り戻せてきた。


「言伝ありがとう」


 あたしはウエイトレスにそう言って喫茶店を後にして、教会に向かう事にした。


「ちょっと待ってください」

「まだ何かあるの?」


 そんなあたしの出鼻を挫くかの様にウエイトレスがあたしに声を掛けてくる。


「そのお客さん達から代金まだ貰ってないんです」

「どういう事?」

「金髪の女の子が、後から来るシスターが3倍の値段で支払するからツケて欲しいって」


 チハルの奴、何変な事を言ってるのよ……。


「私もツケは出来ないと言ったんですけど、『シスターは絶対に来るし、値段も三倍払うから』って言うんで面白そうだし良いかなと思って」

「はぁ、もう良いわ。いくらになるんですか?」


 チハルを犯罪者にする訳にもいかないので、代金を立て替えてやる。

 本当に、あの娘は変な所だけ調子良いんだから。

 後でちゃんと代金は回収してやる。

 あたしはチアキみたいにお金に余裕がある訳じゃないんだから。

 そうして、やっと喫茶店を後にした。


 ちゅどーーーーーーーーーーん!!!!!!


 その瞬間、物凄い閃光と爆発音がしてくる。


「な、なんなの?」


 今のどす黒い閃光はチハル!?

 今日二回目ってあの娘本当に何やってるのよ。

 しかも今の爆発って、にぃにが行くって言ってた教会の方向じゃない。

 あたしは急いで教会へ向かったのであった。



 そうして辿り着いた教会は酷い有様だった。

 教会と併設されている孤児院には被害は出ていない様だったが、教会の入り口にはチハルが空けたと思しき大穴と教会を守る怪我をした僧兵達がいた。


「あんた、大丈夫なの?」


 あたしは状況を確認するためにも、そこまで怪我をしていなさそうな僧兵に声を掛ける。


「っう、俺は大丈夫だ」


 その僧兵は血が出ている頭を手で押さえながら、返事をする。

 見た目ほど怪我は酷くなさそうだ。


「一体何があったの?」

「黒い魔力を纏った邪剣を持った金髪の悪魔が教会を襲ってきたんだ。あの悪魔はまだ教会内にいる。危ないから君は下がっているんだ」


 ……邪剣を持った悪魔って、チハルの奴何やってるのよ。

 後、その邪剣はアイリス清教の聖遺物である聖剣だから……。

 見間違いでも、邪悪な物扱いしないで欲しいんだけど。


 あたしがそんな事を少し考えていると、その僧兵は他の仲間の様子を見に行ってしまった。

 ざっと見た感じではあるが、そこまで大怪我を負った僧兵はいなさそうである。

 まだ、チハルにも分別が残っていたと言えるだろう。


「チハルはまだ教会内にいるみたいだし、追い掛けるしかないか……」


 それに、さっきの僧兵の口振りだと、この教会を襲ったのはチハルだけみたいな感じだった。

 にぃにと真冬の動向が見えない。

 それににぃにの話では変態こと一平もいるはずだし、言伝には『達』とかついてたから、もう一人位は誰かがいるはずだ。

 その辺を探る為にも、チハルを追い駆けるのが無難だろう。

 そう思い、あたしは周りの僧兵達の制止を振り切って教会内に突入するのであった。


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