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第十三章 あとがきという名のアルマ日記

7月20日 月曜日

今日から日記をつけることにした。

まあ、だいたいが3日坊主で終わるのだけれど。

暇だから案外続くかも。

神殿の大鏡に祈りを捧げて正解だったのか、未だに分からない。

人間界は魔力が低下するとは聞いていたけど、これほどとは。(。>﹏<。)

だいたい、魔力量が下がったからといって体形が幼児化する事はないぢゃない。

確かに、確かに…魔力=生命力な私達にとっては総量の減少で活動を維持するには消費量の少ない身体になるのは必須。

・・・理解はしてるの。

でもね、身体は思ったように動かないし、胸なんてまな板も良いとこなんだから。

転送されて最初に会ったのは由乃という女性。

この寮のリョウカンをしている。

いや、何をしているのかはよく分からないんだけど城の中の面倒をみるメイドのようなものかしら。

こちらでの居場所を確保するために早速魅了して、彼女の孫という記憶を埋め込んだ。

いまのところ、案外うまくいっている。

歳も四十五歳って言ってたから、子供って事でも通るけど。

はぁ、私の外見が十歳…頑張っても十二歳くらいだからね。

・・・まったく。

実年齢十七歳からすればお子ちゃまね。

金髪については生き別れた旦那が外人って事にしておいた。

ここは黒目黒髪の人ばっかだからね。

あんまり目立ちたくない私としては色も変えたかったけど、疲れるのでやめといた。

まぁ、こっちに長居する気もないしね。

しかし、今日は失態をしてしまった。まさか、大浴場が時間帯で男女が切り替わるとは。入り口の青い布に見慣れぬ文字が書いてあったのが「男性用」と言う事なのだろうか?

幼児体型化しているとは言え、嫁入り前に男性に全てをさらけ出してしまうなど。(。ŏ﹏ŏ)

本能的に殺意を出したけど、相手には感じ取れなかったみたい。

まぁ、相手は慌てたせいか、すっ転んで気を失っていたけど。(TдT)

感情に任せて首を刎ねなくて良かった。もう少しで流血騒ぎだわ。

まあ、恥ずかしくってロクに顔も見ないで逃げて来ちゃった。

初日にして盛りだくさんだけど、今日はここまで。


7月21日 火曜日

見つけた…かもしれない。

今日、図書室で会ったアイツだと思う。

スズミヤ サイ。

何だか昨日の不埒者に似ている気もするけど、恥ずかしいので追求はしない。

由乃の仕事場である寮に泊まり込む

カキコウシュウが行われている。

アイツはその中にいた。

みんなで集まって勉強するらしい。

お城のレッスンはいつでも個人授業だったから、少し興味深いかも。

いつもの気難しい先生に一対一で習うのも気が抜けませんことよ。

みんなで勉強するのってどんなのだろう?

明日、ちょっと覗いてみよう。楽しみです。

本来の目的は忘れてないけど、ちょっと予想外。

こちらでは魔力が拡散するのか、存在がすごく曖昧。

強い魔力かと思うと単に漂っているだけだったりする。

近くに行かないと対象者は分からないかもしれない。

私が、ここへ来た目的は魔力の高い人間の従者を手に入れること。

私を護る壁。

私の魔力を強化する存在。

私たち吸血鬼族にとっての成人式みたいな通過儀礼。

契約した従者を連れているのは貴族社会では一種のステータスのようなもの。

ま、バカバカしい慣習ではあるんだけど。まったく忌々しい。

契約された方の事なんか考えもしない。

魔力が不釣り合いな関係のまま契約すればどうなるかみんな分かってるのに。

書いてるうちになんだか頭にきたわ。

もう、寝ます。


7月22日 水曜日

スズミヤ サイ。

どうやって書くかは知らないけれど、そう名乗った彼を観察している。

近くに行っても魔力の変動が激しいみたい。

強いのか、弱いのか良くわからない。

もうしばらく様子を見ることにする。

昨日も今日ももらった飴をすぐに食べちゃったけど、はしたなかったかしら?

でも、あの飴は美味しかったな。

部屋に、とは言っても図書室だけど一緒にいても放って置かれるって、どういう事なの?

アイツは古い地図やら伝承なんかを探してた。

魔力上昇に役立つのかな?

そういえばアイツを探しに来たサクラコも微妙だけど魔力ありそうだったなぁ。ターゲットに女子は含まれていないので却下だけど…男装させるっていう手もある。

他にも候補者はいるのだろうか? 

ここへ来て、誰にすべきか迷う。

人間界に降りることすら禁忌なのにここで二人も契約して連れ帰ったら大事になるわね。

まぁ、私にそういう趣味はないから前提として、無いんだけど。

私に相応しいと思えたら、一人だけ強引にでも契約して向こうに帰ろぅーっと。

人形契約になっても、私が大事にするから、良いよね。

呪われた血筋に災いあれ!


7月23日 木曜日

晴れて三日坊主の汚名は免れたわ。

日記が短くなってきているというのは気のせいだと思うの。

彩とのことを書き溜めておこうと思います。

そうそう、彩って書くの。

「彩り鮮やか」ってことみたい。

綺麗な名前よね。

人間って、ちょっと不思議。

外見は私や魔人族とも大差ないけど、魔術に頼らず生活してる。

そういうのに慣れなのかな?

図書室で本を読むとこっちの事情が段々分かってくる。

同時にこっちの文字や言葉使いも習得できる。一挙両得ね!

魔界の仕来りはこちらのと大きく違うはずだから事前準備は大切よね。

今日見てた「ハイティーン」とかいう雑誌には男子の心を掴むには胃袋を掴めって書いてあった。

物理的にぢゃなくて、手料理で気持ちを惹き付けるって事みたい。

飴で懐柔されている私は餌付け状態なのかな?なんだか腹が立ってきたわ。

今度はこっちが何か作って胃袋押さえてやるわ(笑)

こっちでは自由恋愛が普通みたい。

・・・人間が羨ましいと初めて思った。

魔界にも四季はあるけど、ここまで陽射しが強いと日焼けが気になる。

別に人間界で言う吸血鬼のように太陽の光を浴びると灰になるだとか、聖水やニンニクが苦手とかはない。

って、いうかニンニクの匂いって好きな人いるの?

白木の杭で刺されたら、誰でも死ぬでしょ、普通。

なんだか間違った伝承がされているようで正しい吸血鬼の姿を広めていきたい気分だわ。

神祖ドラクール様はこっちで何をしたのかしら。

まあ、血を吸うことは出来るし(吸おうとは思わないけど)、それで下僕にもできる訳だけど。

そんなはしたない事なんて普通はしないけどね。

今回のは、まぁ例外的な通過儀礼。

契約した方も別に吸血鬼になるわけぢゃないしね。

細胞の再生能力の強化で寿命が延びる副次効果はあるけど。

基本は主人に魔力を捧げるだけの存在。

それがいまから私が作ろうとしている…従者。

魔力の高い相手との契約なら相手も意志を失わずに済むけど、実際そんな相手に恵まれることの方が少ないんぢゃないかな?

従者…私の嘘つき。

お父様とお母様の例は極々限られてあると思う。

吸血鬼族同士の相思相愛の一目惚れの婚姻。

で、人形にならずにいる二人。凄いの一言。

子供たちのプレッシャーってのも考えて欲しいわ〜。

好きな人が同じくらいの魔力の持ち主なら、パートナーとしては申し分はないわ。

でも、現実は違う。

実際には魔力量を推し量りながら、好きになって良いかどうかを決める。

自由恋愛なんて私達には許されない。

もし、好きになった人の魔力が弱かったら?

愛した人をその手で人形にしてしまう事に多分、私は堪えれない。

私の場合にはそれに家柄とか立場が追加される。

だから、私は…誰も知らない人を、誰でもない人を選びたい。

うー、気が重くなってきた。

今日、彩達が話してた悲恋湖の伝説ってのも面白そうね。

明日詳しく聞いてみよ〜っと。


7月24日 金曜日

珍しく今日は雨だったわ。台風っていうみたい。

魔力の暴走みたいに突風が外を駆け巡っていたわ。

それをお部屋の中から外を覗いて時間を過ごした。

ま、つまらない事この上ない。

まあ、彩が珍しく私の料理を手伝ってくれたから良しとします。

ホットケーキに生クリームをデコしたのだけれど、まぁなかなかの出来だったかな?

ハートのマークを書くのが流行らしい。(ハイティーン情報)

昨日話題になっていた湖の話だけど、結ばれない恋人たちが二人で行くとうまく行くって話らしい。

胡散臭いことこの上ない。

過去にはそのまま行方不明になった学生もいるらしい。

駆け落ちね・・・本当ならロマンティックなんだけど。

でも、好きな人と一緒にいられるというのは羨ましいな。

吸血鬼族の中でも好きな人と添い遂げようとする人たちはいる。

必ずしも幸せになれるかは別にしても、奇跡を信じたい気持ちは分かる。

問題の湖は水辺という事なら、もしかしてはぐれ水魔族が関係している可能性もある。

けど、ここからだとそれほど大きな魔力は感じないからまぁ小者ね。大した子じゃないと思う。

この地を管轄する氏族が放っておいているのであれば、それ程気にする事はないのかもしれないわね。

ここって、何処の管轄なのかな?

今まで気にして来なかったけど注意しないとダメね。

下手に揉めると後で外交問題になってお父様から大目玉だし。

気を付けよ〜っと。


7月25日 土曜日

今日でこっちに来て結構な時間が過ぎた。

私としては彩に決めた。

木から降りるときに触れた感触は今でもゾクゾクする。

すごく分厚い殻の中に濃密な魔力が詰まっている感じ。

わざと魔力が出ないように抑え込まれている感覚は初めて見た。

不思議な感じ。

黒猫と話すのに木の上に登ったは良いけど、あそこで落ちるとはちょっと想定外だったわ。(。ŏ﹏ŏ)

彩が抱きとめてくれたので助かった…まあ、下僕(…候補)なら当たり前よね。

ドキドキしちゃった。♡

でも、相変わらず子供扱いする礼儀知らずは何とかしないといけないわ。

品位、そう。公爵家の下僕たる品位があるかどうか見極めないとね。

「わが公爵家に仕える事を歓びなさい。」って言ったら、「大学卒業して、職に付けなかったら宜しくね」とか有り得ないから!(-_-メ)

まず、状況を理解させなきゃ。

我がドラクール公爵家は吸血鬼族の首長にして神祖ドラクール様の直系。

由緒正しき家柄ですのに。

そして、魔霊界の魔王補佐をしているのがお父様という訳よ。

魔霊界の位階序列を示すアカシックレコードでも高位の魔力保持者。

まぁ、お母様も同列なんだけどね。(。ŏ﹏ŏ)

名実ともに結構いい線いってるんだから。何の不満もあるはずはないわ!

明日はこの辺のとこから教えて、「下僕にならせて下さい」って言わせなくっちゃ。

シュミレーションしながら寝ます。良い夢を。


7月26日 日曜日

もー、なんなのよ〜。

散々待遇面を説明して上げたのに「早く王子様が見つかると良いね。」っていうのは〜!

頭、ポンポンするのも止めて欲しいのよね。

子供扱いされてるみたいで…まあ、それほど悪い気がしなくもないけど。

寝る前のシュミレーションでは歓びに咽び泣いて下僕にならせてくださいって言わせるはずだったのに。

なんで、あーなった?٩(๑òωó๑)۶

吸血鬼族の貴族上流階級では成人の通過儀礼としていわゆるパートナーを持つの。

ロマンティックな言い方なら永遠の伴侶ね。

従者って言ってたのは私の身勝手な言い訳だわ。

ホントはパートナーを選ぶ訳。

愛し合う二人がパートナーになることもある。

小さい頃によく聞かされるおとぎ話みたいな結末。

そして、二人は末永く幸せに暮らしましたとさ…って言うのがみんなの憧れ。

コティ…私の親友だった…ううん、今でも親友のあの娘もそれを夢見てたはず。

でも、現実は魔力の不釣り合いの組み合わせの場合には、相手の意志を奪ってしまうことの方が多い。

どちらかが意思を失った人形のようになってしまう。

そうなってもダンスだって、お食事だってできる。…命じさえすれば。

私もコティも幼い頃から魔力量の多さから自由意志を持ったパートナーを得るには魔霊界の長、魔王と契約をするしかないと育てられてきた。

いつの間にか口癖は「将来は魔王を下僕にするの!」だったのは痛い思い出だわ。

消し去りたい私の黒歴史第一位!

今、先代の魔王様は原因不明の魔力衝突による爆発事故で亡くなられ、その座は空位のまま。

本来なら魔王の剣クリュトネシカが魔王を指名するはずだけど、まだ誰の上にも降臨されてない。

ひたすら玉座でその空位を護ってるってお父様が言ってた。

私は今では意志を奪っても気にしない標的を探してる。

新しい魔王様が早く現れてくれれば良いのに… 吸血鬼族以外からね。

今日の事件といえば、やっぱり3年生の失踪ね。

昨日出かけた男女2名が帰って来ていないことに気がついたみたい。

私以外にもこちら側に来ている魔族がいるのかしら?

それにしては魔力の匂いは全くしてないから、遠いからか、弱いからかの二つに一つね。

連続して彩までいなくなったらまずいかもね。

まずは二人の捜索をして事件の真相を突き止めてからにするしかないわね。

ちょうど櫻子(生徒会副会長)が陰陽術&ミステリー研究会(名前が胡散臭そう♪)で捜索しようと言ってたので便乗しよう。

ちょっとだけど面白そうだし。不謹慎…ぢゃないわよね?

陰陽術っのがこっちの魔術に当たるみたい。

魔術の体系がその地方地方で独自の形態を取るのはよくあること。

櫻子の家は陰陽師の家柄だって。神主さんみたいなものって言われても、余計分かんない(。ŏ﹏ŏ)

悲恋湖まで行くことになるなら、お弁当でも作ろうかしら。

胃袋を掴まないと。

彩は何が好きなんだろう。やっぱりお肉かな?いやいや、でもあの彩の身体付きはお野菜?お魚?

あ〜、もう。私ってばまだまだ知らない事が多過ぎるわね。

もっとちゃんと聞いておかないと(-_-;)

明日は図書室でこっちの料理を研究しなきゃ。

早く寝ます。


7月27日 月曜日

コティ。コトリア=ヴァルフォーレ。

私の幼馴染みにして、大親友。

今でも私はそう思ってる。

なんであの娘の事を書いているかっていうと、夢に出て来たから。

私が夢の中で彩の首筋に顔を埋めようとした時、あの子が懐かしい声で話しかけてきた。

もう何年も口を聞いていないのに…ちゃんと覚えてた。

「アルマ…ちゃんと考えてね。一度してしまえば、もう取り返しがつかないから。」

コティは愛する人から意志を奪ってしまった事で自分の中に閉じこもってしまった。

同じ誕生日なのに、私の通過儀礼が遅くなったのはそのショックからだったりする。

私は夢の中で泣きながら無表情になった能面のような彩から離れたところで目が覚めた。

まだ夜も明け切らない暁の中でこれを書いています。

ちょっと寝付けそうにありせん。

私は身勝手で、最低な女。

魔力が強い。それ自体は悪いことじゃない。

でも、私が吸血鬼同士でパートナー契約すれば、必ず相手の意思を奪ってしまう。

複雑に絡まった一族の血縁では全く知らない吸血鬼族などいない。

しかも、今の吸血鬼族で私よりも魔力のある一族はいない。

だから、誰も知らない人間界に降りてきて魔力の比較的大きな男の子と契約して連れて帰るつもり…だった。

一生、その子の事は大事にする。

いつまでも一緒にいてあげる。

彼は許してはくれないだろうけど。

それでも良いからって、私はここにやってきた。

その子の人生を奪うために。

身勝手な…最低な女。

私は本当に彩に人形になってほしいの?

あの彩の優しい笑顔がもう二度と見れなくなるかもしれないのに。

コティ・・・なんで今、出てくるのよ。


迂闊にも二度寝して、図書室で続きを書いてます。

彩と櫻子はまだ授業中。

いつもなら彩は抜け出して会いに来てくれるのだけど…あれはさぼっているだけなのかな?…今日はちょっと遅め。

女子力アップの必読書ハイティーン(JKバイブルらしい)には醤油味の唐揚げは男子に人気って書いてある。でも、女子力示すなら肉ジャガが良いってある。うむむむむ。

どっちもマスターしておかなきゃ。

雑誌を読んでいても落ち着かないのでちょっと彩の教室を覗いてきます。

先生達は私の天使の笑顔でイチコロ!

あ、櫻子がきたからまた後でね〜♪

 

む〜。結論的にはすべて思い通りに事は進んだわ。

ちょっと納得いかないけど。

彩との契約は出来た。しかも、一方通行的に。

彩の意思を奪わずに彩の魔力だけを吸いだせる便利な状態。

こんな解決方法があるなんて、どうやってやるんだろう。

出ないはずの水棲族の鱗が目から落ちそうです。

昨日の件を掻い摘んで言うと、悲恋湖に行方不明者を探しに行った私達(彩と私…おまけの櫻子)は地精霊(こっちで言うところの地縛霊?)に魅入られていた二人を無事に発見。

旧神の中でも水棲族っぽい感じだったな。

人間界に溢れ出た旧神界の魑魅魍魎の退治は魔霊界の仕事でもあるので、退治しちゃおうと思ったのだけど、なかなか手強く上手く行かなかったわ。

彩と櫻子を守りながらで、思うように動けなかったというのは言い訳。

戦い易いからと魔力放出量の高い元の姿に戻ったのが失敗だったかも。

スタミナ切れで、挙句に白木の倒木に後ろからグサリとやられた訳。

勿論、普通なら体細胞の活性化による再生で傷一つ残らないのだけど、血液と共に魔力が溢れでて魔力切れを起こしてた。

あの状況のままだったら危なかったわ。

一瞬意識を失った私に彩が自分の血を私に飲ませてくれたおかげで、魔力リンクができて、地精霊を無事に退治する事が出来たの。

でも、どーやって飲ませてくれたんだろう?

問い詰めても覚えてないってはぐらかされたし。

謎ね…いつか聞き出してやるわ。

非常に特殊な例だとは思うけど、私は彩の魔力(まぁ、人間らしいにしては強いわね)を引き出せるようにはなった。

本来なら吸血鬼族の再生能力を使い限界を超えた体能力を引き出せるはずの彩は再生力も使えない。

なんだか一方的に私だけが得をしている状態になってるΣ(゜Д゜)

喜ぶべきかしら?

お陰でというか、彩の自由意思もあの陽だまりのような笑顔もいつもの通り。

めでたし、めでたしだね♪


7月28日 火曜日

うー、何度目だろうか?

溜息しか出てこない。

こんなはずじゃなかったのに。

彩があちら側に来ないだなんて。

「今は、旅行って気分じゃないし」って、困るわよ。今更そんな事ぢゃ!

なんでこうなったの?

頭の中で同じところをグルグル回っている感じ。

魔力は得られてる。

だから、通過儀礼的にはやり過ごせる。

式典の間だけ彩には黙っていて貰えば良いはず。

でも、だから一回だけはどーしても一緒に来てもらう必要があるわね。

問題点はそこだけ。

何とか説得できないかしら。

交換条件…とかも思い浮かばないしなぁ(๑´•.̫ • `๑)

こうなったら、彩の弱みでも見つけて脅して連れてくしかないわね。

我ながら悪女だわね。ふふん。

諦めないわよ。

ん!?こっちに一緒にいるっていうのは良い言い訳にならないかな?

一緒にいるうちにズルズルと…。

こうなれば「胃袋掴むぞ大作戦」しかないわね。

そうと決まれば、実家に根回ししなくては。


7月29日 水曜日

今日は彩に会えなかった。

まぁ、魔霊界に帰って来てるので仕方がないけど。

今日、あいつは何をしてたのかしら?

もしかして、私を探してたりして。

こっちにいても、意識すれば彩が元気にしているのは分かるのでまずは安心だけど。

他のに取られないか、気にはなる。

魔霊界の位階序列を司るアカシックレコードで私の順位が一気に30位圏内へ跳ね上がってる…(あそこまで上がるとは思わなかったわ)…のを見せて、取り敢えずは納得してもらった。

彩って、結構魔力量あるのね。

何だか得した気分。

生まれた血筋や鍛え方なんかで魔力量は変わるけど、アカシックレコードヒエラルキーのトップは魔王様を始めとした氏族長の方々。

魔人族4家、吸血鬼族の3公、天使族13使長、巨人族長、精霊族長、獣人族長、小鬼族長なんかが占める訳。

それぞれに連なる方々でトップ100は埋められているのだけれど、圏外だった私が30位内に食い込めたのは快挙だわ。

お父様やお母様と比べると吸血鬼族の特性である「絶対能力域」の広さは一族で誰にも負けない。

けど、アカシックレコードが参考にしている魔力量はそれほどでもなかったから密かにコンプレックスだったりしたのよね。ʕ•ٹ•ʔ

ということで、彩へのご褒美も兼ねて、もう少し人間界にいられるようにするわ。

彩、喜ぶかしら?…だと、良いな(*˘︶˘*).。.:*♡


7月30日 木曜日

夏期講習期間も終了し、明日本校舎の方に彩は帰ってしまう。

みんなの手前、忘れられた私が出て行くわけにもいかず、他の人には分からないようにこっそり彩を見てた。

ん?ストーカーとかぢゃ、ないからね。

…なんでこの私がコソコソしなきゃいけないのよ。

ま、何とか二人だけで会えたし。

良しとします。

お手紙が届かないぞ!つまんない〜。

一ヵ月後にはまた、一緒になるんだから。見てなさい!

さぁて、色々忙しくなるわね。

公式的にこちら側に来る手筈を整えなきゃ。

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