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魔法について

続き


 次は魔術式と魔道具について説明しよう。


 魔術式とは魔法を放つ際の魔力の流れである。

 最初にこの技術が発見された時は過去に滅んだ文明の遺跡を調べた際に、発見された古の技術、という認識だったが、100年ほど前にシグフィリア博士が魔術式を解明し世に広めると同時に、魔道具を作り世に貢献した。

 しかし彼女はとある遺跡の調査に行った際に、行方不明になってしまい、それ以降魔術式が解明されることは無くなってしまった。何故魔術式を解明する技術を広めなかったのかと、一世紀経った今でも思う。

 現在では彼女が残した術式を応用して遣り繰りしているが、正直行き詰まりに近い。残念なことだ。


 魔道具とは、魔術式を使って作られた魔法を放つ道具だ。

原理としてはとても簡単で、物に魔術式を彫って、そこに魔力媒体というものを流し、そこに魔力を流す。そうすることで、刻まれた魔術式通りの魔法を放つ、という物だ。魔石を利用することで、魔力を操ることが出来ない者でも使えるように改良されている物が貴族や裕福な家庭の間ではやっている。


 魔石とは魔力をため込む鉱石で、生物が触っていれば勝手に魔力が吸い取られ、限界を超えると光ったり熱を発したりする。少しずつため込んだ魔力が消えていくという欠点があるが十分活用できる代物だ。

 さらに周りに魔力が結びつくものがあれば、勝手に魔力が放出されるという不思議な鉱物だ。見た目は曇った透明な鉱石で、高純度なものほど曇っている。

 発掘されるのはドワーフが住んでいる鉱山が主だが、それ以外の場所でも少量なら採れる。


 魔力媒体とは魔力を流しやすい物で、魔力を溶かした水である魔水や、魔力を常に帯びているミスリル鉱石等が主に使われる。

 高級な物になると、オリハルコンや龍の鱗ヒヒロイカネが使われる。

 水に魔力を溶かす方法は魔石を使う方法と、自分で魔力を流し込む方法の二つがあるが、詳しいことは身近な魔術師に聞くとよい。私は魔術師ではないしな。




 次は詠唱について説明しよう。

 詠唱とは、魔法を使う際に発する呪文のことだ。これは魔法の現象を言うことで想像をしっかりとした形にすると共に、魔力を声に混ぜて発することで魔力の流れを緩やかにする効果がある。


 うまい例えが浮かばないが…留まっている水より、流水のほうが波が起こりやすい、と言えばわかるだろうか。川の中に手を入れたら勝手に波が出来るだろ、あんな感じだ。

 魔力の流れが緩やかになることで魔法が素早く放てるし、魔力の消費効率も良くなる。魔法を準備している間は常に魔力を消費しているから、発動までの時間が長ければ長いほど消費魔力が増えてしまう。

 詠唱の呪文は特に決まっていないので、自分なりに工夫してもよい。一応言っておくが注目を浴びたくて詠唱をしているわけではないのだ。唱える必要があるのだよ。


 この本には最も基本的な詠唱を載せているから、それをもとにすれば使い勝手がよくなるだろう。

熟練者になれば詠唱をせずとも魔力の流れを緩やかに行うこともできるが、この本を読んでいるような初心者は詠唱をしっかりするように。

 また、一部の魔術師は楽器を使って詠唱をするということもある。これは最近できた手法で、魔道具である楽器の音に魔力を混ぜることで、詠唱とするらしい。

 正直私には何が良いのか理解できんが…まぁ楽しげではあるな。




 最後に杖について教えよう。

 ここで説明する杖は歩行補助用の杖ではなく、魔法使い専用の杖のことだ。この杖は魔道具で、種類は二つある。

 一つは15㎝程の短い杖で、短杖たんじょうと呼ばれている。予め魔術式が彫ってあり、そこに魔力を流して使う。わざわざ詠唱や魔法構築をしなくて済むので、急いでいる時に役に立つ。

 もう一つは、1m程の長い杖で、長杖ちょうじょうと呼ばれている。

[蓄積の魔法]が付与されており、そこに自らの魔力を蓄えておくことで、自分の魔力が足りない時に肩代わりすることが出来る。難点は杖本体が少しでかくて動く際に邪魔になる所だが、地面を突いて歩けばあまり気にならない。


 さて、長ったらしく説明してしまったがすべて魔法を使っていく際に必要な知識だ。

次は現象魔法の詠唱と効果を説明していこうか。


 ☆ ★ ☆ ★ ☆


 と、この世界のファンタジー要素はこんな感じだ。本に書いてある初心者用の詠唱とかはどうせ俺は読まないので省かせてもらう。少し補足すると、空気中には魔力は存在する。それと、俺の場合詠唱をしなくても問題はなく、魔眼を使えば普通に魔力の流れ、つまり魔術式が見れる。

 おそらく普通の人より魔力の扱いが上手なのだと考えられる。魔力を体内にめぐらしての身体強化が簡単だったので、基本かと思っていたのだが、本には載っていなかった事からもそう推測できる。理由はわからないが、チートって奴じゃないかと思う。誰が授けたのか知らんがマジありがとう。


 自分で魔術式を見て考察すると、魔術式はルーン文字みたいな感じではなく、魔法を発動する際の魔力の歪み、流れといった感じだ。例えば遠見の術をした場合、ぐにゃぐにゃと法則があるのかどうか分からない流れが出来るが、最初の半分の方だけの流れで魔法をしてみるとモノクロで見え、さらに魔術式を進めていくとカラーになっていく。他にも一番最初の流れを組み込まないと、全く見えないようになった。つまり魔法を使う際の魔力の流れの部分部分が魔術式になるものと考えられる。一番最初は光を術者おれに届ける術式で、その次はおそらく光を受け取る術式、最後は光を色に変えていく…紫外線とか赤外線とかか? 良く分からんが、そういった術式なのだろう。

 魔力の流れが魔術式なのではという考察は、町の魔道具屋の品物を遠見と魔眼の併用で見たのち刻まれていた魔術式の通りに魔法を使ったところ、魔道具と同じ魔法が発動したので正しいと思う。

 百年前に生まれた術式を応用するのは無理があるだろうと思っていたが、この仕組みなら確かにいろんな組み換えが出来るだろう。


 それと光属性の中に雷が入っていおり、風属性の中には音が入っていない。音は無属性、もしくは生活魔法として扱われている。異世界人には違いが分からないのだろう。さらに土属性は土が作れず、土を操るだけで、かなり地味である。水属性も主に水を操ることだが、少しだけ無から水が出せるようだ。実際には空気から集めているのだろうが、これも異世界人には分からない。それと火属性も地味で、火の玉を飛ばしたりすることが出来ないようで、ファイヤーボールといった魔法は本には載っていなかった。手元から離れると維持が難しいのだろう。俺は魔法の失敗で家が燃えるのが怖いので試していないが、本を読んでいき限りではそう読み取れる。火属性は魔道具に使われたり、火花を出したりするぐらいが主で、攻撃はもっぱら風や土でやるようだ。


 念話というのは本に書かれていた通り実際にやってみたが、前世の印象とは違ってテレパシーではなかった。どうやら自分の声の言葉を概念として伝えるという物らしく、翻訳魔法といった感じだ。この世界では動物と意思疎通することが可能なのかもしれない。猫と意思疎通ができるなんてマジ天国。あ、いや猫がいるとは限らないか。

 これらを見れば分かる通り、この世界の魔法は戦闘より生活補助が主な活用法のようだ。魔法戦闘を他人と出来ないのは少し残念だが、贅沢は言うまい。魔法があるだけで万々歳だ。


 それと生まれてから5ヶ月後くらいの時に退屈過ぎてハイハイをしてみたのだが、親は違和感を感じなかったようで、特に変な反応も見せずに笑って祝福してくれた。と思う、少なくとも笑っていた。自分の記憶にあったハイハイし始める時期より少し早めにしてみたのだが、おそらくこの世界の子供は魔力が筋力に作用するらしいので、このぐらいの時期からハイハイをしだすのだと思う。

 9ヶ月後に歩き始めが、それに対しても「かわいいなー」とか、「こっちおいでー」とか言っていた。この人たちは自分の子供が転生者だとは思ってもいないのだろうな。

まだ続いちゃうよ。

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