第三章 第一話
俺が遠くを双眼鏡で除いていた時聞きなれた部下の声が聞こえた。
「どうですか中尉、なにか見えますか?」
「いんや…はげ山がたくさんだ」
そんな他愛のない会話をしつつ俺は考える。何でこんなはげ山しかないところに来なくちゃならんのだ!家族とゆっくりしていたかった。俺の努力が全然足らんかった!
こんなことになったのも…
…皇紀二十年八月のある日
「おーい山下中尉」
「ハイッなんでしょうか?」
「貴様ちょっと第十一現地偵察部隊の隊長やってくれんか」
中倉大尉の目を真っ直ぐ見る、じっくり見る…拒否権はないようだ…ああ知ってましたよええそうです。
「わかりました、受けさせてもらいます」
ちくしょう妻とイチャイチャしたかった、子供たちと遊びたかった、子供たちと海や山登りにでも行ってみたかった、ああーやだなー命令だからしかたないかー
ちくしょうめー!子供たちに「わー、おとーさんすごーい」って言われたかったよー。
「中尉、すぐに世界の終わりみたいな目をやめたまえ」
「…はい…」
目をクリっとさせる。
「なんらひとつ変わっておらんよ中尉…まあいい、とりあえず準備はしておけよ」
こんな命令さえされなければ家族と過ごせたのに…まあごちゃごちゃ言ってもしかたないか。
あの命令の後俺は家族に任務があるからと話し、これから現地で一緒にすごすであろう仲間と決行日まですごした、これは現地でいざこざが起こらないようにという配慮だろう。
第十一現地調査部隊は総員十名だ。
調査部隊の任務…それは現地での植物、動物、民族、病気などを調べ、サンプルを採取し、地形を調べ、写真におさめることである。
九月十一日
我々第十一現地調査部隊は現地の空を滑空していた。
滑空機については訓練されていたが部下が操縦した。
目の前に地面が見える着陸のようだ。
大きな衝撃!着陸だ、すかさず点呼をする。
「点呼ー!」
「一!」
「二!」
「三!」
「四!」
「五!」
「六!」
「七!」
「八!」
「九!」
「十!」
「総勢十名、きっちりいます!」
「よし滑空機から出ろ!」
「はい!」
ぞろぞろと出ていく、最後に俺が点検をする。
外に出ると部下が空中投下された物資を集め確認をしていた。
空中投下されたものはリストによると武器弾薬、車両だ。
さすがに車両まで投下するとはむちゃくちゃだと思うが成功させるなんて流石だな。
「隊長!確認終わりました」
「そうか、足りないものはあるか?」
「衣服が足りません」
「そうか、それは各隊員たちで努力だ」
「わかりました!」
よく聞いてくれる部下だなぁ、いい部下をもった。なにかあったときはあいつはよく考えて行動するしな、いいやつだと思うよ。




