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僕と怪物
雄弁は銀、沈黙は銀
速やかに隅を陣取る
鳴いた雉や出すぎた杭を尻目に
密やかに日々を過ごす
そうさ目をつけられたが最後腸まで食い散らかされて
見せモノ笑いモノの末路はどこだ
殺せ殺せ息を殺せ
殺せ殺せ意思を殺せ
誰がどこで怪物に変わるかもしれない世界
群れた奴らは怖いものなし構うことなしに
僕もいつか怪物に変わるかもしれない世界
助けなんか来ない、台風が過ぎるのを待つだけ
教育の型にはめ、模範生の判を押せ
思春期の泥の皺寄せ
大人か子供か、グラデーションに線を引け
強者と弱者、犠牲者は誰だ
蜘蛛の糸は実はあちこち垂れ下がっていて
それを僕らは認識できていないだけ
怪物も実は一人じゃなにもできない弱虫で
それを僕らに悟られないよう虚勢張っているだけ
殺し殺し息を殺し
殺し殺し意思を殺し
過ぎた時間を振り替えるれる大人になった頃には
僕も怪物も大差なくなってる