逃げる悪と駄目な僕
逃げる悪と駄目な僕
逃げることは駄目ですか
逃げることは悪ですか
逃げる僕は駄目ですか
逃げる僕は悪ですか
物心付いた時から逃げ続けてきた
人から 義務から やるべきことから
気付けばここは袋小路で
不利な状況を見ない振りしても
お釣りのくるような圧倒的劣等感
全ては一つ生きるためで
すべからくはただのエゴで
だというのに中心は何時も僕じゃなかった
自分を守ることだけに躍起になって逃げ続けた僕は
追い込まれた路地裏で逃げるなと言われた
唯一無二の悪かのように
それは駄目だと否定された
生きることは善ですか
生きることが全ですか
逃げる僕も善ですか
生きていれば善ですか
生きていてナンボだと
命有っての物種だと
死んでしまってはおしまいだと
僕を否定したその口で説得された
勧善懲悪の物語ならきっとお呼びでない
性善説を唱えたところで世界から悪は消えない
不変なモノはない
不偏なぞもっとない
だというから中庸である僕はいつも有り難かった
全ての生き物に平等に訪れるものは悪だろうか
逃げ続けた先で縋ったそれは悪だろうか
遮二無二でも善であれと偉そうに掲げられる主張
鼻で笑って心で泣いた
逃げる悪も善ですか
逃げる僕も善ですか
生きていれば善ですか
駄目な僕も善ですか