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~番外編~クリスマス企画~ 【Ⅰ】(仮)

とりあえず、出来たところまで投稿。

ここか、本編か、短編独自かで投稿するの迷った。

今回【月の国】中心噺。

これは本編よりも大分進んだ(?)未来の話。

季節は冬。12月23日。




~ノアSide.~




『ああ、明日と明後日はクリスマスか…。忘れてた。』



昔は俺も楽しみにしてたっけ・・・。


そういえばユウは今、【太陽国】に居るんだっけ。子供たちと一緒に。


ふむ、何かイベント事を起こしてみるのも一興か。


う~ん………。


ホワイトクリスマス、を起こしてみるか。世界全体に。


絶対降らないだろう所に雪が降ったら、みんなどんな反応をするかなぁ…。


きっとそれは面白い光景だろうなぁ。


そして微笑ましい光景ともなるだろう。主にこども達のおかげで。


ふふっ、それはいい。我ながらいい考えだ。


ついでにプレゼントも送ろうか?


綺麗な光景のプレゼント。


物品はそれぞれに送るのは大変だから思い出に残るものでいいよね。


ふふふっ。楽しみだなぁ…。


僕はもう、いろいろと諦めすぎて、彼やあの子たちの様に〈――〉ではないから羨ましい。


僕は彼らが羨ましい。ふふっ、でもそんな事すらもどうでもいい。


どうでもいいんだよ。


あの子たちはボクを……いいえ、なんでもないわ。なんでもないのよ。


うふふふふっ。


そうと決まれば用意しなくちゃ。


先ずはあの子に手紙を書こう。


あの子の能力と美貌が今回はきっと役に立つわ。







~ノアside.End.~

















雪那(せつな) Side.~





ふぅ、あのノアにも困ったものじゃ。


なんじゃ?わらわが誰かじゃと?


ほほほ、まだ自己紹介をしてなかったかのぅ。


わらわの名前は雪那。


【雪の刹那】、【銀狐】、【妖姫(あやしひめ)】、【世界一の美貌を持つ者】などと呼ばれておる。


【月の国】の【妖し者】、通称【妖族】の長で、三義姉妹の長姫じゃ。


歳は今年で三千はいったかのぅ。


そこっ!年寄りとか言うな!


わらわはこれでも【月持ち】では若い方なのじゃぞ!!


「え~、雪那様は【月持ち】の中でも歳は真ん中ぐらいでしょう~?若くもなく年寄りでもない~。それにボクたちよりはやっぱり年寄りです~。」


「黙れ五月蠅い幻夜!!心を読むな!!というかいつ入って来たのじゃ!!」


「ごめんなさい~。ついさっきです~。それと今年の分の仕事上の書類です~。決済お願いしますぅ~。」


「ふむ。わかった。ご苦労様じゃ。…して、幻夜よ、鏡夜はどうしたのじゃ?」


【鏡の双子】はその能力上、二人で一人の様なものじゃろうに。

片割れの鏡夜の姿が見えん。何かあったのじゃろうか?


「あ~、鏡兄ぃは書類作りで働き過ぎたのか~、体調崩して風邪ひいて寝込んでます~。」


「ああ、それでお主が来たのかえ。」


「はい~、鏡兄ぃ~、倒れる直前にボクにその書類渡して~、雪那様の所に持って行って来いって託されましたか、ら~」


なにやら眠そうじゃのぅ。ほれ、必死に欠伸を噛み殺しておるわ。

それに先程からいつもよりも語尾の伸ばしが多い。相当頑張ったのじゃろうのぅ。


「ふむ。お主も疲れているようじゃし、もう下がってよいぞ。ああ、鏡夜にはお大事にと伝えておくりゃぁ。」


「承知しました~。失礼します~。」


スーーー……。


ふむ、鏡を利用して帰ったか。


そんなに疲れていたのかえ?


まぁよいわ。それよりもこのノアの手紙じゃ。


手紙には〈世界中に雪を降らせ、ホワイトクリスマスを実現させろ〉と書いておる。


その際、〈この企画に誰を巻き添えにしてもいい。むしろ巻き添えにしてしまえ〉ともな。


というわけで、より確実に実現するために、あの二人を巻き添えにするかのぅ。


どちらもこの手紙を見せれば納得してくれようて。


無理ならば色仕掛けでもするかのぅ。


それでも無理ならば手伝う様に外堀から埋めていけばいいだけの話じゃ。


簡単。簡単。


うふふっ。楽しみじゃのぅ。





~雪那Side. End~







同時刻【紅月乃館】



(ぶるるっ)


「…なんでしょう?悪寒がします。何も起こらなければ良いのですが………。」


ここ、【紅月乃館】の執務室では【月夜国】の宰相、(おう) 紅葉(こうよう)が仕事中に嫌な予感を感じていた。


そう。彼こそが雪那に企画巻き添えのターゲットにされた二人の内の一人である。


「紅葉~、どうしたの~?自分で自分の身体抱えてないで、早くその書類の山もってきてよ~」


「五月蠅いですね紅月王!わたしはそんな気色悪いことはしてませんっ。」


「そんなことはいいから早く持ってきてよ~。今年中に仕事が終わんないじゃない!」


「言われなくても今やろうと思ってたところです。なんならこの倍の書類を持ってきますが……。」


「やめて!!今の分量だけでも精一杯だっていうのに、なんでこの倍やらなければいけないのよ!?この鬼畜宰相!!」


「ふふっ。それは褒め言葉ですか、陛下?」


「はぁ!?違うわよ!!だいたいその倍の分はどこからもってくるのよ!?今年の分はこの部屋に積みあがってる沢山の書類の山十数個だけの筈でしょう!?それも大方決算し終わって残りは今やってる一山とそこのあなたが持ってる一山だけの筈でしょう!?というかさっさとそれを寄越しなさい!!何がなんでも今日中に終わらせてユエや凛達と年末年始のんびり派手に楽しく遊ぶのよ!!!」


喋っている最中も書類が【黒猫姫】の手によって、空中を舞うようにすごいスピードで処理されていく。それを見ながら桜宰相は返答する。


「そうですか。どこからといいましても、例えば各部族長のところからとか、わたしのこの国での決済済みで陛下の了承待ちの分や、ユエ様の仕事の書類の横流しとか、いろいろとやり様はあるものです。」


「はぁ!?そんなのがまだあったの!?あなたさっさと私に回す分の書類を持ってきなさい!!っと終り!!ほれ、さっさと次寄越せ!!」


「はい。」


「さて、と。私はもうひと頑張りするからさっさとその書類を持ってきなさい!!それに明日と明後日貴方は忙しくなりそうな気がするから今日中にね!!」


「予言、ですか?」


「そのようなものよ。ほら、さっさと行く!!」













同時刻~【玉龍島】~



(ぶるっ)


「…風邪か?(やれやれ少し働き過ぎたか)」


ここは【月龍】という龍人達の住まう島、【玉龍島】。


雪那のもう一人のターゲットである【月龍】達の長、【白龍の琥珀】こと(ハク)は感じた悪寒を風邪と勘違いしていた。っと、【月龍】の子供たちがハクめがけて走ってくる。


「長~!空の飛び方教えて~!」


「「教えて~!!」」


「?…他の者たちはいないのか?」


「うん!!みんなカゾクダンランっていうのを楽しむんだって!!」


「それと家の大掃除があるからぼく達にかまってなんかいられないってさ」


「ぼくたち遊んでばっかりで、悪戯して邪魔するからって追い出されちゃったの。」


「「そうそう。」


「それに教えてもらうならハク様がいい~!」


「「うんうん。」」


「わかりました。えっとね…」



そうしてハクが子供たちに飛び方を教えて、子供たちがだいたい飛べるようになった頃。





   パシャシャシャシャシャシャッッ……





「(何の音だろう?……水音?)」


ハクは海の方から微かに聞こえてくる水音を捕えた。


「「「ハク様/長、ありがとうございました!!」」」


「どういたしまして。気をつけて帰りなさい。」


「「「はーーーい!!」」」





  パシャシャシャシャシャシャッッッ……





「(だんだんと水音が大きくなっていっている。…何かが近づいてきている?)」





  パシャシャシャシャシャシャシャッッッ……パッシャーー!!





急に水音が激しくなって途絶えたかと(エロいの想像すんじゃねぇぞ!コラッ!!)思うと、空に何かが飛び上がっていた。

それはハクめがけて降りてくる。




「…え?ヒト?」





  くるくるくるくる…スタッ!





「…ふぅ。こんにちは~!ハクさんに郵便で~す!受取証にサインお願いします!!」




「ああ、クロネさんだったか。あの水音は…。」


「にゃはははははっ。驚かせたか?」


「ええ、まぁ。(成る程。水音は、クロネさんが海上の水面を走ってきた音で、急に水音が激しくなり途絶えたのはクロネさんが水面を蹴り上げて空中に飛び上がったから、か。)」


ちなみに〈くるくるくるくる…スタッ!〉は、クロネが回転して勢いを殺し、さながら猫の様に音もなくハクの眼前に着地した音である。


「にゃははは…、それは悪いことしたな。とりあえず受け取ってくれ。そんでサインくれ。」


「わかりました。いつもありがとうございます。…【妖姫】さんからですか。……はい。」


「毎度~。それ、なんか知らんが急用らしいぞ。今日中に見ることをお勧めする。それでは失礼する!」


クロネはそう言い残してまた、海の上を目にもとまらぬ速さで音もなく駆け抜けていった。


「はぁ~、毎度毎度、クロネ=クロナさんのあの速さには驚かされる。(なにせ水面を純粋に体術と速さだけで走りきる。しかも本気を出して走れば水の上でも音も出ない。本当にすごいな。)」


因みに水面を走る原理は、片方の足が沈む前にもう片方の足を前に出す。これを高速でやるだけ。一見簡単そうに聞こえる方法だが、〈言うは易し、行うは難し〉である。


「さて、急用か…え~、なになに…………」

















~ユウSide~



あ~、あ~、こちらユウ。

ただいま異世界の【陽の国】、【太陽国】にて出来た友達たちと集まって遊んでます。

あっ、今の季節は冬で俺がこの世界に来たのは秋になる前、夏の終わり頃らしいです。

ついこの間、初めて知りました。現在地はどっかのログハウスです。暖炉で暖まりながらぬくぬくとワイワイ楽しく遊んでます。(って言えって誰かに云われた気がした。)



「おい、ユウ!!明後日はクリスマスだぜ!!ユウはサンタさんに何貰う?」


こいつは(こう)

お調子者でよく問題を引き起こすか連れてくる漁師の息子。テンションがほぼいつも高い。俺のここでの友達の内の一人。


『え?そうなの?つか、クリスマスってここにもあんの?』


「はぁ?なにいってるの?あるに決まってるじゃないか。」


彼女は明華(めいか)、姉御肌で男っぽい性格をしている。

他にここにいるのは商人の息子の周、貴族の娘で先祖に白蛇の仙女がいたという白娘(パイニャン)、人見知りで途切れ途切れにゆっくりと話す政治家の娘の朱鸞だ。(設定は今考えた。By.作者)


「それでユウはサンタクロースになにを貰いますの?」と、白娘。


『う~ん…、ここにもあるとは思ってなかったし、まだ考えてないなぁ。』


「だろうな。なにせ今までクリスマスの存在自体知らなかったようだし…」と周。


『アハハハッ』


乾いた笑みを浮かべるしかねぇな。


「…だいじょ…うぶ。今から考えて、も、間に合う、か…ら。」と朱鸞。


周は辛辣で、朱鸞は優しい。

ほんと朱鸞には癒される。夢鬼の次に、だけど…。


「おい!おまいら俺様を於いて仲良くするなぁ!!」


「なに?嫉妬かい?ならこうするとどうなるのかね?」


「『うおっ』」

「「えっ?/ちょっ!」」


そして絳以外の、俺や朱鸞、周、白娘を纏めて抱きしめる明華。

口元には悪戯な小悪魔っぽい好奇心に満ちた微笑が浮かんでいる。


「キィーーーー!!!朱鸞まで…」


キィーーー!!!ってお前……。


ああ、云い忘れてたけど、絳は朱鸞に好意を持ってます。

ちょっと面倒臭くて云うの忘れてました。


「俺様も混ぜろーーーー!!!」


え?


『ちょっ!飛び込んでくるなっ!!』


「「「『うわーーーーーー!!!!』」」」


(ドスンッ)


『あ痛てててっ…』


壁に背中打ち付けた。俺らの上に絳が乗ってる。つか、主に俺と朱鸞の間辺り。

ちょっと重い。


コラ、絳!!満足そうに笑ってねェで早く退け!重いし背中痛いんだよ!!(大事なことなので二度言った。)」


「え~……。」


「嫌そうな顔するな。さっさと退け!朱鸞が目を回している。」


「え?マジか!?」


「…きゅ~…」


「うわ~!!ごめん!!朱鸞―――!!」


やっと絳が俺らの上から退いた。


『ふぅ~。(やれやれ、いつものことながら騒がしい奴。)』


自然と口元に笑みが浮かんでくる。



こんな騒がしくとも楽しい毎日がここ最近の俺の日常。


『(クリスマス、か。楽しみだなぁ…。)』




~ユウSide.End.~










~紅月の館、宰相の執務室~ 宰相side.


ふぅ、やれやれ。仕事をしていると夜中になってしまいましたが、やっと今年の分のわたしの仕事が終わりました。これで今年も心置きなく年を越せるというものです。


年越しと言えば、毎年恒例の大みそかの年越し祭りイベントですね。今年こそ!年末の飲み比べ勝負は今年こそ!私が勝たせていただきます!!昨年は兎姫以外の姫君たちや蒼空の君、それに薬師薬兎に負けてしまいましたからね。というか、あの薬師兎は何故、酒に強いのですか!?兎族は通常、他の種族よりも酒に強くはないというのに!!ああ~悔しい!!私はあの兎に負けたことが何よりも悔しい!!だから今年こそはその雪辱を晴らしてやるのです!!


…ごほんっ。まぁ、それは今は置いておきましょう。

あ、そういえば紅月王が予言のようなことを言ってましたっけ?

あれはなんなんでしょうね?わたしとしてはそれが外れてくれることを願いm「ばんわ~!(おう)紅葉(こうよう)宰相に黒猫郵便だぜ~。さっさと受け取って受取証にサインくれ~。ふぁ~ぁあ…眠い。」


「………。こんばんは、猫の君。私に届け物ですか?(まさか、紅月王の予言もどきが当たったんじゃありませんよね?)」


「そっ。ノアから妖姫様に勅命が下り、妖姫様から“智の君”桜紅葉様へのお手紙だ。そしてボクの今日の仕事はこれで最後。だから早よ受け取れ…にゃ…すぴー…」


ズビシッ!!


「あいたっ!!」


「ここで寝こけないでちゃんと自分の足で、自分の足で、帰ってから寝てください。」


桜宰相は手紙を受け取り、クロネ=クロナに自分のサイン入りの受取証をわたす。


「毎度あ、り、なの、にゃ……うぅ~、眠いのにゃ。失礼する、なのにゃ。さいならなのにゃ。」


そういって、クロネ=クロナは目をこすって一生懸命、眠気と闘いながら物凄い速さで走り去って行った。



「ハァ~……、紅月王様の予言もどきが的中しましたか。明日は本当に忙しくなりそうです。」





後で纏めるかもしれないが、とりあえず、ここまで。





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