朗善
あるところに一人の男がいました。その人は貧しく、その日暮らしの毎日でした。それでも、心は優しく、豊かでした。
そんな男が、一人の乞食を見掛けました。どうやら飢えているようです。男は放っておくことができず、やっと手に入れた食料を半分分けてあげました。
男が自分の分の食料を食べようとすると、乞食は男を殴り、残りの食料までも奪って食べてしまいました。
男はそれでも、食料を分けてくれた女に感謝し、乞食を救えたことを、神様に感謝しました。
男は、なんとかその日暮らしでも幸せに生きています。
乞食が男に分けてもらい奪った食料は、男がある女から、食べかけでしたが分けてもらったものでした。その女も、決して裕福ではなく、貧しい生活を送っていました。
やがて、その女はかかっていた流行り病で亡くなりました。…そして乞食もその女の食べかけの食料を食べたため、流行り病が移り、亡くなりました。
女は天国にいき、乞食は地獄にいきました。
女は何故天国に来れたのか、天使に尋ねました。
天使は答えました。
「あなたは貧しいのに、神様に食べ物を分けて下さいました。ですから貴女は天国に来れたのです。」
女は言いました。
「私は神様に会ったこともないのに、何故食べ物を分けたことがありましょうか。なにかの間違いです。」
天使は優しく答えました。
「神様はこの世界全てをお創りになりました。ですから、貴女が周りにしたことは神様にしたことなのです。」
乞食は何故地獄に来てしまったのか悪魔に尋ねました。
悪魔は答えませんでした。
それでも乞食は何故地獄に来たのかわかりました。何故なら自分の良心が痛むのです。あの男の食料を奪ってしまった。あの優しかった男は怨んでいるかもしれないと。
男は今も、飢えている人がいれば自分の食料を分けてやり、自分の良心に従い、幸せに生きています。
どうでしたか?
僕の初めて書いた小説ですので、文が下手だったかもしれません。話がつまらなかったかもしれません。
それでも、読んで下さったあなたに感謝します。そしてこうして小説を書く機会が訪れたことを、感謝します。
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