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07:ゴースト・フレンド

 「あー! こんなとこにあった!」


 昼休み。直は午前授業、最後のチャイムが鳴ってすぐ、本校舎のやや東側奥に建つ周囲を鬱蒼とした林に囲まれた旧校舎を訪れていた。

 その目的は昨日、亮太が話していた”音楽室の怪談”について、ここに住まうとある友人に訊くため。それともう1つ、同じく昨日、旧校舎の掃除をしていた際うっかりなくしたあるモノを回収するためだ。



 『芳田君、昨日なくしたって言ってたアレだけど、旧校舎1階の階段に転がってたわよ』


 今朝、ホームルームのチャイムが鳴ったすぐ後、友香にそう囁かれた直は、首をかしげながら半信半疑で言われた場所までやってきたのだが、……本当にそこでソレを見つけ、更に首を傾ける。


 昨日、掃除の時間。この階段付近は特に何度も確認したはずなんだけどなぁ……まぁ、いっか。


 セールのワゴン品だが、赤い毛糸でしっかりと丁寧に編み込まれているソレは、照明の必要がない程度に薄暗い昼の廊下にあってもよく目立つのに。けれど無事見つけられたのならそれでよしと、直は腰をかがめると階段の1段目へ手を伸ばした。


 ……なぜだかソレは、片方にもう片方が器用にねじ込まれていて、一見すると片手が落ちているように見えて。

 旧校舎で囁かれる血生臭い怪談を少なからず知っている者ならば、その赤い色と薄暗い空間から、一瞬まるでソレが血に濡れた人の手首のように見えて、少し気味が悪いのだが。


 しかし、旧校舎に纏わる怪談の”全て”を知っている直は、そんな不気味な想像が頭をよぎることもなく。拾い上げたソレを嬉しそうに眺めると、意外ときつくねじ込んであった片方をやや苦戦ながら取り出し、1日ぶりの再会を確かめるように両手にはめると天井を仰ぐように高く掲げる。

 まだ数カ月の付き合いだが、コレは昨年の冬、寝る時間や授業時間を削りコツコツ編んだもので、とても愛着があるのだ。



 「……あれ?」


 ところが、すぐある事に気付き、直の頭上には小さな暗雲がもくもくと立ち込み始めた。



 「ガーン。誰かに踏まれた跡があるんですけど……」


 丹精込めて作られたソレにはクッキリとした人の足跡が刻まれており。誰かが丁度、赤にワンポイントの白で編み込んだ”なお”の上を見事に踏み付けたようだった。







□  □  □  □  □  □  □  □  □  □  □






 「てっ、てっ、てっ、手首じゃなくて、よっ、よっ、よっ、芳田の手袋――――!?」


 ほぼ同時刻、1年B組の教室。晴れていれば上空から心地よい春の日差しが差し込む日もある校庭側の窓を陣取るグループから突如声が上がった。


 そのボリュームは昨日にも負けず劣らず、声の主も同じく藤間あずさ。そして、声と一緒にたこ型ウインナーが今日も勢いよく飛び出し、目の前に座る亮太の額にぶつかった。

 今回、無事たこ難を逃れた友香は、その隣でのんきそうに焼きそばパンにかじりついている。



 「そ、そんな……あの、ぐにゃっとした嫌な感触は絶対、人の手だと思ったのに!? ……ちょっと友香、どういうことかきっちり説明しなさい、よ!!」


 「おっと、危ない。……まぁ、それはある意味あんたの想像力のたまものと言うか、大方、予想以上に夜の旧校舎が不気味で頭の中、怪談とか怖い想像で一杯だったんでしょ、それで”手首”だって思い込んじゃったのよ、それから、説明って言われてもさっき言った通り、昨日あんたが踏んだのは手首じゃなくて芳田君の手袋だから安心してオッケーって話で他には何もないんだけど?」


 驚愕の表情で己の頭を抱えていた両手を、思い切り机に叩きつけたことで傾いたペットボトルのお茶を素早く支えると、友香は一呼吸も置くことなく言い切り、そのまま昼食を続ける。



 ――話によると昨日、昼休みが終わった後、旧校舎の1階にて。

 掃除の時間にもかかわらず、何度言ってもモップの先に手袋をはめて遊ぶことをやめない直に、ほんの少し苛立ちを覚えた友香は、背後からモップに近付き手袋をこっそり拝借。手袋がないことに気付き慌てふためく直にも一切知らぬ存ぜぬを通し、掃除が終わりやがて直が手袋の捜索を諦めた後、階段に放置して来たのだという。


 そしてあずさとの別れ際。ソレを自らが即興で考えた”手首の怪談”として利用し、あずさに話したのだ。……十中八九、深夜旧校舎を訪れるであろうあずさが、ひょっとしたらソレを踏みつけてくれることを期待して。



 「……何て言うか、あんたって結構っていうか大分陰湿よね。ほんの少しの苛立ちにしちゃやることがネチネチし過ぎ……って、芳田はともかく何で私がそんなもの仕掛けられなきゃならないのよ!?」


 「それはほら。あんた幽霊とか怪談、全然信じてないでしょ? だから少しでもそういう存在を信じてもらいたくって」

 「ふざけんな――――ッ!!」


 唯一、踏みつけたアレが手首じゃなかったことは非常に喜ばしいことだが、それとこれとは話が別だ。しかも何だその理由は。


 たこ型ウインナーが激突し油が光る額を、無言のままハンカチで磨き終えた亮太をよそに。あずさは声のトーンを下げることなく弁当箱と一緒に乱雑に散らばっていた消しゴムを掴むと友香目掛けて放る。しかし文庫本で素早くバリアを作った友香には当たらず、弾かれたそれは再び亮太の額へとぶつかった。



 「はいはい、ごめんごめん。でも芳田君も災難ね、この前あんたに右手を踏まれたと思ったら今度は手袋も踏まれるなんて」

 「あれは、私がつまずいた先に偶然芳田が寝てただけだし! っていうか手袋はあんたのせいでしょーが! 大体ね――」

 「あーのー!! ……話しこんでるとこ悪いんだけどさぁ」


 今までずっと沈黙を守ってきた亮太のやや強引な割り込みに、友香とあずさはピタリと動きを止め。声の主へと顔を向けると、その表情はどんよりと沈み額は赤く染まっている。



 「どーした杉原君? そんなに疲れきった顔して、ついにお姉ちゃんに告白してフラれたか」

 「えっ、何あんたやっと綾香さんに告白したの?」


 「え、い、いや、なんの話だよ!? ……って、そうじゃなくて、何でオレの前に机並べてケンカしてんだよ、嫌がらせか!」


 思わぬ切り替えしに動揺した亮太は危うく椅子から滑り落ちそうになるものの、すぐさま姿勢を正し。昼休みが始まってからずっと異論を唱えたいと思っていたことをようやく口にするが。

 「「だって、ここしか空いてなかったんだもん」」と。廊下のホール、中庭、屋上と、各々がお気に入りの場所で昼食を堪能し空席も目立つ教室の中、見事声を揃える2人に、さっきまであんなに言い争ってたのに何だよこの連帯感!? と頭を抱える。


 そして、自分の目の前に座るあずさ、隣に座る友香と順番に眺めると「……もういいです」と小さく呟き、せめてこれ以上、綾香のことに触れられぬようさっさと話題を切り替えることにした。

 ………………というか、何でバレてるんだ? 誰にも話したことないのに。



 「そんなことよりお前ら、山本は大丈夫なのかよ? 何か日に日に死にかけ……いや、弱っていってる気がするんですけど」


 途中、あずさにギロリと睨まれた亮太は、慌てて言葉を選びなおすものの。亮太のその言葉で、あずさの表情は一瞬で曇り、焼きそばパンを完食しデザートのシュークリームへと突入していた友香も、手を止め珍しくうーんと唸る。


 ここ数日、音楽室の幽霊と噂の山本詩織は今朝、ホームルームが終わる直前ギリギリ教室へやってきたが、1時限目が始まってすぐ体調不良でまたも早引きしていた。その顔色は、誰が見ても顔面蒼白で生気がなく、噂通りまるで本物の幽霊のようで。

 そんな調子で、あずさも友香もここ数日は話しかけるタイミングもなく、詳しい状況は何も分からないらしい。



 「お前ら友達だろ? よく分かんねぇけど、学校が無理なら家にお見舞いに行くとかしてやれよ」

 「……うっさいわね。何度も様子見に家に行ったわよ。でも、お手伝いさんの……えーっと誰だっけ、友香?」


 「確か新入りの湯咲さんだったかな、”湯咲みれい”と日本人っぽい名前だけど多分外国人の。でも、あたしは昨日も行ったけど、門前払いで絶対詩織に会わせてくれないんだよねぇ」


 その時の様子を思い出したのか、友香はシュークリームを持つ手に力を込め。あずさがイライラを発散させるように「ムカツク!」と机の上に転がる消しゴムのカケラを指で弾き飛ばすと、眼前に迫ったそれを今度こそ亮太はしっかりと右手で捕らえる。これぞ三度目の正直というやつだ。フフフン。



 「……はーぁ。演奏会のこととか、部活のこととかさぁ、詩織に話したいこと色々あるんだけどなぁ」


 そんな少し誇らしげに見える亮太を無視して、あずさは机の上に突っ伏すと、そのまま深海まで沈み込むような長く深いため息を吐き出す。


 演奏会というのは、4日後に開催される糸瀬木いとぜき大学主催のピアノ演奏会のことで。高校生代表として詩織は開幕演奏を担当することになっているのだ。

 あずさも実力ある優秀なピアニストの1人として、その最終候補者に選ばれていたが、審議の結果、代表は詩織に決定していた。そしてそれを機に、あずさはピアノも吹奏楽部も辞め今は新聞部に所属している。



 「そういや藤間、吹奏楽っていうかピアノやめたんだな、小学校からずっと続けてたのに」

 「……まぁ、色々あってねー。でも後悔とかはしてないのよ、もともと取材とか写真も好きだったし」


 亮太の問いに、あずさは右手を透かすように眺めると椅子にもたれかかり少しだけ遠くを見つめるしぐさをするが。ふと思い出したように机の中から新品のデジタルカメラを取り出すと、そのままレンズを覗き込みパシリと1枚写真を切る。

 新人カメラマンあずさの被写体は、生地から大量のクリームがあふれ出し今大変危険な状態にある友香のシュークリームだった。というか、イライラしたのは十分分かったから早く食べて下さい。


 そのままカメラの話へと話題を移したあずさと友香を横目に、亮太は昼食を再開、今朝、直を追いかけて行ったついでにコンビニで買った”串刺しメロンパン”にかじりついた。なぜメロンパンを串に刺すのかは謎だが、なんというかインパクトに負けて。


 ……そういえば、例の”田中君”に話を訊くと言って旧校舎に行った直はどうなっただろうか。音楽室の怪談や詩織のこと、何か聞けてるといいのだが。


 若干2名を除き、この学校の人間でさえも誰も見たことも会ったこともない、存在すら曖昧な田中君であるが。ほんの僅かでも何か情報が得られていることを期待したい。







□  □  □  □  □  □  □  □  □  □  □






 「ありがとう田中君、まったね~!」


 昼休みということもあり、普段よりも更にひと気のない旧校舎の3階にいた直は、一見すると誰もいない無人の教室に向かい手を振ると、1人教室の外へ出る。


 先ほど1階の階段で無事手袋を回収した直は、そのまま3階へと上がり。田中君こと、加羅都度高校旧校舎3階の化学室を住処にする男子生徒の幽霊に、”音楽室の怪談”について、話を訊きに来たのだが――。



 ≪え? 夜、音楽室でピアノを弾いてなかったかって? あぁ、そういや最近、確かに夜ピアノの音が聞こえてくるけど……でも残念ながら僕じゃないよ、ピアノなんて触ったこともないし。…………というか、アレってやっぱり幽霊の仕業なの? 怖いから見に行きたくもないけど、深夜の学校でピアノとか怖いから本当やめて欲しいんだよねぇ~。あ、それより今日のお弁当はなになにー?≫


 ……と、たった1回のやり取りでこの話題は終了してしまい。

 その後、弁当の話題から他愛もない世間話に花を咲かせつつ直は化学室で昼食を取り、最後にお手製サンドイッチ(玉子&ツナ&玉ねぎ)の欠片を1つ、田中君へのお供え物として教壇の上に置いてきた。


 仮に、この場に亮太がいれば『幽霊が幽霊怖がってどうすんだよ!?』と、ツッコミを入れつつ、もう少し何か聞きだしてくれたのだろうが。残念ながら、亮太はいくら誘っても10円あげるからとなけなしの現金を差し出してみても、決して首を縦には振らず化学室へは近寄りもしないのだ。2年になったら化学の授業があるのに、一体どうするつもりなんだろうと直は密かに心配している。


 カラカラと扉が滑るように閉じると、少し経って内側からカチリと施錠の音が聞こえた。

 わざわざ職員室にカギを借りに行かなくとも、科学室の住人、田中君に頼めば施錠の心配はないのだ。



 仕方なく直は化学室を後にし、せめて自分の目で直接現場を見てみようと、そのまま廊下の反対側、遠く真向かいにある音楽室へと足を向けた。雲に埋もれた空からは、時折、太陽が顔を覗かせるものの、それはほんのひと時だけ。灰色に伸びる静まり返った廊下を、直は自分の足音を聞きながら先へ進む。


 隣の科学準備室を通り過ぎ、中間地点の階段を通り過ぎ、やがて音楽室が見えて来た時……直は、そこに佇む1人の女子生徒に気付くと、右手を振りながら足早に駆け寄った。



 「大宝寺、やっほー! さては、大宝寺も噂の音楽室を見に来たなっ!? さすがオレの幽霊フレンド!」


 そこにいたのは、目を細めまるで教室の中を透かし見るように、じっと音楽室を見つめる大宝寺摩利夜だった。

 5月に転校してきたクラスメイトの1人であり。そして、直が知る限りこの学校で唯一本当に、幽霊の存在を瞳に映し交流もできる人物でもある。


 ちなみに、直が入学した当初は、幽霊フレンド――直が名付けたいわゆる”幽霊が視える友達”というのが各クラスに数人はいたものだが、いつの間にかその数は減っていき、今では直と摩利夜しかいない状態だ。亮太いわく『本物が2人も現れたからだろ』とのことだが、直は、いまいち意味が分からずただガックリと肩を落とすばかりだった。


 いつも通り、摩利夜は直がかけよってきても無言のまま一切微動だにせず、鋭く細められた青い瞳には、黒い防音カーテンにより外部を完全に遮断しているはずの教室の内部が、精細に映り込んでいるように感じさせられる。

 こんな風に、ただ黙っているだけで異彩を放つ摩利夜に、普通の生徒はわざわざ声をかけるような不用意な真似はしない。……しかし、それをするのが芳田直である。



 「うーん。色々噂はあるけど、旧校舎には田中しか幽霊はいないはずだし。その田中君が違うって言ってるんだから、やっぱり音楽室の怪談はただの噂だと思うんだけどなぁ。というか、なんで山本が幽霊になってるんだろ? ……あ、でも、もしかしたらオレが幽霊の存在を感じとれてないだけかもしれないし……よし! みなぎれオレの幽霊パワ~!! ……って、あれ大宝寺?」


 「……えっ」


 どうやら存在を流していたわけではなく、よほど集中していたらしい。

 すぐ近くで名前を呼ばれ、ようやく自分のすぐ隣に立つ直の存在に気付いた摩利夜は、一瞬驚いたように目を丸くさせるが、すぐさまそれを普段のものへ戻し。何事か抗議するような目でしばらく睨みつけた後、霊の存在を感じ取ろうと?うねうねと両指を動かす直の横を何事もなかったようにそのまま無言で通り抜ける。


 ……普通の生徒ならば、こんな風に完全無視で立ち去る彼女にわざわざ再び話しかけるような度胸はない。……しかし、それができるのが芳田直である。



 「あれ、大宝寺~? 田中君ならオレがさっき訊いてきたけど、ピアノなんて触ったこともないし何も知らないって言ってたよー」

 「……………………、…………そんなの分かってるわ。大体、死に場所に囚われてる彼がここに来られるわけもないし」


 神経の図太さか、ある種の鈍感さは知らないが。てっきり次は田中に話を訊きに行くに違いないと思い込んでいる直の言葉に、麻利夜は足を止め。…………長い沈黙の後、背を向けたまま、直には見えないが不本意をそのまま貼り付けたような表情でようやく会話に応じる。


 田中は幽霊には違いないが、細かく言えば地縛霊となり。地縛霊とは様々な理由により死して尚、死亡した場所や強く思い入れのある場所に囚われ動く事ができない霊のことだ。田中の場合は、それが化学室になる。


 どうやら直はすっかりそのことを忘れていたらしく、摩利夜の言葉に、「あっ、そうか」と大きく頷きポンと手を打つと……その直後グシャリと音がして。下を見れば手を打った拳に小さなメロンサイズほどの紙の塊が押し付けられている。



 「幽霊とか怪談とか、そんなくだらないこと調べてる暇があったら少しでも勉強したほうがいいんじゃない、バカ」

 「え、なにこのボロボロの紙クズボール?」


 それは何枚かの紙を丸めて作られたものらしく、一体何の恨みがあるのか、これでもかっというほどひどくグシャグシャに丸められていた。

 いつの間にか後ろ向きのまま器用に直の隣へ戻ってきた麻利夜は、くるりと半回転、肩にかけてあったバックからそれを取り出し、最後の言葉を強調しながら直に押し付けると、再び背を向ける。



 「何度も言うけど、その田中君とか、むやみに霊と関わるのはやめるのね。……それと、音楽室と山本さんの件なら、心配しなくて今日中にカタを付けるから」


 そう告げると、今度こそ摩利夜は呼びとめる直にも一切足を止めることなく、そのまま廊下の奥へと姿を消した。


 残された直は、残された言葉の意味を理解しようと頭を悩ますが……早々に放棄。どことなく見覚えのあるような気がする摩利夜から渡された紙クズボールに興味を移すと、多方向からそれをじっくり眺めた後とりあえず広げてみる。


 そこには赤い数字と、馴染みのある書体で、この世で最も見慣れた名前が書かれてあった。



 「1年B組19番芳田直、18点。……ってあれ? これ昨日返して貰ったオレの数学のテストだ?」


 ボロボロの紙クズボール――もとい、心底恨みが込められているようなぐしゃぐしゃのそれは全部で5枚。全てを合わせてようやく100に達する、直の期末試験の答案用紙だった。

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