善意は偽善
ぼくシリーズ第六弾
「××の秘密、○○が言いふらしてたよ」
「××の口から言うべきことか、わからなかったけどね」
そうですか。ところで△△、以前、ぼくのことを鼻で笑いましたよね?
「××のために言うけど、××の作るものには魅力がないわ」
と、言ったよね?
ぼくがどれだけ傷ついたが知らないよね?
知ってたよ。
あなたには何も文句は言わなかった。
無駄だって知ってたから。
それなのに、他人が言ったことには憤りを覚えるんだ?
五十歩百歩だって言いたくなったよ。
でも、言わない。
言えば、ぼくはお前を殴ってしまう。
お前が昔言っていたとおり、ぼくは意外と感情的なんだ。
たくさん大人を困らせたよ。
だから、せめて心の中でお前を罵るよ。
表では、お前の善意を満たすだけ笑ってあげる。
この偽善者め!