第1章1話 〜聖女、召喚される〜
それは仕事から帰宅中の一瞬の出来事だった。
突然の強い光に目が眩み、目を開けるとそこは全く知らないお城のような場所だった。
「聖女を奴らから奪えましたよ!!!!やりましたね!!魔王様!!!!」
『魔王様....?』
私、木下春はどうやら魔王の目の前に召喚されてしまったらしい。
どうして私が魔王のいる場所に?と声に出す前に、魔王らしき人物が鋭い眼光をこちらに向けながら話し始めた。
「聖女は南の塔に閉じ込めておけ」
私は直感で閉じ込められることだけは避けないと、と強く感じて、一言叫ぶように声を絞り出した。
『閉じ込められるのは困ります!!』
そこで初めて、魔王の金色に輝く目と私の目が合った。
頭には大きな角、背中には悪夢のような羽としっぽ。燃えるような鮮やかな金色の目と炎のような髪。
まさに、魔王様と言わんばかりの容姿に、私は圧倒されてしまい、目を逸らしてしまった。
「......」
ただただ魔王は、冷たい瞳でこちらを見ていた。
今の発言で魔王は怒っていないか?
閉じ込められないようにするにはどうすべきか?
どうしたら家に帰れるのか?
混乱でいっぱいな頭を全力で使って考え、そして、私は声を震えさせないように深呼吸をし、魔王に向き直った。
『私を魔王様に仕えさせてください!なんでもします!』
ゆるーく連載予定です。
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