肌寒い
「飯野さんは何処から来たの?」
「えぇっと...」
授業終わりクラスメイトが一斉に
彼女の席を囲んだ
転校生が来るとよくある質問攻め。
落ち着いて話してくれないと
少し呆れた表情でその場を離れる
「悠翔~お前何処行こうとして~んの?」
「..何って、あの場から離れたいだけ」
「お前.少しは興味とか持たねぇの?」
「興味を持ったとしてもあの囲いに入りたくない」
「お前らしいな...」
ふと彼女のほうを見ると
彼女は楽しそうに話していた
「悠翔..お前もしかして猪野さんに一目惚れ..」
「調子に乗るな、違うから」
「..ごめん」
少し残念そうな顔でこちらを見て来る
その顔があまりにも腹が立ったから
一発腹に拳を入れた
効果は抜群のようで膝から崩れ落ちる
「おま"え"ッ、容赦がね"ぇ!」
「腹立ったから。」
「その気があって言った訳じゃねぇのに」
「通じるなら分かってて言ってるんだな」
「お願い、殺さないで..」
震えながらこっちを見る奏に
少し呆れてため息を吐く
そう言う気で言った訳じゃない
「殺さねぇよ」
「!流石俺のダチ」
「はいはい、」
そんな話をしていると外から
冷たい風が入って来た
「おぉ..もうすぐ冬って感じするなぁ」
「...な、」
冷たい風が俺らに当たる
その風は物凄く冷たかった
夏だったら気持ちがいい風だろう
冬なら、まだ耐えれる程度
「....肌寒いな」
予鈴が鳴り俺らは自分の席へと向かった