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初雪が降る頃に  作者: 朱堂 泰雅
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転校生の君

「悠翔~早く起きろ~」

そう家の外で自分の名を呼ぶ声が聞こえる

布団から体を起こす事さえ嫌になる11月の中旬。

「もう学校かぁ..」

そう言ってゆっくり体を起こす

少し布団から出るのに抵抗はあったが

制服に着替えて玄関の扉に手をかけた



「おはよう」

そう言って手を振って来るのは

幼馴染の明瀬奏。

中々起きない俺を起こしてくれる

「おはよう奏」

空は青く、太陽が顔を出しているのに

寒く感じては猫背になる

「なぁ悠翔。」

「ん?」

急に奏がとんでもない事を言いだした

「好きな人..いないの?」

「は?」

好きな人?何言ってるんだコイツ

「いると思う?」

「....いないな」

「...笑」




学校へ着くと教室がざわざわしていた

それに俺の隣に席が増えていた

「なんだ?」

「あーお前休んでたもんな」

「?」

知らなくて当然だろと言わんばかりの顔で

説明をする

「今日転校生が来るんよ」

「転校生...」

こんな時期に転校生が来るのか。

だけど俺には関係ない話だ

学校へはあまり来ないから

俺は持病を持っていてそう長くは生きられないし

病院へ通院しないといけないから

「ほらー席座れHR始めるぞ」

佐々木先生がそう言うと同時に

生徒が全員席に着く

佐々木先生の後ろに着いて来る女の子の姿が見えた

「今日からこのクラスで過ごす猪野さんだ。じゃあ自己紹介」

そう言うとその女の子は一度頭を下げて

口を開いた

「初めまして!猪野美琴といいます」

「......」

「....浅井?」

「うぇ!?なんですか?」

自分には意味ないと思い無視して窓の外を見ていたから

バレたのだろうか..凄い怒ってる

「話は聞け?」

「すいません..」

頭を下げると「もういい」と言って

転校生に席を指示する

「席は浅井の右だ」

転校生は言われた通り向かおうとするが俺の事を

分かっていない為キョロキョロしている

その転校生にこっちと言わんばかりに手を振って見る

すると転校生はこっちへ向かってきて

席に着いた

「じゃあ一限目の準備しとけー」

そう言って佐々木先生が出ていく

「あの」

「どうかした?」

「名前..伺っても..」

そういう転校生は少し震えた声で聞いて来た

「...浅井悠翔..よろしく転校生さん」

「...自己紹介聞いてなかったんですか?笑」

「う"ッ....申し訳ない」

図星を突かれたら何も言えない

すると転校生は笑って名前を言ってくれた

「私、猪野美琴です」

「...よろしく猪野さん」

そう挨拶すると彼女は満足そうな顔で

"こちらこそ"と笑顔で言ってくれた

だけど俺はそんな仲良くする必要なんてない

だって俺の命は短いから。

馴れ馴れしくする必要もない...そう思ってたのに..何故だろう

「教科書..まだなら貸すけど..」

「!ありがとうございます」

どうしても彼女から目が離せなかった

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