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今、雨が降ったら

作者: 塩濆け幾等

今、雨が降ったら

日照りのせいで枯れかけた草木や

ひび割れた大地は潤い

したたかに喜ぶだろう


今、雨が降ったら

傘を忘れた人々だけでなく

多分もっと多くの人が

湿った空模様に

しかめっ面を向けるだろう


今、雨が降ったら

先刻まで積もっていた雪が

みんなどろどろに溶けて

子供たちの笑顔は枯れてしまうだろう


今、雨が降ったら

マンホールに落ちる水の音や

溜まった水に映る自分の顔を

聞いて、見て、楽しむのだろう


今、雨が降ったら

堰き止められた感情が流れてく

そのせせらぎはやがて

無彩色の心に染みて

じわりと色を帯びるのだろう


今、雨が降ったら

六月の愁いを糧にして

七月の空の色を探そうと思う


そこはきっと

絢爛な積乱雲と

鮮やかな飛行機雲が靡いているだろう

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