諦めろというご先祖からのメッセージ
諦めろ。
諦めるんだ。それはまさに「不毛な戦い」というやつだ。
その地を如何に繁栄させるか、かつて皆が戦ってきたんだ。
君の父も、その父も、更にその先の、君が生まれる前に死んでしまったご先祖も。
不毛な硬い大地を如何に柔らかくするか、如何に栄養や水分を与え、それらを保たせるか。そこに根付き、勢いよく生い茂る畑を見たいがために長年研究し、戦い尽くしてきたのだ。
それでも、勝てなかった。
或いは別のアプローチもあった。
酷く生い茂る密林を開拓して藪を全て取り払い、見通しの良い平地にしようとした事もあったろう。しかし自然の力には勝てないのだ。
いくら取り除こうと雑草は生え、藪は生い茂り、醜い森のように視界を黒く埋め尽くすのだ。
諦めろ。
諦めるんだ。
護摩を焚こうが神に祈ろうが、怪しげな薬に頼ろうがそんなものは役に立たない。
いくら平たい大地を捏ね、盛り土を試してみたところで山など作れはしない。無駄な努力だ。覆いの布を取れば元通りだ。
逆に大きな山をいくら押さえつけたところで平地になるなんて聞いたことがない。
君の母も、祖母も、その先のご先祖達も通ってきた道なんだ。
これは、諦めろという先祖からのメッセージなんだ。
先人の知恵に従い、現実を受け入れろ。
ハゲと毛深さと胸の大きさは、ほぼ遺伝だ。諦めろ。
私が言うんだから間違いない。
※ただしお金で解決できる場合もあります。
カツラや植毛とか、永久脱毛とか、豊胸手術(逆に小さくする手術も)とか。
それらではなく、怪しい民間療法とかサプリメントなんかに頼ろうとするなら諦めろ、って話です。
※もちろん、この小説はフィクションですよ?
お読みくださりありがとうございました。
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