ゲーム時間4時間
ふと、疑問に思ったことがある。いったいラインベルグは何歳なのかなと…。
実はトリアキア戦争は、このゲームで約100年前のことであり少なくともこの男は、100歳+見た目の年齢であることは間違いないのだ。
「ねぇ、ラインベルグ貴方いったい何歳なの?」
すると、彼は首をかしげながら「なんさいですか?そうですね…少なくとも王がお帰りになるまでに時は失いましたから、年齢という概念はないですね。」
「えっと…。概念がないってどういった意味なの?」
そうですね、少し昔話をしましょうか。
そう言ってラインベルグは静かに語り始めた。
トリアキア戦争中
トリアキア戦争のさなかに、我が王は敵の罠にかかり床に伏せた。
王は戦えないとわかるや否や自ら人質になり国に不利になることを考えその命を絶ってしまった。
その時戦場にいたため俺は我が王の最後に間に合うことなくのちに、知らせで知ったのだ。そのときの悲しみは、裏切られた気持ちは、今の王とともに行動することに表れている…。
その時の俺は失意のどん底にいた。
しかし、ふとある日永久の魔女の噂を耳にした。
なんでも、願いを叶えてくれるらしい。俺は藁にもすがる想いでその魔女を訪ねた。
見た目は普通の民家だがいかんせん場所がおかしい、何故ならば山岳の霧立ち上る崖の上にその家は存在したのだった。
「ここなのか…。」
すると、扉がひとりでにラインベルグを家に招くかのように開いた。
ラインベルグは、警戒しながらも中へと足を踏み入れた。
「いらっしゃいどうぞ、席にかけてちょうだい」
魅惑的な声とともに一人の女が黒いローブを身にまとい姿を表した。
「貴方の望みはなにかしら?叶えるためにはそれと同じくらいの代償が必要だけどそれでも、貴方はその望みを叶えたい?」
ラインベルグは顔を下に向けながらも、その瞳には確かな焔が灯っていることが魔女にはわかった。
「さぁ!貴方が望むことを教えてちょうだい?」
「俺が望むのは…。」
「それで、いったい何を願ったのよ!ちょっとラインベルグ!」
「秘密です。たわいもないことです。我が王よ。」
そう言ってニコリと笑うラインベルグに私はこれ以上何も聞けなくなってしまったのだった。
「俺が望むのは…。王の魂が再び俺のもとに転生することです。できれば女の身で再び俺のもとに戻ってきて欲しいです…。」
ラインベルグの声は後半ゴニョゴニョと小さくなったが魔女には全て聞こえていた。
「わかったわ。ただし、転生させるには早くて100年以上かかるわよ?貴方はどうするの?死んだら転生させるのを合わせるのは苦労するのだけど…。そうだわ!貴方の時を代償として貰えばいいじゃない!」
名案だわ!と永久の魔女は笑みを浮かべた。
「とき?いったいどういうことなんだ?」
ラインベルグは、代償の内容がわからず首をかしげる。
「あら、そのままの意味よ。貴方はこの時限から外れるの。簡単に言えば不老かしら?まぁ、半不死ね。貴方の王様が転生するまで生きてもらうわ。それで、望みを叶えてあげるわ。」
どう?そう言った魔女の問いかけにラインベルグは一言
「頼む」
と、決意を込めて魔女に返事を返した。
「契約成立ね。」
魔女は、ニコリと笑うと死にたくなったらまた来なさい。と言い残し建物ごとラインベルグの前から姿を消した。
ラインベルグの、座っていた椅子は切り株になっていた。
ラインベルグは、あと100年と自分の王を思い城に戻るため足を進めたのだった。
「あら?またお客さま?いらっしゃい、貴方はどんな望みを叶えてもらいたいのかしら?」
「俺の望みは…。」
最後まで読んでいただきありがとうございました。