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ヒトを勝手に参謀にするんじゃない、この覇王。~ゲーム世界に放り込まれたオタクの苦労~  作者: 港瀬つかさ
10章 皇妹と学園都市とジョーカー

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相変わらずののろのろ更新すみません。

マイペースにですが頑張ります。

そして、覇王様の妹姫のご登場であります!

ミューちゃんはちょっと緊張している!←




 アーダルベルトに妹がいると聞いた数日後である本日。アーダルベルトの妹、つまりはガエリア帝国皇帝の妹である皇妹殿下が、王城にやってくることになった。

 あ、何か日本語変だな。王城に皇帝の妹がいても別におかしくねぇわ。学園都市に留学中で、普段は離宮に里帰りするから、彼女のポジションが向こう側なだけで。いやうん、とりあえず、ワタシは、今、めっちゃ、緊張している!どうしようかとドキドキしているのだ!


「お前、何をさっきから部屋の中をうろうろしているんだ」

「緊張を解すために動いてるの!」

「だから、何をそんなに緊張している。新年会のとき並だぞ」

「だって、皇女様に会うんだよ?!」


 ワタシの緊張を全然察してくれない覇王様に向かって叫んだ。こちとら、自意識は一般市民のままなんですよね!何か色々周囲が豪華になってたり、国宝級の魔道具持たされたりしてますけど、ワタシの感覚は一般人なんですよ!そのワタシが、お姫様に会うのに緊張しないとでも思っているのか?!

 そんな想いを込めたワタシの叫びに対して、アーダルベルトは。


「……で?」


 物凄く(ものっそ)どうでも良さそうな顔をした。……え?何かひどくね、相棒?


「いや、むしろお前がどうしたレベルだ、ミュー」

「何でさ」

「……一つ確認しておくが、俺は何だ?」

「……?ガエリア帝国皇帝。通称覇王」

「そうだ。で、今から来るのは確かに我が国の皇妹で、歴とした皇女でもある。……が、お前、俺相手にそれで、何故妹相手に緊張する」

「そこはそれ、これはこれ!」

「ヲイ」


 きっぱりはっきり言い切ったら、脊髄反射レベルでツッコミを入れられた。いや、話を聞けよ、相棒。確かにアンタは皇帝陛下だし、覇王様だって解ってるよ?偉い人だよね?うん、大丈夫。そこは解ってる。

 でもな、理解して欲しい。アンタはワタシにとって親友なのだ。もっと言えば、悪友であり相棒なのだ。そいつ相手に緊張などするわけがない。ついでに、皇族らしくないというか、同じノリで会話してるせいで、緊張とか無縁ですよ。むしろお前はお前だ。

 だがしかし、妹氏は別だ。彼女は本物のお姫様なのだ。初対面のお姫様に緊張するなという方が無理!


「ミュー様」

「何、ライナーさん?」

「普通は、皇妹殿下と皇帝陛下でしたら、陛下相手に緊張するものだと思われます」

「今更アディ相手に緊張とかするわけないじゃん。アディなのに」

「……存じております」


 素直に答えたら、ライナーさんがため息をつきながら明後日の方向を見た。え?何かひどくない?いやだって、ワタシにとってのアーダルベルトってそんなもんですよ。ただの悪友ですもん。何でこいつ相手に緊張せにゃならんのだ。

 だからエーレンフリート、ワタシに向けて殺気を飛ばすんじゃない。またアーダルベルトに怒られるぞ、お前。……あ、目線だけで諫められて、凹んでる。耳も尻尾もぺたんってなってる。お約束だなぁ、こいつ。知ってたけど。

 そんな風にいつものやりとりをしていたら、ドアをノックする音が聞こえた。視線を向ければ、アーダルベルトが誰何(すいか)する。それに答えるのは、ドアの向こう側にいる近衛兵さんだった。


「どうした」

「皇妹殿下方がお越しになられました」

「通せ」

「はっ」


 ……え?何で側に近衛兵が二人もいるのに、まだ外に近衛兵いるのかって?いわゆる門番みたいな感じの存在ですね。人が訪ねてきたら取り次ぎしてくれる感じ。……あ、はい。いつもはいらっしゃらないです。基本的に執務室前にそういう人はいないですね。ワタシがノックと同時にドアを開ける感じで。

 今日いらっしゃるのは、妹氏がお越しになるからであります。何かこう、それなりにちゃんとした体裁は整えておく方が良いという、宰相のユリウスさんの配慮です。……普段そういうの全然存在しない事実を考えると、何かこう、お客様来るから部屋の掃除するのと同じような気配を感じますが、お口チャックしました。王城のオトンに逆らうような阿呆なマネは、しません!


「お久しぶりでございます、陛下。本日はお招きいただきありがとうございます」

「久しいな、エレオノーラ。息災だったか?」

「はい。陛下のお陰をもちまして」


 入ってきて早々に堅苦しいご挨拶をしてくれたのは、アーダルベルトと良く似た色の真っ赤な髪をハーフアップにした美少女だ。ほっそりとして華奢に見えるのに、シンプルな膝下丈のドレスに包まれた身体は均整が取れていながら女性美に満ちていた。淡い緑の瞳に浮かぶのは紛れもない敬愛だ。

 エレオノーラ、とアーダルベルトは彼女を呼んだ。アーダルベルトの異母妹。御年18歳になるという彼女は、先帝の第四子である第二皇女様だ。……うわぁあああ、本物の皇女様だ……!めっちゃ美少女!やっべぇ、優雅で優美な美少女で皇女様とか、ワタシの緊張がマックス!

 相変わらず顔には出てないだろうし、彼女が入ってくる前にワタシはアーダルベルトの執務机の正面にある応接ソファに大人しく座っている。行儀良く皇女様を出迎えるために待っているのだ。そして、向こうから声をかけていただくまで、ワタシは何も言わないと決めた。紹介されたりするまでは、ワタシは置物!

 ……それにしても、凄い美少女だなぁ。獅子なのかどうかは解らないけれど、猫科を示すように耳が尖っているのが可愛いです。目の保養であります。勿論、常日頃からウサギ獣人(ベスティ)である侍女のユリアーネちゃんで目の保養はしております。しかし、彼女はどちらかというと愛らしい系。愛でたくなるような柔らかな容貌が印象的。

 それに対してエレオノーラ皇妹殿下は、流石皇女様と言うべきか、気品がある。皇族オーラがめっちゃ出てる。顔立ちはそこまで怜悧じゃないのに、凜とした雰囲気には下々が触れてはならないような毅然とした美しさが存在している。……アレ?おかしいな。覇王様、お前と妹氏、あんまり似てない気がする。


「それで、陛下。本日私をお呼びになられた理由は……」

「ミューに学園都市の話をしてやれ。調べ物をしたいらしい」

「承知いたしました。……ミュー様、お初にお目にかかります。ガエリア帝国先帝ベルンハルトが第四子にして、皇妹のエレオノーラと申します」

「ご丁寧にありがとうございます。ミューと申します」


 皇族としての気品を損なわないままに柔らかに微笑んでくれる皇女様に、ワタシはとりあえず表情筋を総動員して平静を装って、ご挨拶をした。いやいやいや、緊張マックスやっばい!何でお前はそんな「後は勝手にやってろ」モードなんですか、覇王様!ひどいよ!ワタシに対して相変わらず鬼過ぎるぞ、アーダルベルト!

 ワタシに!このワタシに!どうやって皇女様と会話をしろと言うんだ!


「ミュー様は私に何かお話があるとのことですが、どのような内容かお伺いしても宜しいでしょうか?」

「えー、聞きたいことと言いますか、知りたいことがあるので、それを知っているかもしれない方々にお会いしたいと言いますか……」

「……?」


 不思議そうな顔をするエレオノーラ嬢。うん、申し訳ありません。ワタシも自分で言っていて、要領を得ないというのは解っている。解っているけれど、他に説明の方法が無いのですけど!だって、ワタシ、特定の学者さんとかの情報無いし!!!

 っていうか、どう考えてもこういうのは間にお前が入るべきだろ!何でお前はそんな、ワタシを見捨てて暢気にお茶飲んでんだよ!殴るぞ、アーダルベルト!


「何だ、ミュー。話があるのはお前だろう?さっさと本題に入れ」

「お前ワタシに何か怨みでもあんの!?皇女様相手にお話しするとか緊張するって言っといたよね!」

「……エレオノーラ、普通に話してやれ。儀礼だのなんだのはこいつには無用だ」

「……よろしいのですか?」

「構わん。そもそもここにいるのは身内だけだ」

「……?」


 アーダルベルトが面倒そうにエレオノーラ殿下に話をしている。ワタシはちんぷんかんぷんだ。助けを求めるように視線を向けたら、ライナーさんがにっこり微笑んでいた。何かこう、普段のワタシを見ているときのような、色々諦めた感じのにっこりだった。……え?どういうこと?


「では、堅苦しいのはここまでにさせていただきますわ。改めましてミュー様、私、エレオノーラです。お会いできて光栄ですわ!私が何かお役に立てるのならば、是非とも教えてくださいませ!」

「……え、えー……???」

「アーダルベルト兄様ったら、ひどいのですわ。私がミュー様にお会いしたいと言っても、ちっとも時間を取ってくださいませんでしたのよ!」

「……は?」


 え?何このお姫様。めっちゃぐいぐい来るんだけど。というか、何でワタシに対して好感度マックス状態なの?誰か説明プリーズ!!意味が解らないんですけど!


「そういえば、ミュー様の護衛はライナー殿なのですわよね?」

「え、はい。ライナーさんです」

「……アーダルベルト兄様、ライナー殿は兄様のお側に仕えるべきではありませんの?」

「いきなり何の話だ、エレオノーラ」

「だって、女性であるミュー様の護衛は、男性のライナー殿よりも女性騎士の方がよろしいと思いますもの!」

「「…………」」


 思いっきり宣言されて、その場に沈黙が満ちた。あぁ、そういう考え方あるんだ、とワタシは思った。ワタシとしては、ライナーさんが隣にいてくれるのは親戚とか近所の兄ちゃんがいてくれる感じでとても安心するのだけれど。お姫様抱っこで運ばれていようが、誰にも何も言われない程度には、周囲の認識は兄妹か親子だろうけど。

 だがしかし、ワタシの側で護衛してくれる女性騎士?そんな人いるん?って目線で問いかけたら、速攻明後日の方を向かれました。ヲイ、覇王様。お前その反応何やねん。確かにそうだろうなと思ったけど、そういう反応止めろよ!


「エレオノーラ、これの側に置ける女性騎士などおらん。そもそも、近衛兵でもライナーかエレンぐらいしか無理だ」

「アディ!」

「兄様、ですけれど……!」

「そもそも、何故お前がそんなことを気にするんだ。ライナーがミューの側にいたところで、何も問題は無い」

「……それは、そうですけれど……ッ」


 ぎゅっと悲しげに眉を寄せるエレオノーラ嬢。確かに、何でそんな必死になるのかと、ワタシも思う。ワタシの側にライナーさんがいるのは、もう普通みたいな感じで皆に思われてる。それを今更、どうしてそんなに拘るのかが、解らない。

 切なげな顔で、エレオノーラ皇妹殿下は、ライナーさんを見て、アーダルベルトを見て、そして、エーレンフリートを見た。名残惜しそうというか、どうしても納得出来ないと言いたげな雰囲気だ。彼女のそんな態度の意味が解らずに、男性陣は首を捻っている。

 けれど、ワタシは。




 ……何故だろう。物凄く(ものっそ)同類の気配がするんですけど。何故そこで、エーレンフリートまで見たのかを、是非とも教えて貰いたい、お姫様。





オチについては気にしないで欲しい。

妹姫がマトモだとか普通だとか、言った覚えはない←

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こんなんも書いています。書籍化もしてます。よろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
[良い点] キマシ……なんだ、同類か_:(´ཀ`」 ∠):フフフ
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