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クレイジー桃太郎

 むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがおりました。


 おじいさんは山へ芝刈り……えっ、柴刈り?

 こまけえこたあいいんだよ! どうせダイナミックに刈り取るんだからな!

 ギュゥイィィィーン! グランド(grandfatherだけに)スラッシュ!

 山はヌードになった!


 一方、おばあさんは川へ選択……えっ、洗濯?

 どっちでも同じさ! どうせ腐ったピーチはゴミ箱行きなんだからな!

 ブッッシュウゥゥゥ! グランド(grandmotherだけに)スプラッシュ!

 川は跡形もなくなった!


 おばあさんは大きな桃を手に入れ気分爽快。まるで高純度のドラッグを手に入れたマフィアのよう。

「最高だわ! このツヤと大きさなら10億円で売れるんじゃないかしら! 取引が楽しみで仕方ないわ!」

 軽やかな足取りで自宅へと向かいます。


 家に帰ったおじいさんとおばあさん。

「おいばあさん! どうしたんだそんなデカいケツして! ハチにでも刺されちまったか?」

「馬鹿言ってんじゃないよ。桃だよ。こいつを売って金にするんだ」

「そいつは上出来じゃ! 早速あいつらの元へ急ぐぞ!」


 二人は村の外れにある空き家へ。

 中に入ると、そこには巨大な体躯の鬼たちが既にいました。

「待ちくたびれたぜ。一体何を持ってきてくれたんだ?」

おそらくはボスであろう、最も背の高い鬼が威圧的に問いかけます。

「も、桃じゃ。ほら大きいでしょう。わしの目測ではざっと10億は下りませんよ」

「あたしが見つけた一級品ですよ」

 必死に宣伝するおじいさんとおばあさん。

 もし鬼に気に入ってもらえなければ、村が略奪されてしまうのです。

 それを防ぐために、いままで様々な貢物をして平穏を保っていたのでした。


「おい、こいつらを始末しろ」ボスは命じます。

「ななななな、なぜ?! わしらのプレゼントの何がいけなかったと……」

 震えながらもおじいさんは鬼に質問します。

「俺がほしいのは金と女だ。こんなババアのケツみたいな桃じゃねーんだよ!」

「あ、あたしはまだ若い……」

「うるせえ! 死ね!」

 ズドドドドドドドドドドドズドドドドズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドズズズドドドドド(マシンガンの音)


「ちっ、とんだ時間の無駄だった。おい、行くぞ!」

 リーダーは部下を引き連れて撤収します。あとには大きな桃と二人の死体。

 静寂が支配する中、ここで桃に変化が! 鳥の卵のように、ひび割れをおこしているのです!


 そして桃太郎が生まれました。

 幸いにも銃声を聞きつけた近隣の住民によって、彼は一命をとりとめ、そのまま育てられることとなったのです。


 桃太郎の中には一つの思いがありました。

 俺の両親を殺した鬼。やつらを地獄へ送ってやる。そのためならどんな苦労だってしてやる! 俺はやるぞ!


 19歳になりました。桃太郎はそろそろティーンエイジャーを卒業します。

 鬼ヶ島へ向かうため、桃太郎は育ての両親に別れを告げます。

「ママ、これから鬼ヶ島に行ってくるよ。過酷な戦いになる。もしかしたら帰ってこれない可能性だってある。でもこれは子供の頃からの夢だったんだ。止めないで欲しい」

「止めるわけないじゃない。世の中に息子の手助けをしない母親はいないわ。愛してる、桃太郎」

 二人は熱い抱擁を交わします。

「桃太郎。パパもお前の旅を応援してるよ。男には冒険が必要なんだ。今がその時だ」

「ありがとう、パパ」

「これは餞別だ。受け取りなさい。きっと役に立つ」

 桃太郎はきびだんごを受け取りました。

 OK! Let’s Go!


 家を出てしばらくすると、桃太郎は犬に出会いました。

「おい、そこの犬。鬼をぶっ殺すから俺と来い」

「いやだよ! おいらは争いが嫌いなんだ!」

「うっせえ! クソみてーな平和主義はハリウッド映画の中だけでやれ! ここはリアルの世界なんだよバカチン!」

 こうして、犬は強引に仲間にされました。


 次に遭遇したのは猿です。

「鬼をぶちのめしたい。協力しろ」

「ウッキー! バナナくれ!」

「鬼が略奪しまくってるこのご時世にバナナなんて高級品があるかボケ!」

 ボカッ! 桃太郎渾身の右ストレートが決まったーッ!

「……お供させてください」顔を腫らしながら懇願する猿。

 残るはキジのみです。


「ケーン! あたしは空が飛べるのよ! あんたみたいな暴力男の命令なんて聞くつもりないんだから!」

 キジは空を飛べるだけあって自信満々。桃太郎を挑発しまくります。

「随分と威勢のいいアマだな」

「あら? だってそうでしょ? あたしは飛べる。あんたは飛べない。どうあがいてもあんたの勝ち目はゼロよ!」

「調子に乗ってんじゃねえ! 俺はワイルドなんだよ! 跳躍なめんな!」

「な……たかが人間の分際で20mものジャンプをするだなんて!」

 ドカバキボゴメグシャ! キジはボコされました。

「……これで準備は整った。あとは鬼ヶ島へ向かうのみだ」


 鬼ヶ島に足を踏み入れる一行。

「グヘヘヘヘ! 人間だ!」

「美味そうな肉が来たぞ!」

「いたぶってやる!」

 鬼たちは興奮しまくりです。

「犬、猿、キジ。あいつらを叩きのめせ」

「ちょっ?! 本気ですか桃太郎さん!」

「あんなデカい相手と戦ったらミンチだウッキー!」

「イ、イヤよ! あたしのお肌が台無しになっちゃう!」

「ごちゃごちゃうるせーぞ! 俺は桃太郎だぞ! 俺の命令が聞けないならこうだ!」

 なんと、桃太郎はお供に爆弾を仕掛けてしまいました!

「あばよ」

 チュドーン! チュドーン! チュドーン!


「……来たか」

「ボス、残るはお前一人だ」

「俺様にどうしろと?」

「俺の人生を台無しにした罪を償え! 核ミサイル!」

ずごごごごごごごっごおごごごごごごごっごごごごおごごごごごおごごごごおごごごごごごごおっごおごごごごごおごごごおごごごおごごごごごおごごごごおごごごごごおごごごごおごごごごごおごごごごごおごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごおごごごご!


 THE END


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・良かった点

「(grandfatherだけに)」が笑えた

「山はヌードになった」が笑えた

「鬼が略奪しまくってるこのご時世にバナナなんて高級品があるかボケ!」が笑えた


・改善点

お供を仲間にするシーンがもっと面白くしてほしい

後半がしょんぼり

キジは口説くべき。殴る×3だとマンネリ

文頭は一文字開ける

きびだんご使ってない。出てきたものは使う

最初からハイテンションはキツい

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