第六章 騎士ゲオルギウスと名前を斬る武器
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自分で言うのもなんですが、そこまでランキングで来れているのでそれなりに面白いと思います。
なので少しでも興味がある方は読んでブックマークや評価をしてだけないでしょうか。
どうか宜しくお願い致します。
俺が記憶を見ている主の名前は記憶を見ている中で判明した。
ただその名はアステルというものでオズワルトともナキリとも今のところ関わりのなさそうなものでしかなかった。
そのアステルの次の記憶が流れてくる。
「さっすがこの国を代表する聖騎士ゲオルギウス様だな。あの巨大なドラゴンの首を一刀両断出来る奴なんて世界でもそうはいないぜ、きっと」
「そんなことはないさ。世界は広いんだし俺よりも強い奴はそれなりにいるだろ」
「おっと、それなりってところに自信が感じられるな」
「うるせえな。いいだろうが、少しくらい自信があったって」
アステルとゲオルギウスがどこかの酒場で杯を組み交わしている。
「ははは、違わねえ。それじゃあ竜殺しとなった我が親友にしてこの国最強の騎士であるゲオルギウス様に改めて乾杯!」
「何度目だよ、まあ、ありがとよ」
「だけど忘れるなよ。お前の活躍は世界一の鍛冶師である俺の武器や防具のおかげでもあるんだかなら」
「おいおい、人の言葉尻をとって自信あるとか言っておいてお前は世界一を豪語するのかよ」
アステルはその言葉に自信満々で頷いているのが視界の動きで分かる。
「当たり前だ。俺の腕は世界一だし妻は世界で一番賢い女だからな。そこは譲れん」
「言ってろ、賢さでは負けても俺の妻の方が最高なのは譲らないからな」
「あん?」
「んだよ、やるか?」
睨んでくるゲオルギウスから目を離さないアステル。
だがこのやり取りは慣れた者なのかすぐに二人は吹きだすように笑い出した。
「しっかしアステルよ。お前の愛妻家ぶりも板に付いてきたな。昔は結婚なんて考えられない。女に現を抜かす奴は半端者とか頑固な職人みたいなこと言ってたくせに」
「覚えてねえな、そんな昔の話は」
「おいおいほんの数年前の話だろうが。ったく、都合の悪いことはいつもそうやってすぐに忘れるんだからよ」
その後も二人は他愛のない話を肴に酒を飲んでいく。
だがしばらくすると二人の雰囲気は暗くなっていた。
「なあ、ドラゴンが人里近くに現れるなんて普通のことじゃないよな?」
「ああ、そうだな。騎士団でもそんな記録は百年以上前に遡らなければ確認されなかった。しかもその時は名前持ちと呼ばれる強大な魔物が現れて猛威を振るったらしい」
「名前を持つ特別な魔物か……一体奴らは何者なんだ? そもそもどうして名前を得ると魔物は凶暴化して力が増すんだ?」
「戦うしか能のない俺に聞くなよ。そういう難しいことを考えるのは学者とか頭のいい奴らの仕事だ。俺達は自分にできることをするしかないさ」
「お前が戦いなら俺は鍛冶ってか。分かってるよ、例え名前持ちなんて強大な魔物が現れようともぶち殺せる逸品を作ってやる」
アステルの言葉は明らかに強がりだったがゲオルギウスはそれに気付いた上で乗って来た。
「お、流石は世界一の鍛冶師だな。何か考えはあるのか?」
「全くねえ!」
「だと思ったよ!」
「「ガハハハハ!」」
ゲラゲラ笑い合う二人。だがアステルは頭の中で考え続けていた。
(名前を持つ仕組みとその強化する原理さえ分かれば、それを断つことで弱体化させる武器が作れるか? でもその為には名前持ちの魔物を調べでもしなければ分かりっこねえ)
どういう原理なのかを知るためには実際に見て確かめなければならない。
それでも分かるかどうかは不明だが、何も見ないで分かることなどないだろう。
だが自分はあくまで鍛冶師であり戦う力など微々たるものでしかない。
名前持ちの魔物と戦おうものなら一瞬で殺されるだけだろう。
ゲオルギウスと別れた後もアステルは思考に耽っていた。
家では紙に浮かんだアイデアを書いては、使えないと判断した物は捨てていく。
そして新しく浮かんだものを書いて捨てることを繰り返して最後に残った紙に書かれていたのは、
「名前を斬る、ナキリの武器か」
今のアステルでは決して作ることのできない武器。その設計図とも言えないような粗削りなアイデアがそこには記されていた。




