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スライム転生物語  作者: 黒頭白尾@書籍化作業中
第一部 転生編
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プロローグ2 ニューゲーム

 目を開けると空が見えた。雲一つない晴天だ。

 

 起きたばかりで働かない頭を必死に動かして考える。


(今、何時だ?)


 目覚ましの音は聞こえないから寝坊ではないはずだ。いや、目覚ましは壊れていたんだっけ。


(あれ、壊れてて寝坊してそれで……)


 一気に意識が覚醒した。そう、オレは死んだはずだ。階段から落ちて頭を打って。


(って、こうして意識があるってことは死んでないのか?)


 だとしたら恥ずかしすぎる。何をかっこつけて最後だからとか考えていたのだろうか。いや、最後の言葉は別にかっこつけてはいないか。むしろこれ以上ないくらいにかっこ悪い言葉だったし。


 まあ、何にせよ生きているなら構わない。オレだって別に死にたいわけじゃないのだ。全然死にたくないし、生きていたい。やりたいことだって山ほどある。


 ただ会社に何と言えばいいのか。病欠を認めてくれるだろうか微妙なところである。あれだけ盛大に頭を打ったし相当な怪我だろうからぎりぎり大丈夫、と信じたい。


 そんなことを考えていて様子がおかしいことに気づいた。そう今、オレの視界には雲一つない青空が映っている。という事は今いる場所は少なくとも屋外だ。


 血を流していたし、階段から落ちて意識を失ったのだ。普通救急車に運ばれて病院に行くだろう。空が見える病室なんて画期的なものは聞いたこともないし、あるわけない。それに予報ではこれからしばらく雨のはずだ。こんな晴れているのもおかしい。


 長い間眠っていたとすればわかるが、だとすればここはどこだろうか。屋外で何日も怪我人を寝かせるわけがない。


 周囲を見渡してみると何もなかった。いや建物が、だ。木や草は生えているもののそれだけで他に何もないし誰もいない。気配すら感じられないのだ。


(それに、なんか体が重いな。動かしづらいし、足の感触がない)


 そう思って起き上がって自分の体を見たがそこに足はなかった。存在しないのだから感触がないのも当然だ。なんて単純な結論だろうか。


「そっかそっか。足がないのか。あははははは……はあ!?」


 ちょっと待て。足がない? オレは階段から落ちて頭を強く打ったはず。何で足がなくなるんだ。


 壊死していて切るしかなかった? 頭を打ってそんなことになるか!


 わけがわからない。混乱を極めて後ずさったオレはポチャンと水が落ちる音を聞く。振り返ると、そこには湖らしきものがあった。何でそんなものがあるのか疑問に思わないでもなかったがそんなこと後回しだ。とにかく自分の体を確認しなければ。


 どういう訳か、足が無くても動く体を動かして湖の側まで何とか辿り着く。それにしても動かしにくい体だ。


 とにかく現状確認と、湖を覗き込んでオレは絶句した。せざるを得なかった。


 なぜなら、そこに映っていたのは。


「な、なんだよ、これ!」


 プルプルと体がゼリーのように揺れる球体状の何かだった。

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