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魔法少女と「同棲」

 あの日から何か月後


 窓からの日光の日差しに、俺は起こされた。周りは最近馴染んだベットと馴染んだ天井と馴染んだ部屋で、暑くないのに、体が温かい気分になる。


 ベットの隣に髪を下した深海のような紺髪の清水来瞳(くるみ)、俺を助けてくれた「恩人」、それとも、「主様」がいた。そうだ、組織に俺の生存をバレられないように、今大人しく、彼女の「助手」として、隠れている。その上、この子は俺を抱きしめながら、寝ている。


 彼女の抱擁から解き放そうとした瞬間、目覚まし時計が鳴った。


 「ううう、おはよう、(ひとみ)

 彼女は俺の今の名前を呼んで、目を擦り、俺を手放した。


 「おはよう。来瞳(くるみ)


 彼女と俺は、ベットから降りて、カバーを一緒に整える。そう、これはダブルベッドで、カバーのサイズもダブルサイズで、一緒にする方が効率であった。


 整えた後、一緒にトイレの洗面所の前に並んで、歯磨きをする。歯ブラシスタンドから、まず来瞳(くるみ)の歯ブラシを彼女に渡して、そして、歯磨き粉をつけてあげた。


 「ありがとう」


 「いえいえ」

 来瞳(くるみ)は歯磨きをし始め、自分も同じスタンドから取った歯ブラシで、歯磨きをする。


 歯磨きをした後、来瞳(くるみ)はベットのところに戻って、押入れを開けて、服を何着取り出して、ベッドに置く。


 「はい、これは今日の(ひとみ)の服」


 俺の服が持たされている間に、俺も壁に掛けておいた来瞳(くるみ)の白いセーラー制服を取った。ついでに、ベッドにある俺の服を見ると、今日の服は可愛いらしいリボン付きのシャツとミニスカートである。


 「またミニスカートか......その涼しい感じがあまり慣れないけど」

 

 「ほら、文句を言わないで、せっかく可愛くなったから、可愛い服を着ないと勿体ないでしょう。それに、私もう着ないから、ずっと押入れに放っておくのも勿体ないでしょう」


 あまり、反論できない俺は彼女とお互いパジャマを脱いで、各々の服を着用する。

 来瞳(くるみ)と一緒に住んでいる間に、この新しい体に馴染むために、女性服の着替え、髪の手入れ、トイレなどのことを厳しい訓練を受けていた。そのおかげで、スカートや女性用のものをうまく着用できるようになった。最後に、スカートのファスナーを引き、着衣完了。


 「(ひとみ)ヘアピンのことを忘れないで」

 制服姿の来瞳(くるみ)はアップの髪を結びながら 、俺に最近使い始めたヘアピンを渡した。教えた通り、ちゃんと付けた。自分の髪を触って、髪がもう肩まで伸びたと感じられる。姿見で髪についたヘアピンを確認し、映っている全く別人のような人が自分だと再び自覚した。


 整えた後、台所に行って、朝ご飯を作る。 エプロン姿の来瞳(くるみ)がストーブの前でフライパンを熱している間に、俺は冷蔵庫の中から、卵を取る。


 「そうだ、冷蔵庫の卵は使い切ったよね」

俺が 来瞳(くるみ)に二つの卵を渡した時、 来瞳(くるみ)は急に聞いてくれた。


 「いえ、昨日来瞳(くるみ)が学校にいる間に、スーパーで買ったよ」


 「そうか。いつも、買い物を手伝ってくれてありがとうね、(ひとみ)

 来瞳(くるみ)は俺の頭を撫で始めた。


 「いえいえ、助手としての役目の一つだから」

 正直、今の安定的な生活が彼女のおかげなので、できる限り役に立ちたいんだ。それに、彼女に触れる度に心地よく感じられる。ていうか、女子同士の間にこんなにスキンシップが多くてちょっと意外だったが、嫌いじゃない。むしろ、お互いの艶々さの感触だけで、癖になる。


 朝ご飯が出来上がって、食卓に向かった。 俺は早速食べようとするか、 来瞳(くるみ)に止められた。


 「ほら、食事の前に、ちゃんと挨拶して」


 「ご、ごめん、ド忘れちゃった。いただきます」

 厳しい訓練を受けたとはいえ、孤独で生み出した癖が時々戻る。


 「ほら、ゆっくりして、デートだったら、あっという間に終わっちゃう」


 「デートはしないよ。来瞳(くるみ)の友達に一緒に見られたら、色んなことを問われて、正体がバレるかもしれないから、外にいる時、別行動しないとダメでしょう」


 「バカ」

 来瞳(くるみ)はすこし失望そうな顔して、食事をし始めた。確かに、一緒に外で食事をできないが、残念そうだけど、部屋で一緒にできるから、そんなにがっがりするのが必要ないじゃない。

 まあ、時々来瞳(くるみ)はそんなふうに反応するね。

 トントン


 「来瞳(くるみ)まだいるの」


 「あ、はい、ちょっと待ってね、隠れて」


 来瞳(くるみ)はドアに返事した後、俺に囁いた。


 いつも通り、部屋の奥に隠れ、そこからリビングにある姿見を通して、玄関の様子を覗く。俺が奥に向かった後、来瞳(くるみ)は玄関に着いて、ドアを開けた。


 この寮に住み始めたから、来瞳(くるみ)以外の寮の人と直接話したことがない。

 「風香ちゃん、おはよう」


 風香さん、美月風香(みつきふうか)さんは、学校の風紀委員の人で、寮でも皆の世話をする。頭がおだんごで、耳が見え、運動神経的な感じをする。風紀委員が真面目そうな印象を与えるが、風香さんは真面目より、明るい感を感じる。


 「おはよう、来瞳(くるみ)。今日は寮の設備のメインテナンスの日なので、機械部の子たちがくる前に、寮を出ないといけないと伝えたいだけ。そう言えば、来瞳(くるみ)って行くとこがあるの」


 メインテナンス、それは寮の機械を更新や修理をすること。その機械部は学校の機械に詳しい部活に過ぎない。普段の学校だったら、メインテナンスのようなものは業者に任せるはずだが、この学校はちょっと違いなんだ。教えのこと以外、すべては学生が自分で管理する。機械部はその一つだ。他には、調理部が食堂の運営することがある。


 「今日は柔道部の練習に行くつもりなんだ」

 来瞳(くるみ)は柔道部のメンバーで、異変機械との戦闘をするもの。詳しく知らないが、話によると柔道部や射撃部などの部活は魔法少女の戦闘機関の傘下なんだって。


 「そうか、別の寮の友達の女子会に誘うつもりだったけど、休日の部活があるから仕方ないよね」


 「来なくてすまない。でも、誘ってくれてありがとう」


 「えっと、ちょっと確認したいが、メインテナンスのために、皆が寮を出たことを確かめないといけないので、来瞳(くるみ)は一人暮らしよね」


 「そうだよ」


 「でも、朝ご飯が二人前の分だよ」

 どうやら、風香さんは食卓に置いた食事に気づいた。


 「そ、それは、えっと、身内が今日寮に来て、一緒に食事するはずだったが、急に来られなくて、余っちゃった」


 「おう、そうなんだ。でも、家族だとしても、私に報告せずに、寮に入るのはダメだよ」


 「あ、はい、誤解を招いてすみません」


 「じゃあ、こっちは他の部屋もチェックするから、またね」


 「またね」


 来瞳(くるみ)はドアを軽々しく閉めて、俺は食卓に戻った。


 「えっと、いつもかばってくれてすまない」

 なんか、さっき危ないところだった。上手く誤魔化せなかったら、風香さんにバレて、悪の組織の身分も明かされるのもおかしくないでしょう。 


 「はいはい、冷めないうちに食べて。それにこれは今日のお遣い」

 来瞳(くるみ)は俺に金を渡した。


 「しばらく、寮に戻れないから、定番のネットカフェでくつろいで待って。戻れる時、私が連絡するから」



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