見よ、勇者は還る
新人でインターンの、天森 創といいます、宜しく御願いします! 。
へえ、インターン、ウチにねえ、時代かね。
どこ配? ってああ、櫻井くん。
ウェン担か、なるほどウェン担ね。
天森、無事部内面通しも終え、内規、各種定型、沙漠の水より易々吸収貪欲に体得し、まったく不自由なく分室に定着、早、翌週。
「おはよう諸君! 」
ビジュアルは初日のハジケから少し並みの(?)ボディコンにトーンダウン、紺野サブ、いつも通り定時に。
あれ、定時。
そして、連れ添い、もう一人。
こちらは質素な型通りの内勤事務服姿、に、不釣り合いな、大柄なグラサン。
「新人の、ささ、挨拶あいさつ」
「えー、御控えなさって! 」
前に出た《《新人》》さん、腰を落とした《《あのポーズ》》を取って。
「遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ! 不肖、相澤 洋子、恥ずかしながら帰って参りましたっ! 」
いや、かえってない、新人だから。
ようちゃんようちゃんようちゃん!! 。
そうちゃんそうちゃんそうちゃん!! 。
がっつりひしと抱擁二人。
ビデオに撮っておきます、うむ、許可する。
いい最終回だった。
後は若い二人に任せて。
お約束はともかく、着信、1。
件名:相澤 洋子の処遇について
本文:……
本名、不明。
失踪届、該当無し。
本人記憶、幼少、両親共に他界後、管財後見担当指定弁護士(実在、但し本件無関係)により養育支援、現在独居就学。
私事以外の活動履歴、本人記憶欠落。
当局にて身許引受け、保護観察継続。
本電、読了後即時廃棄。
以上、資正さんからの概要。
外で監視するより置いてしまえ、と。
そうですか。
えーと、じゃ、天森の隣ね。