インターン 1-2
午前中ざっくり館内訪問。
の、予定が。
何がどうしてこうなった、少なくとも俺の責任じゃない、ハズ、ぜったい。
「ハイウェン担、はい」
さすがエース庶務、鳴る間を与えず取った内線を、紺野サブ。
首を傾げざまこちらを見遣り。
「しゅうちゃん、お電話」
? 自分? 。
「はい櫻井です」
「お疲れ様です、大河内です」
なんだ、資正さんか。
「天森君は、既に出勤しましたね」
なんで知ってんの。
入館チェックすれば判るけど。
「はい、居ります」
「これから、挨拶回りですね」
「はい、その予定です」
「最初に、室長室までお連れ願えますか」
「あ、はい、判りました」
ふつーは最後か、省略か。
「こちらの都合で、申し訳ありませんが」
なんか、スケジュールか、それでも是非会っておきたいと。
「いえ、承知しました、では今直ぐに? 」
「はい、お待ちしています」
切れた。
天森を見る。
「聞いてた? 」
「ええと、はい」
自席でPCの初期設定をしていた天森、半腰で立ち上がる。
「じゃあそのままでいいから、ついて来て」
「あ、はい! 」
ポーチから素早くメモ帖とボールペンを取り出し、一礼。
「よろしくお願いします! 」
「では出発」
オープンフロア内だが、室長個室は唯一半透明に仕切られ、重厚りっぱな木製扉も取り付けられている。
インターホンも。
『ウェン担の櫻井です、新人の挨拶に伺いました』
『はいお待ちしてました、開いてますから入って』