威力偵察 1-3
出勤初日、さすがに、というか、その表情は固い。
「瀬戸、正臣です! えと……」
初対面というか、初交戦時の、荒み切った面影はもはや吹き払われたものの。
「今日からは同僚、というより」
委員長天森、ついと片手を差し出して。
「戦友、よね、改めてよろしくね、瀬戸クン」
「そやそや、ぜんぶ水に流してな、わろてわろて」
紺野サブも景気付け。
「あ、ああ、よろしくな、その」
「天森でも、創、でも? 」
「じゃあ、天森、さん」
ぎこちなく、握り返す。
「ま、色々あった事は認めとけ、その方が互いの為だ、そして、解消していけ」
突然声を発した上席、初対面の、凄絶とも評すべき美女の言葉に瀬戸くん、すくみあがりおずおずと。
「あの」
「ああ、私が対異界課対ウェン担チーフオフィサ、外局 綾香だ」
チーフオフィサ。
本来であれば課の下、係長というところだが、ウェン担の特殊性というかマターの広範さというか何というか、けっきょく、そういうまた不可思議な役職が。
「げつぼね」
「COでもなんでも、好きに呼べ」
ちらとこっち見て。
「綾香様、以外ならな」
うは。
「はい、ええと、では、COと」
「それでいい、紺野サブ、配属する、宜しく頼む」
「おっしゃまかせとき! 」
紺野サブ、冷房に慣れたか本日は初日同様、タンクトップにホットパンツの露出過剰コス、にこにこ片手で。
「サブリーの紺野 敏や、よろしゅうな、瀬戸ッチ」
「あ、はい、よろしくお願いします! 」
眼のやり場に困り上気した顔にきょときょとしながら、瀬戸くん。
「まあお姉さんに任せときいな、ほな、顔見せいっとこか」
「はい、あああ」
そのまま片手を引いて行ってしまう。
「……だいじょうぶ? 、アレで」
見送り、返した顔で洋子ちゃん、一言。