マジで?
ギャルゲーとかの女性キャラの衣装って何であんなに露出高くて生活に役に立たなそうなデザインなんでしょうかね?
気がついたら見たことも無い景色に囲まれてましたー。
実はそこは異世界でしたー。
あたしってばそこのオヒメサマなんだって、へー。
侍女さんらが着せ替えをしてくれてるよ、あの、もうちょっとていねいにー。
……で?
「まぁぁ! 流石姫様ですわ、なんとお美しい!!」
「ほんとうに! よくお似合いでいらっしゃいますわっ」
「今回の為に特別にドレスをあつらえた甲斐があったというもの」
「えぇえぇ、あの仕立て屋、贔屓に致しましょう」
「そうしましょう」
「それがいいわ」
……ドレス?
「ドレス?」
「ドレスでございます」
「最新の流行を取り入れました」
「このあたりの装飾は別注ですが、ドレスによく合いますわ」
「……ドレス」
「ドレスでございます」
「えぇ」
「間違いなく」
「いや…これ……」
戦士だよね?
特注ってこのものっそい丈夫そうな布地がですか?
ジーンズ五枚重ねよりも丈夫じゃね?
装飾って、この肩当やら篭手やら、胸当て脛当てやら
ギャルゲーの女戦士というよりはまんま、戦場の男戦士だよね?
フル装備だよね?
兜って、凄く視界が狭いんですけど
これ死角だらけじゃん?
あたし即殺されちゃうんじゃん?
ってゆうか、重くて動けない
関節部分が頑丈すぎて、膝をつくこともできない……
これでなにをどうしろと?
立ってればいいの?
オブジェしてろと??
「さぁさ、姫様の準備もできたことだしっ」
侍女頭が手をぱんぱんと華麗に鳴らすと
ドアが開け放たれ、しずしずと入ってきた、むきむきマッスルの屈強な……侍女
おぃぃぃいいいいいっ
こわっ、怖いんですけどぉぉぉおおおお!!!
なになになになになに?!
なにっ?!
マッスル侍女は、動くに動けないあたしを持ち上げると
他の侍女が持ってきた お一人様サイズの荷車にあたしを乗せて、そのままガラガラガラ…
どこ連れてくのぉぉぉおおおおおッ?!
「本日はお日柄もよく…」
見合いかよぉぉぉおおおお!!!
「素敵な鎧ですね…」
貴方も、凄い光沢の鎧ですね
オリハルコンですか? それともミスリル?
ひょっとしてコアなところでアダマンタイトとかダマスカス?
「いいえ、ピミョムニョンです」
なにそのゼリーを連想するような名前!!
相手も鎧であるところからして、最初はこの人もオヒメサマ?
とか思ったんだけど、見合いっぽい様子から、多分男であると推察する
だって声とかくぐもっててよく分からない!
体型もこの格好じゃあ全く分からない!!
勿論、兜で顔も全く分からない!!!
「それでは、参りましょうか」
え? どこへ??
身動き取れないあたしとは違い
彼(恐らく)は、あたしの乗る荷車の持ち手を侍女から受け取って
ガラガラガラガラ……
今度はどこ?!
パーンパカパンパンパンパンパーン!!
え?!
ファンファーレ?!
何事?!
「これより新王即位式及び婚姻の儀を執り行う!!」
はぁぁぁぁあああアアアアアっっ?!
こんいんってなに?!
コンイン?
コカイン??
コンインって婚姻?!
ちょ、逃げ、う、動けないんですけどぉぉぉおおおおお!!!
「それでは誓いの口付けを!」
おいまてこら、まだ入場して3分も経ってねぇよ!!
ちょ、ちかっ
近いぃぃぃいいいいいいいっ!!
ごいーん。
キスというか頭突きが交わされ
脳震盪で頭がくらくらしているうちに気がついたら式は滞りなく終わっていた
マジで?
新郎新婦が鎧なのは、このような式典の時に狙われやすいからだと思われます、多分
いや、よく分からない
気がついたらこんなことに……orz