第8話 早速
場面は変わり
「お〜坊主、久しぶりだな」
「いや10日前に電話しなかったっけ」
「いや、面と向かうのは久しぶりじゃないか?」
「まぁ〜そうか」
6月10日生まれ、カフェの店長のおやっさん。
つるっぱげで疲れた目をしているが喋るとゆったりした
声で子供のような人。かなりの芸術センスがあり
自分のカフェのデザインを自ら作った。
おやっさんは、俺と妹だけで二人だけで生活する時に
お金の面や料理などを本当に色々と幼少期時代に
お世話になった人だ。
「夕飯は、食べた?」
「食べてないね」
「じゃあ〜外にいるのもアレだし」
おやっさんに案内され階段を下り、ベル付きのドア
を開け『カラン コロン』と美しい音色に喫茶店の
雰囲気が一気にくる。おやっさんのカフェは、地下に
ありカフェの店内は昭和を感じるデザインいや芸術的な
デザインと言うべきなのか?これがSNS・テレビ
などで紹介され芸術鑑賞を趣味にしている人を中心に
人気になっている。
カフェのカウンターに座り
「じゃあ〜ちょっと待って作ってくるから」
「わかった。おやっさんトイレ借りるね〜」
トイレに入り、癖でスマホをいじる。
Xで巨乳女のツイートを見て、イイネを押し。
「エッチだな」
その後も巨乳が出るやいなやイイネを押す。
この繰り返しで、気づけば15分ぐらい経っていた。
「やべ、出ないと」
トイレから出たあとすでにカウンターに夕飯が置いて
あった。カフェなのでパン系・パスタ系・オムライスかと
察は思っていたが、出されたのは、ラーメンだった。
おやっさんが心配な表情をし。
「お前、大丈夫か、もう麺とか伸びちゃったよ」
「え、」
ラーメンを見るとスープが多少ありまぁまぁ伸びた麺。
「うわ〜まぁ食います」
多少のスープを一口。伸びた麺を啜り
食べながら喋り。
「うん、悪くないね」
もうラーメンは、噛むと麺の生ぬるい感じは、あったが
味噌の濃厚なコクと旨味がベストマッチしていて
濃厚な味があった。もしラーメンがあったかく、
麺が伸びてなければ、もっとうまかったかもしれない。
察は、少し後悔した。
美味しそうに食う姿におやっさんは察に困惑の表情を
浮かべながら。
「伸びてるラーメン。よく食えるな、お前」
「まぁ、もったいないからね。」
おやっさんは、呆れて
「そう。お前が食えるならいいけど」
その後、無我夢中に食い、完食し察の表情は、
満足した顔になりながら。
「ごちそうさま」
察の満足そうな顔におやっさんは。
「お〜よく食ったな。」
「うん、うまかった。で、おやっさん。俺が暮らす家は
どこにあるの?」
少しおやっさんが考え、『ハッ』とした表情になり
「あ、そうだったな。お前が面倒くさがって俺に擦り
つけたやつか?」
「言い方が悪いな」
察が行く大学が決まり一人暮らしする時、賃貸の
マンションを見つけようとしたが面倒くさくなって
しまったとき、おやっさんが代わりに
賃貸のマンションを見つけてくれた。
おやっさんに、有難みを込めて
両手を合わせ祈るように。
「でも、おやっさんが見つけてくれなかったら、
野宿になってたから、ありがとう!」
おやっさんは、笑い
「いいよ、いいよ、そゆうのいいから」
「で、僕が住む家の場所ってどこ?」
「えっとね、駅から5分歩いたらあるんだけど……
あ、LINEに道のり送るわ」
「ありがとう」
18時54分 新宿駅
「じゃあ、おやっさん」
「電車、間違えるなよ」
「は〜い」
18時57分 新宿駅から赤羽駅行き 列車出発
やはり地元と違い、通勤ラッシュのせいか人が
めっちゃいる、さすが東京。
19時13分 赤羽駅 到着
「確か、ひたすらまっすぐ行けばいいんだよね」
マンション到着
「8階か」
8階まで登り、810号室に入る。
「ただいま……いないけど」
察が借りた家は、1DKのマンションで家賃11万……
高いが遺産が死ぬほどあるからなんとかなる。
どうやら俺の荷物は、おやっさん・引越し業者の
人たちがやってくれた。真っ先にソファにダイブし
ソファに向かって叫び、ゴロゴロしながら
「はぁ……東京やっぱり人混みがすごかったな。
疲れたし、ちょっと寝るか」
数時間後 起床
「寝過ぎたなぁ」
ゴロゴロしながらポケットにしまっていた
スマホを取り出しYouTubeを見ようとした時
通知がなり見てみると察は、ソファから置き上がる。
『速報 UMA第一号、赤羽駅で出現。』
察は、家を飛び出し8階から飛び降り、無傷で着地し
赤羽駅を目指し走る。頭の中でぐるぐる、あの時の
ばあちゃんのことを思い出だしながら
ーー『あいつ』を殺す。
22時58分 赤羽駅 到着
そこにいたのは、しゃがんで何かを食べている
UMA第一号の姿が。
「おい、一号!」
察の声に反応し、振り返る一号だが、口には、
半分喰った後の女の子の首が。
その女の子の首からは、血がとろとろと滴り、
歩道に音を立てて落ちていた。咀嚼するたびに、
肉と骨が潰れる不快な音が夜の空気に響く。
察の心は、復讐の炎に侵され殺意が剥き出しになるほど
怒りを表し、一号に向かって走り一号の顔を殴る。
だが、効いていない様子。
「はあ?」
本気の殴りに、びくともしない。
一号は、ニヤリと笑い。口を開け察の左腕に噛み
つき、腕に激痛が走る。