第7話 加速
ばあちゃんが死んで1週間。
お年玉をくれた、おじさんの葬式には、行けなかった。
まだ仲のいい親戚に電話がありおじさんは、UMA1号
に殺されたと言われていたが本当は、ラブホで死んで
おり心臓がなくなっていた状態だったらしい。
ばあちゃんが亡くなり色々あった。
ばあちゃんの葬式は、俺と妹と父さんの友人の数人。
どうやら、ばあちゃんも親戚に嫌われていたらしい。
遺言書は、ばあちゃん家の玄関に置いてあり二つ。
俺と妹に向けた遺言書があった。
二十歳になるまで遺書は見るなと書いてあった。
俺たちは二十歳になるまで見ないことに。
警察にもお世話になったり本当に色々あった。
妹は、無事、高校受験に合格。
晴れて俺と同じ高校に進学した。
俺は、高三になり、そろそろ進路が決まる頃。
今日は、金曜日、お弁当作るのがめんどくさくなり
学食で済ますことに。
「カレーにするか」
後ろから肩を叩かれ振り返り、どうせ鯉だろうと
振り返ると。
「え……」
予想は合っていだが、それよりも髪が、前は
金髪・長髪だったが黒髪・ショートボブになっていた。
察は戸惑った表情になり、きっと何かあったに
違いないと冗談を挟む
「どうした?失恋しちゃった?」
「違うわ、そろそろ進路とかで髪の色とか
色々言われるの」
「あ〜」
納得した表情になり察は、
「耳が痛いな、進路の話は」
「耳がまた痛くなるけど進学するの?」
「まぁ、今のところは」
「鯉は?」
「私も進学だよ。学部は決めったの?」
「哲学、かな?」
「え?なんか意外だな、『人間とは』みたいなやつか」
「面白そうだから決めたけど、先生は、」
ーー大学なんて大半の人は、遊んでいるから学部は、
本当に適当でもいいよ
「そんなこと言われたら、なんか……ね〜」
「それ、私も言われた。なんかバカらしくなって
重く考える必要なくなるよね、でもこんなに進路に
悩むぐらいなら、夢って小学生の内に考えておけば
よかったよね」
真面目な顔で言う鯉にこちらも真面目に喋り出す。
「俺も考えたことあるけど、死んだ、ばあちゃんは」
『進路とか夢なんてどうなるかわからない、自分が
思いもしないような進路になるのが大半』って」
「なんか不思議な人だね。ってか、察の周りの人たち
なんか死にすぎじゃない?」
気まずい空気になり少し間を開け察は、聞かれたくない
事を言われたが明るい声で。
「そうなんだよ!親も死んでるし、ついに、ばあちゃんも
死んで俺と妹だけ」
「なんか呪われてるのかね?」
悪気のない一言だが察は、なんだか何とも言えない
変な気持ちになるが更に質問される。
「実感とかあるの?死んだ人がもういないのか〜
って思う瞬間?私、まだ周りで誰も死んでないから
気になって」
「いないのか〜は、ないけど、急に頭の中で考えちゃうね
親のこと。まぁ親が死んで10年ぐらい経つけど実感は、
沸かないね」
「実感ないんだ!なんかドラマだと恋人とかが死んで
めっちゃくっちぁ泣いてるから、泣くのかなと思った」
「まぁドラマの見過ぎだな。あ、」
思い出したかのように一言。
「急に話、変わるけど頼みがあるんだけど」
「お!頼み事なんて珍しいね!」
「お前が一番高校生活で話している気がするからな」
「で、頼みごとは?」
1年後
3月14日 14時52分 登滝家
「じゃあ、見支をお願いします」
鯉に言った頼みは、妹を登滝家に引き取らせること。
親切な人で心よく承諾してくれた。
妹を預けたのは、大学・一人暮らしを始めるのと
『あいつ』を『殺す』ことだ。
「迷惑かけるなよ」
「うん……兄ちゃん、いつ戻ってくるの?」
「あ〜俺が納得できるまでは、帰れないわ!」
「なんか、兄ちゃんらしいけど……」
「高校生活、楽しめよ。じゃあ、」
「いってらっしゃい、そっちも大学生活、楽しんで〜」
18時05分 新宿駅 到着
「はぁ〜着いたか」
Googleマップを見ながらある東南口を出て
ある場所を目指し数分。
カフェ 到着
待っていたのは
「お、坊主」
謎の熟年男性がいた。
察がカフェに到着した頃、警視庁では、
資料を見るスーツ姿・パーマを当てたセンターパートの
黒髪・中年のおっさん。
「『UMA事件』一個の事件を除けば『愛白 察』が
被害者にいる。これは、偶然なのか?」
ため息を吐き考えている時、電話の着信音がなり
電話に出る。
「あの、今どこですか?会議、始まっちゃいますよ」
「資料室だ、タバコ吸ったらいく」
「ダメですよ、警察はタバ……」
言い切る前に電話を切り、ため息を吐き
「『愛白 察』何かがありそうだな」
一方その頃、メモリリはパチンコ廃墟にいた。
くすんだ茶色のスーツを着て
メガネをかけているメモリリ。
満月を見ながら、グループLINEに音声を送信する。
「3月30日、0時に『べべム』を開始する」