表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様転生~うどんを食べてスローライフをしつつ、領地を豊かにしようとする話、の筈ですけれど~  作者: 於田縫紀
追記 ガシャールの挑戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/84

EX2 決闘の理由

 ガシャールとアルツァーヤの関係については、後ほどセキテツから離れた海岸でキンビーラに聞いた。


「あの2柱は人間で言えば夫婦のようなものだ。勿論神だから在り方は人と少し異なるが。一緒に住んでいる顕現もいるらしい」


 アルツァーヤは綺麗だし、てっきりキンビーラと何らかの関係にあるのではないかと思っていた。

 ガシャールとくっついていたとは知らなかった。

 ならキンビーラはフリーなのだろうか、というのはとりあえずは置いておいて……


「キンビーラには、アルツァーヤやガシャールの意図はわかりますでしょうか」


 キンビーラは首を横に振る。


「残念ながら私にもわからない。ただアルツァーヤがあの場で言ったことそのものには、嘘はなかっただろうと思う」


「あと、領地がなくなった神はどうなるのでしょうか」


 これについては、全知は答えてくれなかった。

 だからキンビーラに聞いてみる。


「ひとつは、神力を使用して別の世界に行くという方法。以前のケカハの土地神アナートがとったとされる方法だ。しかしどうすれば別の世界に行くことが出来るのか、私は知らない。

 もうひとつ。これは噂だが、神の地位を捨てて人間になるという方法があるらしい。ただこれも噂で聞いただけで、実際に出来るのか私は知らない。

 もしこれらの方法を取れないなら、蓄積した神力を少しずつ消費して、神力がなくなった時点で存在が消える。

 私の知っているのは、そのくらいだ」


 全知はやはり反応しない。

 だからキンビーラが言った事が正しいか、私にはわからない。


 ただもし人間になれるなら、ただの人間としてロシュやブルージュと一緒に暮らすというのは悪くない気がする。

 実際は二人とも、あと十年以内に結婚して家を出るとは思うけれど。


「わかりました。ありがとうございます」


 わからない、ということがわかった。

 つまり本人達に聞くしかないということだ。


 ◇◇◇


 翌日の昼食時、アルツァーヤ経由でガシャールと予定をすりあわせて、日程と場所が決定した。


 日時は5日後の正午。 

 場所はセキテツ領内、もし日本の四国なら霧の森という道の駅がありそうな辺りだ。

 

 この場所を選んだ理由は、ケカハからもトサハタからも近く、かつどちらでもない土地だからだそうだ。

 つまりどちらに対しても有利ということがない、公平な場所。

 そして住んでいる人が少ないことも、理由のひとつ。


「決闘を開始する場所は、集落等からは離れています。ですが万が一があると困りますから、当日は住民を他の場所に避難させます。避難したことで手を入れられなかったり、戦闘の影響で壊れたり荒れたりした部分は、全てが終わった後に全在や祝福で私が元に戻すつもりです」


 思い切りやっても住民に被害は出ないし、家や田畑が荒れてもアルツァーヤが原状回復してくれるそうだ。

 

 なおこのときも、アルツァーヤは理由を教えてくれなかった。

 そしてその後、決闘当日まで、アルツァーヤは昼食時に現れなかった。

 だから私もキンビーラも、理由がわからないままだ。


 当日の正午。

 私とキンビーラはセキテツとの境の岩場から、アルツァーヤの全在を使って、決闘会場へと移動した。


 現場はそこそこの川2本が合流する場所で、基本的に森の中のやや広い谷間。

 あまり広くない玉砂利の河原が、決闘開始位置だそうだ。


 そして私達より先に、ガシャールも既に到着していた。

 別のアルツァーヤの顕現に連れてきて貰ったようだ。


 ガシャールの外見は、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の頃のトム・クルーズといったところだろうか。

 もちろんあんなSFな服装では無く、顔や体格がという話だけれども。

 個人的にはもう少し身長が高い方が好みだけれど、それはそれで置いておいて。


 なお服装は文明開化という感じで、剣道の胴着っぽい服の上に膝上くらいのコートっぽい服を羽織っていて、刀を二振り、左に差している

 つまりキンビーラやアルツァーヤよりは大分近代に近いけれど、やはり日本風の服装だ。


「コトーミ殿、キンビーラ殿、お初にお目にかかる。トサハタの土地神でガシャールと申す」


 決闘の前にはじめましてという挨拶って、何か変だよな。

 そうは思うけれど、ここは一応相手にあわせて挨拶しておこう。


「初めまして、コトーミです」


「このたびは決闘に応じていただき、感謝している。まずは決闘の前に確認事項だ。

 コトーミ殿が勝利した場合、トサハタ全土を改宗させて譲り渡す。私が勝利した場合、ミョウドーとケカハを改宗して譲り渡す。それでいいだろうか」


 書状に書いてあった通りだ。

 ただここで、素直に同意するつもりはない。


「ええ。ですが私としては、そちらの意図を図りかねています。それに領地を増やそうというつもりも、実のところありません。襲撃されたから迎撃した。その結果こうなってしまっただけです。

 ですから今からでも、話し合いで済ませたいところです。もし条件があればお伺いしたいのですけれど、どうでしょうか」


 私としては、ガシャールの真意を知りたいし、決闘なんてしたくない。

 だからストレートにそう聞いてみたのだ。


 雰囲気的に、ガシャールは話がわかる神という気がする。

 そしてこの決闘にも、領地を得るというのとは別の目的があるように感じるのだ。


「わかった。だが決闘は避けられないのだ。理由はコトーミ殿が領地に導入した、住民の誰もが魔法を使えるという制度にある」


 予想外の言葉が出てきた。

 とっさに対応出来ない中、ガシャールの言葉は続く。


「あの魔法はコトーミ殿の領地にいる住民しか使えない。そうアルツァーヤから聞いている。

 今のコトーミ殿の領地は、何処も復興中で人口も神力も低い。しかし魔法が使えることで、住民一人一人の力は他と比べ圧倒的に高い。

 月日が経つごとに、領地と領民が力をつけていくだろう。十年程度で、他の土地神では対抗できない状況となるだろう」


 確かにそうかもしれない。

 住民全員が魔法を使える環境だなんて、他からみれば脅威に違いないというのは理解出来る。

 その点については今までほとんど考慮していなかったけれども。


「かと言って、今更魔法を使えないようにするというのも難しい。そもそも住民が魔法を必要としたのは、乾燥なり戦火なりで環境が悪化していた事が原因だろう。ならば現時点で魔法をとりあげるのは、少なくともコトーミ殿にはできまい。違うだろうか」


 違わない。確かにその通りだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ