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転生ミスで弱小盗賊団の頭になっちゃいました。やり直しは出来ないと言われて頭に来たので地味スキルで生き抜いてやろうと思います。  作者: 駄犬X
序章

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20 新たな作戦

 20 新たな作戦


 俺達が小屋に戻ると、既にフィネスが帰っていた。逃げた事については不問にして、夕食の準備をしてから増築について話し合う事にした。


 今回の作戦でかなりの装備をお金に変える事が出来た、ついでに街のギャングから巻き上げた金もかなりある。少しづつでも小屋を中心として砦化を進めて行きたい所だ。


 いつも通りの役割分担で、夕食の準備をしていく。夕食のワイルド定食が完成したので皆で食べつつ、話す事にした。


「まずは今住んでいる小屋を倉庫にして西側に新たに各人が寝泊り出来る大きな二階建て木造住宅と、その西に物見の櫓を建てる」


 俺の話に男達は頷きつつ、夕食を食べる。


「小屋の前にある焚火の南側に湖から水を引いて畑を作ろう。そして住宅、小屋、畑のあるエリアを丈夫な木材で柵を作り囲むからな。まずはここまで進めよう」

「…じゃあ、村から大工呼んでいいか?アニキ」

「あぁ、頼む。足りない金については明日から俺が稼いでくるから心配するなよ?」

「グランジ、一人で金集めるってどうするんだ?また危険な事するんじゃないだろうな?」


 テジーはそう言うが、こんな事してれば多少の危険は付いて周るからな。そこは一々心配しても無駄だろう。


「取り敢えずその話は後でする。まずは砦の防御柵までを完成させるとして、その外側には堀を作る予定だ。色々なギミックを凝らしたい所だがその辺りはまた後々考えよう」


 今回、盗賊達とその装備を売ったお金と、ギャング達から巻き上げた金で上納金は充分出来たので、後はグリッドに会いに行くまでに、俺はギャングの方に集中する事にした。


 俺はフィネスに、今のグリッド盗賊団の状況について聞いた。アンビー、メキシスと潰したので、今はグリッド本人と幹部三人が残っているだけだ。


「総勢として三十数人残っているだけの様でやんす。恐らくですがアンビーとメキシスが帰って来ないので混乱していると思います」

「…うむ。解った…」


 取り敢えずグリッドの調査は一旦止めて、フィネスには領都シェフィールドで情報を流して貰い、ギャングを誘導させるつもりだ。


 俺自身の能力の活用法について気付いた俺にとっては盗賊、ギャングどっちもすぐに潰せるが今後の為に出来るだけ金を毟ってやりたい。


 恐らく幹部二人が消えたグリッドはすぐには身動きが取れないだろう。まずは領都シェフィールドのロキシアファミリーを先に潰す事にした。


 潰すと言っても殺してしまうとそれで終わってしまうので、経済的に締め上げやろうと考えた。俺は自分の考えを話す。


「グリッドはすぐにどうこうしなくても良いだろう。だから明日から俺が単独で領都のロキシアファミリーを潰していく」


 その話をするとテジーが溜息を吐いて、神妙な顔で話を始めた。



 俺達は夕食と買ってきた酒を飲みつつ、テジーの話を聞く。どうやらテジーが所属する戦術仕官訓練の所長であり教官の長でもある男がロキシアと繋がっているようだ。


 ロキシアファミリーのボス、ダムド・ロキシアは街での裏金集めに支障が出ない様に、シェフィールドの政務官や軍務官を金で取り込んでいるらしい。


「だから危険だって言ったんだよ。簡単に潰して、ハイ終わりとはいかないんだ」


 テジーが話を続ける。


「ロキシアに手を出せば、政務官、軍務官だけじゃない。戦術市官長までが、ロキシアに言われて俺達を排除しようと動く。領都兵が出て来てこっちが危うくなる可能性が高いんだ…」


 テジーの言葉に、俺以外のヤツは沈黙する。どこの世界も悪いヤツと政治家は蔓むんだな…。確かに、真正面からぶつかればテジーの言う通り危険だろう。


 しかし俺は正攻法でやるなんて一言も言ってない。思わず俺は鼻で笑ってしまった。


「…まぁ、そんな事は俺には関係ないがな。物事ってのはやりようってモンがある。そこは俺に任せておけ…」


 その言葉に皆が俺を見る。


「グランジ、俺の言ってたことが理解出来なかったのか?一筋縄じゃ行かないんだよ!!」


 テジーはそう言ったが、俺は気にせず話す。


「色々難しく考えているとこ悪いんだけどな。さっきも言ったが物事はやりようがあるんだよ。俺は真正面から領都に殴り込むなんて言ってないだろ?」

「そうかもしれんがヤツらに関わっても碌な事にならないんだよ!!軍隊が出て来る可能性だってあるんだぞ!?正気か!?」

「じゃ、軍隊の装備も纏めて貰っちまうか!?」

「…あぁ、グランジ…お前どうかしてるぞ?正気の沙汰じゃない…」


 その時、嘆くテジーにモノ申すヤツが現れた。



「いや、グランジさんは正気ですよ。物事にはやりようがある。とグランジさんは言いましたよね?」


 突然現れたドジ子にスネア以外のヤツらが咄嗟に警戒する。スネアがそんな皆にドジ子を紹介する。


「皆、警戒しないでくれ。この方は天使、ミス・ヤラカシエル・ドジコ様だ。ワイルドホーンボアに遭遇した時に俺とグランジさんを助けてくれたんだ」


 コイツはただ木の陰から見てただけで助けてくれた訳じゃないけどな…。スネアに心の中で突っ込む。スネアの説明に、男達は半信半疑ながらも頭を下げる。その後、テジーが一番にドジ子に話を始めた。


「天使様はそう言いますが、グランジに守護でも与えているんですか?それでもグランジを止めて下さい。盗賊潰しと違ってギャングは色々な方面に根を張っています。本当に危険なんです!!」


 テジーの切実なお願いをドジ子が軽く一蹴した。


「だからって何なんですか?あなた達は昼間、グランジさんの力を見たはずです。色々な所に根を張っているなら全部引き抜いて片っ端から潰せばいいんですよ。グランジさんの言った通り難しく考える必要なんてないんです」


 ドジ子の言葉に、皆沈黙する。


「まぁ、ギャングは俺一人で片づけて来るからお前らは村から大工呼んで砦の建設の手伝いでもしててくれ」


 それからと言いつつ、俺はフィネスを呼んで領都シェフィールドで噂を流してくるように指示した。

 

 金なら盗賊よりもギャングの方が格段に持ってるだろう。毟れるだけ毟ってやるか…。そう考えつつ、俺はビールを煽った。


 その傍で、酒瓶を掴んだドジ子がグイッと一気に酒を吞み干していた…。

…お前、酒飲んで大丈夫なんだろうな…?

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