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転生ミスで弱小盗賊団の頭になっちゃいました。やり直しは出来ないと言われて頭に来たので地味スキルで生き抜いてやろうと思います。  作者: 駄犬X
序章

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19 街のギャング

 19 街のギャング


 広場を後にして、俺達はテジーの案内で工房が集まる区域に向かう。メキシス達と遭遇した時に思いついたアイデアを実現出来るかどうか確認する為だ。


 山小屋に戻る時間まで自由にして良いと言ったのだが、皆俺が何をしようとしているのか気になったのかゾロゾロと付いて来る。


「アニキ、工房に行って何するんだ?」

「あぁ、馬車の車輪に細工が出来ないか職人に聞いてみようかと思ってな…」

「馬車の車輪にどう細工するんだ?」


 テジーにも聞かれ、他のメンツも気になっているようなので、俺が思いついたアイデアを話す。


「メキシス達と想定外の遭遇をした時に思いついたんだがな。あの時、俺はヤツらを轢き殺す勢いで馬車を飛ばしたろ?」

「…あぁ、いきなり突っ込んでいくからびっくりしたけど…アレがどうかしたのか?」


 俺はテジー以下、全員に話の続きをする。


「思いっ切り轢いてやるつもりだったんだよ。だがヤツらは避けちまった。馬力が足りなかったのもあるが、あの時、思いついたんだ。次に遭遇した奴らは逃げられない様にしてやろうと思ってな」

「それと車輪の細工がどう関係するんだ、アニキ?」


 俺があの時に思いついたのは古代エジプトだったかの戦車だ。あれは敵が避けても敵兵を無力化する為に車輪から横に向けて刃が付いている。

 

 最初から刃が見えてしまうと避けられてしまうので、避けられた瞬間だけ刃が飛び出るように車輪に仕掛けを作る事が出来るのかを、ここの鍛冶工房で確認したかった。


 俺が、思いついた、と言うか思い出したアイデアを皆に話す。すると全員顔を引き攣らせた。


「…グランジ、それかなりえげつないな…」


 テジーにそう言われたが、賊に容赦してやる必要なんてないからな。殺してしまうと無価値になってしまうので、取り敢えず無力化して恐怖を植え付けて動けなくしてやろうと思った。


 恐怖の交易馬車だな。


 その辺りも説明したが、相変わらず全員ドン引きしていた。だから俺は全員の気を引き締める為にも、強く言い聞かせる。


「お前ら、覚悟が足りてないな。これからヤツらと殺し合いするんだぞ?覚悟はしておけよ?躊躇したらこっちがやられるからな。解ったか?」

「…あぁ、解ったよ。アニキ…」

「しかし、本当にお前変わったな…」


 テジーに言われたが中身が別人だから変わってて当たり前だ。


「とにかくだ。よく覚えておいてくれ。この世界はサバイバルなんだよ。油断したらあっという間に死ぬからな!!」


 俺の言葉に、全員しっかりと頷いた。鍛冶工房の髭もじゃ主も俺の話を来いて賛同してくれた。


「良く言った、若いの。そり通りだよ。この世の中は油断してると危険だからな。賊を叩くんなら俺も少しばかりお前らの手伝いをしてやるよ?」


 そんな髭もじゃ主に、車輪に付ける細工の件を話す。かなり難しいから設計するのに数日くれと言われた。


 俺は髭もじゃ主にお礼を言って、また後日くると伝えて工房を後にした。



 工房を後にして歩いていると、スラム街っぽい場所で露店を開いている商人がガラの悪いヤツらと揉めていた。


 どうやら場所代払えみたいな事言ってるが…。俺がじーっと見ていたらテジーに止められた。


「ロキシアファミリーのヤツらだ。関わるのは止めておけ…」

「…アイツらギャングか?」

「…まぁ、そんなとこだ…」


 そう言われたのですぐにそこを離れる。しかし、五人いた男の中の一人が俺に因縁を付けて来た。


「オイッ、お前!!今、俺達を見てたろ?」

「あぁ、碌に働きもしないくせに、他人様に金せぴろっうてヤツなら見てたけどなw」


 俺は半笑いで、チンピラを挑発する。


「何だとッ、テメェッ!!」


 怒って俺の胸倉を掴もうとした男をヒュージが押し退ける。ヒュージが腰にぶら下げている大斧に手を掛けて男達に見せる。


「…お前らアニキに手を出すな、痛い目見るぞ?」

「ヒュージも手を出すな!!そいつらは危険なんだよ!!」


 ヒュージを止めようとするテジー。


「俺たちの事を知ってるやつもいるじゃねぇか。そいつの言う通り、俺達は危険だぜ?やるなら覚悟しとけよ?」


 俺達は街のギャングと一触即発の事態になった。しかしコイツらも盗賊や山賊と一緒で社会のゴミだ。テジーは止めろと言うが、どうせ盗賊やるんだったら街のゴミも片っ端から掃除した方が良い。


「…ヒュージ、コイツら危険らしいぞ?テジーの言う通り、『手を出す』のはやめて置いた方が良いな」


 俺の言葉にヤツらは俺がビビったと思ったのか余裕の笑みを浮かべる。


「…いいか、ヒュージ。こういうのは『手を出す』のは良くない」


 そう言いつつ、俺は背中の箒を取り出して目の前でくるくると回して見せる。そんな俺に、男達が居切る。


「…オイッ、てめえッ。そんなボロイ箒で俺達とやろうってか?」

「…まぁ、そう興奮するなよ?チンピラくん」

「テメェッ!!俺達をそこらのチンピラと一緒にするんじゃねぇッ!!」

「チンピラじゃなかったらゴミか?お前ら頭の悪い特大のゴミな?」

「…コイツッッ!!言わせておけ…ば…カハッ…ゥッ…ゥくッ…」


 俺は箒を回しながら、ヤツらの肺の中の空気を全て外に出してやった。軽い窒息状態を起こして、ヤツら五人は一気にぶっ倒れた。


「テジー、俺は手を出してないからな?」

「…グランジ、お前本気か?街のギャングまで敵に回すつもりなのかよ?」

「この際だから皆、良く聞いておけ!!俺は『神』に反逆するつもりで生きてんだよッ!!その俺がこの街のチンピラ如きに恐れをなして小さく生きて行こうなんて思っちゃいねぇんだ!!因縁付けて来たら相手が盗賊だろうがギャングだろうが綺麗さっぱり叩き潰すんだよ!!」

「アニキッ良く言った!!それでこそアニキだぜ!!」

「オイッ、ヒュージ、グランジを煽るのは止めろッ!!早く街から出るぞ!!」


 テジーに言われて仕方なく俺達はすぐに街を出る準備をする。どうせいつかはゴミ掃除するんだ。それなら早い方が良いんだけどな…。そう思いつつ、厩舎まで戻る。


 馬と荷車を繋ぎ、街を出る手続きをしようとした所で、俺達は三十人程の野郎共に囲まれた。


「…オイオイ、お前ら急いでどこに行こうってんだ?」


 その言葉に俺は溜息を吐いて静かに話す。


「…チンピラ共が…先に忠告しておいてやる。今すぐそこを退いて道を空けろ。お前らゴミが何人追って来ようが俺には勝てない。忠告はしといたからな?」

「何言ってやがるッ!!テメェは見えてねぇのか?俺達は30人以上、お前らはたったの6人。どうやっても俺達には勝てねぇだろ?」


 ヒュージが大斧に手を掛けて、威嚇する様に男達を見る。俺はそれを手で止める。


「ヒュージ、俺に任せろ。今日、ここからゴミ共に『スカベンジャー商会』の名前と共に恐怖を刻み込んでやる」


 そう言った後、俺はテジーを見る。もう好きにしてくれと言わんばかりに、肩を竦めた。他のメンツにも確認を取る。皆が頷く中、フィネスが消えている事に気が付いた。


 …アイツ、どさくさに紛れて逃げたな…。まぁ、良いか…。


「…ククッ、玉砕の覚悟でも決まったかよ?仲間をやってくれたお返しはたっぷりさせて貰うぜ?」

「いや、それは出来ないな。何故ならお前らは俺に触れる事すら出来ずに倒れる事になるからな…」


 そう言いつつ、俺は箒を取り出すとくるくる回す。


「へぇ。アンタ、面白い事を言うねぇ。じゃあやって見せて貰おうか…」


 そう言いつつ、男達の後ろから現れたのは目付きの悪い、赤毛でロングヘアの軽装の女だった。腰にはタガーを下げている。


「アタシはラミル・ロキシアだ。よく覚えとくんだね」


 その間にも俺は箒をくるくる回し続けている。男達がラミルに軽く頭を下げる。


「…姐さん、仲間をやったのはコイツらです。すぐやっちまいますか?どうします?」

「いや、待ちな!!アタシらを全員、倒すって言ってるんだ。やって貰おうじゃないか。なぁ、お前ら?」

「はッ、姐さんがそう言うなら」


 ニヤニヤ笑いながら言うラミルに男達が一斉に頭を下げる。コイツはボスなのか?まぁ良い。どっちにしろゴミは全員叩き潰すだけだからな。


「さぁ、やって見せなッ!!このロキシアファミリーに楯突く度胸があるのかッ?」

「度胸?そんなモンじゃねぇ。俺のは『覚悟』なんだよ!!」


 俺は箒を止めて柄を持つと、箒の先で左側の男達を掃く様に真横に薙ぎる。その瞬間、男達10人が一気に吹っ飛んで壁に激突した。


 驚きで目を丸くするラミルと男達。そして続けざま、俺は右側の男達を箒で『掃く』。更に10人が吹っ飛んで壁に激突、気絶した。


 そして最後に、ラミルを含む残った男達に言い放つ。


「お前らよく覚えておけ!!俺はスカベンジャー商会のグランジ・スクアードだ!!お前らゴミが何人来ようが全員叩き潰す!!」


 そう宣言した後、俺はヤツらを上に掃いて上に飛ばした後、箒を下に振り下ろした。瞬間、ラミルを含む男達が地面に激突した。



「やったな!!アニキ!!凄いぜ!!」


 興奮するヒュージ以外のメンバーは顔を引き攣らせていた。騒ぎを見ていた街の住民もドン引きしている…。


「…グランジ、それどうやったんだ?この前まで木屑とか埃でやってたヤツだろ?どうやったら人間を纏めて吹っ飛ばせるんだ?」

「そんなの簡単だろ?今まで難しく考え過ぎてたんだ。アイツらは『ゴミ』だ。俺が『指定』したら全員ゴミなんだよ。だからゴミを指定の場所に掃いてやっただけだ」


 そんな話をしつつ、街を出る準備をする俺達に、一人の老人が寄ってきた。


「中々、勇気ある男じゃのぅ。しかしヤツらを甘く見てはいかんぞ?娘をやられたオヤジの方が来るからのぅ。早く街を出なさい」


 そう言う爺さんをよく見ると、さっきスラムで絡まれてた商人の中の一人だった。


「爺さん、忠告ありがとう。でもな、俺はこの街の工房に用があるから時々来る予定なんだ。また絡まれたりしたら『スカベンジャー商会』を呼ぶようにギルドに言ってくれ」


 そう言った後、俺は箒をくるくる回す。そして気絶したラミル以下30人の男達の懐からスキルを使って金を巻き上げた。そして紙幣を何枚か爺さんに渡してやる。


「さっき毟られてた金だ。持ってけ。じゃあな爺さん。また来るからな」


 そう言って俺達は街を後にした。

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