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転生ミスで弱小盗賊団の頭になっちゃいました。やり直しは出来ないと言われて頭に来たので地味スキルで生き抜いてやろうと思います。  作者: 駄犬X
序章

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18 フォレス村から領都へ

 18 フォレス村から領都へ


 メキシス達を無力化して以降は特に盗賊の類に会う事もなく、フォレス村に着いた。


 村のあちこちに伐採した木材が山積みにされていて、それが村の外から見える。門も木材なら、村の中の建物もほとんど木造だった。


 見回してみると、この村には最低限の施設しかなく、規模としてもかなり小さい。雑貨屋、飲み屋兼料理屋兼宿屋、鍛冶工房、村役場、警備隊、そしてギルドだけだ。


 ギルドもかなり小さく個人商店レベルだ。俺達はギルドに入るとバズリンで買ってきた日用品、酒、米、調味料などを纏めて買い取ってもらった。


 取り敢えず交易品は買い取ってもらったので、次は引き摺ってきた盗賊達をどうすればいいかギルド職員に相談した。


「悪いんだが、ここはギルドも警備隊も人が少なくてな。軽犯罪者を取り扱う程度で盗賊を預かる事は出来ないんだ」


 続いてギルド職員が説明してくれた。


「盗賊を引き渡すなら領都に行った方が良い。ここから近いし街道も整備されているからすぐ着くと思うぞ?」


 ギルド職員によると、ここフォレス村から一番近い大きな都市、領都シェルフィードに行った方がいいとの事だ。


 メキシス達を引き取ってもらってお金に変えたいし、近いとの事なので俺達は領都に向かう事にした。



 既に東門から出た所で、大きな町が見えていた。


 フォレス村から、領都までは聞いていた通り、比較的街道が綺麗に整備されて人の往来も多いので、盗賊達は現れる事は無かった。馬車もスムーズに進み、すぐに領都に着いた。


 領都シェルフィード―。


 フォレス村とは打って変わって、レンガ造りや石造りの外壁、そして街の中もレンガや石造りで、大きい建物も多い。


 俺達は、まずメキシス達を引き摺ってギルドに向かう。ここに来る途中、意識を取り戻してうるさかったので、麻痺剤を嗅がせて気絶させておいた。


 許可を貰って、門から入る。この街は面白い作りになっていて、門から入って時計回りにグルグル上がっていくと領主様のお屋敷があるそうだ。


 大きく広い丘を中心に街が作られているが、地形を生かして攻めにくいようにと考えて、こういう作りになったそうだ。この街はテジーが戦術仕官の訓練生として来ていたようなので、ギルドやその他施設を捜す手間がない。


 グルグル上がっていく途中に、警備の詰所、工房、商店街やギルドなどが並び、領主のお屋敷の周りは配下である将軍、将校、騎士などが居を構えていた。


 まずはギルドに入って、盗賊の引き取りと賞金を出してくれるように話す。


「おぅ、ご苦労さん。警備隊を呼ぶから待っててくれ」


 そう言われたので待合の長椅子に座って待つ。暫くすると警備隊の隊長と隊員五人が来てくれた。


 警備隊がメキシス達の検分をした後、ギルド職員が賞金を計算していく。その間に警備隊長が俺に質問して来た。


「何故コイツらは(ふんどし)一丁なんだ?」

「あぁ、待ち伏せして俺達から物資を横取りしようとしたから、逆に身ぐるみ剥がしてやったんですよ」


 俺の説明にそんなヤツ初めてだと警備隊長に笑われた。


 会話を聞いていたギルド職員が、ついでに装備も買い取りをするぞ?と言ってくれたのだが、テジーが出て来て俺の代わりに返事をした。


「今回は余り良い装備がないんだ。今回はパスするよ」

「解った。また盗賊捕まえたら連れて来てくれ。装備は商店でも売れるからな。そっちでも検討してみてくれ」


 そう言われた俺は軽く「検討します」と敬礼をしておいた。


 その後、商会登録だけしてギルドを出る。ギルドを出た所でテジーが装備の売買について説明してくれた。


「領都だとギルドでも商店でも、中古装備品は買い叩かれるんだ。だから装備はバズリンで装備屋の主人に売った方が少しは金になる」


 と教えてくれた。メキシス達から戴いた装備はこのまま持ち帰り、次にバズリンに行った時に売る事にした。


 盗賊の引き渡しと賞金を貰い、山に帰るまでの時間もまだまだあったので、俺達は領都を見学していく事にした。



 領地の中心都市という事もあり、人も多く活気が凄い。綺麗に整備された街並みがスロープのように上へと続いていく中で、途中に噴水広場があった。


 人が多く集まっている広場では、噴水の手前で商人達が様々な露店を開いていた。服飾、宝飾から、雑貨、ポーションや怪しげなアイテムを売る店や、その向かいには食べ物を売る屋台なども並んでいた。


 串焼き肉や、サンドイッチ、お好み焼きの様なものから、団子、フルーツ大福、ケーキの様なものまで売っていた。


 そんな噴水広場の一角では、的当てや、アイテムすくい、などの屋台もあった。


 的当ての屋台を見ていると、かなりの人が集まっていた。気になって見ていると子供達だけではなく、大人達も混ざって的当てをやっている。


 投げる位置から奥に大人用の景品、その半分程の位置に子供用の景品が置いてある。


 子供の方は、いつくか落としている子を見たが、大人用はかなり離れている事もあり的に当たっても落ちなかった。


 ルールとしては当てるだけでなく、台の上から落とさなければ景品は貰えないようだ。大人用には、宝飾品、そのまんまお金を瓶に詰めたモノ、マジックアイテムなど高価なものが多い。


 それだけに中々落ちない仕様になっているのだろう。店主が客を煽っているが、どうやっても落ちないので名乗りを上げる者がいなかった。


 俺がじっと的当てを見ていたので、ヒュージが隣に来る。


「…アレ、アニキがやったらイケるんじゃないか…?」


 ついこの間まで、的当ての練習をしていた俺に、ヒュージがやってみるように勧めてくる。俺がやったら反則になりそうな気がするんだが…。


 これでも元ピッチャーだからな…。


 逆に俺が投げて落ちなかったら、この屋台はインチキの可能性が高いなw面白そうなので、お試しでやってみる事にした。


「俺がやってみるよ」


 店主に声を掛けると、ボールを三つ渡してくれた。


「どうぞ!!大人は3回で1000ゼニーだ」


 3回で1000ゼニーか…ちょっと高い気がするがまぁいいだろう。俺は店主にお金を渡すと屋台の前に立つ。


 投げるのは毛糸を丸めた様なボールだ。この重さだと景品に当たっても落ちるかどうかは微妙だな…。店主がニヤニヤ笑っている。ギャラリーはひそひそと話しながら成り行きを見守っていた。


 一投目。俺が狙うのは、38000ゼニー相当のマジックアイテムの鞄だ。まずはいつも通りクイックモーションで投げる。


 結構なスピードで的であるマジックアイテム鞄にボールが当たる。しかし、的に当たっても揺らぐだけで落ちなかった。


 俺はその一瞬で見て解ったが、あれは(ノリ)か何かで下をくっ付けているように見えた。当たった時に上は動いていたが、下側は揺れるだけでズレる様子が見当たらなかったからだ。


 下の方に当てるよりも、ギリギリ上を狙って落とすしかないな…。


 2投目。的の上ギリギリに当たり、かなり揺らいで下が動いていたがズレる所までは行かなかった。店主の顔が一瞬、焦った様に見えたが安堵の表情を浮かべる。


 しかしここで突然、抑揚のない無感情な声が俺の頭の中に響いた。


≪スキル、『ダストシューター』を獲得しました。≫


 …ダストシューター?なんだそれ?


 俺には自分のステータスもスキル欄も見えないので、小屋に帰ってドジ子に確認して貰うしかない。


 取り敢えず、今はスキルを意識して3投目を投げるしかないな…。ダストシューターか…。アレかな?ゴミ箱にゴミを投げ入れる要領か…?


 スキルを使って落とすのもちょっと悪い気もするが、この世界に来て初めてマジックアイテムを見つけた俺は、是非ともあの鞄が欲しいと思った。


 俺はクイックモーションからワインドアップ投法に切り替える為に少し後ろに下がる。的をゴミ箱にに見立てて狙いを付ける。


 俺が振りかぶって片足を上げると、ギャラリーから…なんか本格的だな…という声が聞こえたが、俺は投げる事に集中する。


 上げていた足を前に踏み出しつつ、俺は全力で右手から毛玉ボールを投げた。


 瞬間、強力な回転を纏った毛玉ボールが的であるマジックアイテム鞄に、ドンッ!!という衝撃音と共に、当たる。そして屋台の奥まで吹っ飛んでしまった…。


 それを見た店主もギャラリーも、口を開けたまま呆気に取られて立ち尽くしていた。



「やったな、アニキ!!」


 ヒュージ以下、うちのメンツは全員、当然だと言わんばかりの顔だ。そんな中、店主が景品を渡してくれた。


「…どうぞ…」

 

 店主の顔はがっくりと残念そうだ。


 俺は、マジックアイテム鞄を受け取り確認してみる。メッセンジャーバッグのように、ボタンを外して開くと中に仕切りのような枠が見えた。


 そこにアイテムを入れる事が出来るようだ。店主の説明によると最大で十枠、大きさや重量制限はあるものの、結構いろんなものが入るそうだ。

 何が入るかはその都度、試して確認してみてくれとの事だった。


 ちなみにと店主が教えてくれたが、このマジックアイテムの鞄は、北方の魔法王国の製造の様で、この国ではかなり貴重な品だったらしい。


 良いね!!これがあれば交易品なども鞄に入れて楽に運ぶことも出来そうだ。


 店主は、目玉商品を落とされて、未だに意気消沈している様子だ。しかし、インチキではなく、ちゃんと落ちるのを見た領民達が我も我もとなり、大盛況になった。


 しかし、今回の的当てで景品が落ちたのは、恐らく俺のスキルも関係していると思われるので、これ以降はそうそう落ちないだろうと思う。


 結果、この屋台としては売り上げがかなり上がるのではないかと予想されたので、俺は後味の悪い気持ちを残す事なく、景品を貰った。


 我先にと的当てに挑戦する領民達を後に、俺達は引き続き領都を見て周る事にした。


 俺は景品で貰った鞄を肩から斜めに掛ける。その時、商店のガラスに俺の姿が映り込んだ。肩から掛けたメッセンジャーバック、そして箒…。


 どことなく誰かに似ているような気がした…。これで小さい黒猫でも連れていれば完璧だろう。

流石に頭に大きな赤いリボンは付けませんがww

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