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転生ミスで弱小盗賊団の頭になっちゃいました。やり直しは出来ないと言われて頭に来たので地味スキルで生き抜いてやろうと思います。  作者: 駄犬X
序章

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13 スキル活用法2

 13 スキル活用法2


 スキルの活用について、ドジ子からのアドバイスを受けた俺は早速、陽が明けてから試す事にした。


≪それからもう一つ、スキルツリーの中に『拭き掃除』と言うのがあります。説明文によると…≫


 ドジ子が、スキルツリーの中に隠れていた、掃き掃除とは別にある、拭き掃除の説明文を読む。


布巾(ふきん)を手に持ち、対象を指定して拭き取る事により、色々とさっぱり綺麗にする事が出来る…となっています。これはおそらくですが、デバフ効果など悪いものを軽減、もしくは消す事が出来るかもしれません…≫

≪…デバフ効果を軽減するか消す…か。指定するのは病気でも良いのか?≫


 俺の疑問に考え込んだ後、口を開くドジ子。


≪…現段階では可能性の段階なので、このスキルも色々と試してみるしかないですね…≫

≪まぁ、そうだろうな。何にせよ、その拭き掃除も何かで試してみるしかないな…≫


 試すスキルが増えてしまったが、何もないよりはマシだろう。石投げ、掃き掃除に続き、新たに拭き掃除も何らかの形で試す事にした。



 明けて俺達はいつもの様に顔を洗い、身だしなみを整えてからストレッチを行い、朝食の準備に入る。


 俺は早速、拭き掃除を試すべく、スネアに付いて行く。その間に、拭き掃除の事とそれの効果を確かめたいと事前に話をしておいた。

 

 話しながら、山の中を歩いて行くと仕掛けた罠に、動物が掛かっていた。罠には掛かっているが、まだ死んでいないネズミの様な小動物に毒剤を飲ませてみる。


 動物は痙攣して倒れると口から泡を吹いた…。俺はすぐに布巾代わりの布切れを折りたたんで水で濡らす。


 スネアが見守る中、俺は濡れた布巾を使ってネズミの様な動物に当てると、対象を『毒』に指定して拭いてみた。


 身体の表面を拭いてみたのだが、何も起こらずネズミのような動物は毒によってそのまま死んでしまった。


「…スマン。一匹、食料を減らしてしまったな…」

「カシラ、罠はまだまだあるんで試してみましょう」


 そして俺達は次の罠に向かって歩く。


 身体の内部だとダメか…。次に試すのは身体の表面にある外傷や付着した毒、麻痺だとどうなるか、だな。


 次の罠に到着した俺は、罠に掛かっているウサギっぽい動物の足を手に取る。

罠によって出来た足の傷が、どうなるか試してみた。


 今回は、『足の傷』と指定して拭いてみた。すると少しではあるが足の傷が小さくなっている。


 思わずスネアと顔を見合わせる。俺は無言でもう一度、傷を指定して拭いてみた。すると今度は完全に、綺麗に足の傷が完全に消えていた。


「…カシラッ!!これは…傷が完全に塞がってますよ!!」


 興奮気味に話すスネア。俺も興奮を隠せなかった。身体の内部だとダメだが表皮にあるとスキル効果が出るようだ。


 その後も、傷や、傷に付着した毒、傷と麻痺と試していく。やはり身体の表面、皮膚に出来た傷や毒、麻痺は拭き取り消す事が出来るようだ。内部に入ってしまった後だとダメだが、外傷から入った毒、麻痺は拭き取り、消す事が出来るようだ。


 まぁ、この『拭き掃除』に関しては、何かあった時の応急処置程度に考えていた方がいいだろう。その後は、罠に掛かった動物達を回収して、小屋に戻り朝食にした。



 朝の製材作業が終わり、昼食。製材はほぼ終わっているので後は、小屋のぼろになった壁板、床板を剥がして付け替えていくだけだ。


 昼食が終わり、午後からは自由時間にした。


 しかし、俺が石投げを始めると、男達もなんやかんやで手伝ってくれる。動く的にもほぼ当たるようになってきた。もうそろそろ、山の中の小動物で試してもいいかもしれない。


「スネア、麻痺弾は出来てるのか?」


 俺は以前、スネアに頼んでいた麻痺弾、毒薬弾の事を聞いた。


「えぇ、もう出来てます。後はカシラに実験して貰うだけですね」


 そう言うと、スネアは小屋の中から、試作品と思われる麻痺弾と毒薬弾を持ってくる。


「黄色が麻痺弾、黒が毒薬弾です」


 そう言って渡された球はちょうど硬式野球のボールほどの大きさで重量は野球のボールより少し重い程度だ。


「よし、ちょっとそこら辺りの動物で試してくる!!」


 そう言うと俺はズタ袋に、手頃な石と麻痺弾を入れた。毒薬弾は獲物に当たったとしても、その後の食事で俺達まで毒に当たると困るからなw


 今回は、石と麻痺弾だけでやってみる事にした。


 山の中で迷子になっても困るので、今回もスネアに付いて来て貰う事にした。スネアは山の中に罠場を作り、毎日周っている。


 罠や麻痺、毒餌などにも詳しい。何より獲物がどの辺りに出るかを良く知っていた。


 そして危険動物がいるであろうデンジャーゾーンも把握している。俺だけだと迷子になった挙句に、危険地帯に入りかねないからな。


 暫く山を上がると、スネアが無言でハンドサインを出す。俺はすぐに止まると、かがんで身を伏せる。


 同じく、身を伏せているスネアが木々の中を指さす。そこにサイズの大きいネズミが走っていた。


 ズタ袋から、ビリヤードの玉くらいのサイズの石を取り出す。そして俺はしゃがんだまま、その石を思い切って投げた。


 ドスッ…!!


 距離は20メートル程、鈍い音と共に、俺が投げた石は見事に獲物にヒットした。スネアが振り返り、頷く。俺達は獲物の状態を確認するべく近づいた。


「これはダメだな…」


 俺は思わず呟いてしまった。ヌートリアくらいのネズミに石をヒットさせたのは良かったんだが…。


 石がネズミの横腹にめり込んで、皮をダメにしてしまった…。更に肉も飛び散って可食部分が減ってしまった。


「カシラ、麻痺弾に変えた方が良さそうですね。威力が高過ぎると獲物がダメになりますからね…」

「…うむ。そうだな、次から麻痺弾で行くか…」


 今回は毛皮と肉の収穫と言う意味ではダメだったが、動いている的に当てると言う意味では良かったと思う。


 俺達は更に山の中を進んでいった。


 次はいつもの牙の生えたウサギ、トサカの大きな鶏の二倍サイズの鳥、動きが早く攻撃的なリス、トカゲとワニの中間位の牙の鋭い爬虫類に麻痺弾を当てて動きを止めていく。


 石と麻痺弾の代わりに、動けなくなった獲物を縛り上げてズタ袋に放り込んでいく。


 どんどん進んでいくと目の前の藪から、可愛いウリボー二匹と鉢合わせてしまった。


「…おっ、こいつら可愛いな。流石にこれを狙うのはちょっとな…」


 俺が一人ブツブツ喋っていると、後ろから俺の服を引くスネア。俺が振り返ると、顔を蒼褪めさせていた。


「…カシラ、すぐに戻りましょう。この場所にいるのはかなりマズイです…」


 小声でひそひそと俺に話すスネア。俺は一瞬、スネアの言っている意味が分からなかったが、うろうろと歩いているウリボーを見て気付いた。


「…あぁ、そうだな…。ウリボーがいるって事は恐らく…」

「そうです。親であるワイルドホーンボアが近くにいるはずです。静かに、戻りましょう…」


 俺は無言で頷く。


 二人で、そろりそろりと後退していく。しかし、俺達は既に親イノシシに見つかっていた。


 ブルルッと鼻息荒く、目を光らせて藪から悠然と姿を現す巨大イノシシ。その目は、俺達に狙いを定めて怪しく光っていた。


 俺は最初、ウリボーの大きさから考えて、親イノシシは豚より少しデカいくらいかと考えていたのだが…。


 スネアがマズイと言っていた理由が解った…。


 俺の想像を遥かに超えた大きさだった。まるでサイだ。それ程にデカい。そして鼻の頭に角が二つ、頭の上にも巨大な角が二つ付いていた…。


 角だらけの巨大イノシシに睨まれ、俺達は動けなくなってしまった。

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