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行動上限があるミツキくんは最強になりたい  作者: 人形さん
3章 出会いの始まり~僕に会いたい人は多いみたいです~
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前編 終了



58話目



「マスターいいですよね!」

「・・・」

「……あっ、、反応は出来そうにないですね。それなら勝手にやってしまいます。」


僕は痛みと疲れでなのも反応が出来なかった。すると、悪魔は自己判断でその【解釈の変更】を行うらしい。僕にはどう言う事か分からないが……契約は一度決めると内容を変更するときは両者の同意が必要なので今アh出来ないはずだ。


最低限僕は反応をしていないはずなので、出来ないはず。


だが、出来ると判断してか悪魔は懐から契約書を出した。それは、この魔法を使う時に自動で出現する契約書。それには、僕の願いが書いてあり、その下には契約金も一緒に書いてある。

だから言った言っていないの争いは起こらない。


「えっと、今回の契約の内容は【マスタ―を助ける】と言う事でしたね。それなら、私はまだマスターを助け終わっていません!」


……そう言う事か。悪魔がやったことは、契約の再認識。つまり、「これは契約の途中ですよね?」っていう、抜け道を探したと言う事。

そして、今回悪魔が言った事はある程度筋が通っている。


これは僕が曖昧な言葉を使ってしまった事によって起きたんだ。確かに、今思い出せば、契約と言う物に、「助けろ」というどうとでも取れる言葉を使うなんて有ってはいけないと思う。


でも、そんな契約をしてしまったと言う事は、悪魔はまだその体を維持できると言う事。


だが……今回はその行為はありがたかった。


なぜかと言うと、僕としては悪魔と契約をするときの意思は「この手からぼくを脱出させて」っていうニュアンスだったんだ。だけど、今は周りにいる魔物を倒してほしいと言う新たな願いが出来た。


だって、手から逃れられても僕に攻撃してくる魔物たちをどうにかしなければ死んでしまう。ただ、それは四肢が動かない僕からすれば至難の業だ。だから、助けてくれるのであればとことんやって欲しい。


「・・・OK!契約は終わらないようですね!マスターも同意をしてくださりありがとうございます!」


すると、悪魔は契約を伸ばす事が出来たの分かったようで僕に感謝を言ってきた。契約解釈の変化、何て言う魔法書には載っていない事は知らなかったので、僕が同意をしなければ契約は終わっていたのかも知れない。


まあ、今度契約の事は調べるとして、悪魔が何とかしてくれるようだ。


すると僕は安心してしまったのだろう。体から力が抜けていき、ゆっくりと瞼を落としていった。最後に聞こえたのはキング級の魔物の悲鳴だ。


何の利益もなく他人のためにここまで頑張ったのに、ここでリタイアなんて何とも無様な終わりだな~。大勢の孫に囲まれて、最後を迎えたかったんだけどね。


残念だと思いながらも僕は死んでしまった。



「なあ」


その声によって僕目を覚ました。


「流石にさ、試練を与えた後直ぐに死ぬのは違くないか?」


それはどこか聞いた事が有る……それもついさっき聞いたような声であった。だが、ぼくの意識は朦朧としておりその声での判別は出来なかった。だが、どこか威厳があり、そして、全身から感じる重圧にはきづいていた。


「……そろそろ起きてくれないか?」


声をかけられているのは分かる。でも、僕の体は激痛に襲われており、起きれる状態ではない。魔物たちにやられた傷によって痛んでいるのだろう。寝転んでいる状態で痛みに耐える。


「もしかして……なあ、もう痛みは無いはずだぞ?」

「・・・あ、」


僕はその言葉を聞いた瞬間なぜか全身から痛みが引いてきた。まるで元々怪我がなかったかのように。僕はなぜ痛みが引いたのか理解が出来なかったが、目を開けて体を見ると確かに肋骨の骨折や、脚に出来ていた擦り傷が無くなっている。


この事を総合的に考えてなんで苦しんでいたかと言うと……幻痛によって苦しんでいたのだろう。ちなみに幻痛とは、まだ解明されていなかったと思うので僕的の解釈になってしまうが、精神病の一つであり強く印象に残った痛みを後に鮮明に思い出す……的な感じだと思う。


今は、さっきまでその痛みを受けていたから、そのまま痛みがあると思って引きずっていたのだろう。まあ、これが長続きしなければ良いなと思っている所ではある。だって、治っているはずなのに、痛みを感じたということは僕は幻痛を感じやすい体質と言う訳だ。


と言う事は今後ふとした瞬間にその痛みを思い出すかもしれない。そうなったら……まあ、耐える事しかできないだろう。だって心臓に肋骨が刺さる痛みを感じていたんだよ!まあ、耐えられない。


「はぁ。やっと会話が出来るようになったか。」


すると、僕の前からは声が聞こえた。その方向を見るとそこには【ア・ランア・ィ・エア】。つまり、神様がいた。

そして、周りを見渡すと試練の儀式の時に見た事が有る空間である。


「……えっと、なんでここに居るか分かりますか。」


困惑を隠せないながらも、一応聞くことにした。


「はぁ?お前も分かっているだろ、死んだからだよ。」

「そうなんですか……」


死後の事はあまり知らないからけど……もう一度神様に出会うなんて思わなかった。だって僕が死にそうなとき四肢はつぶれていて、肺や心臓には傷が付いていて……たとえ生き残ったとしてもう研究は出来ないだろうなと思っていたから……だから、神様に出会う機会も無くなると思っていた。


だけど……最後に僕をこの世界で生きながらえさせるために【呪い】をかけてくれた神様に出会えて良かった。この神様がいなければ今の僕はいなかっただろうから。


「まあ、だけど今回お前がここにいるのは死んだからと理由だけじゃない。」

「・・・?」

「お前を生き返らせる算段がついているから呼んだんだ。本来なら死んだらそのまま消滅するんだが、お前ほどの研究者を失うのはあまりにもデメリットすぎるからな。」

「え…生き返るって、どうするんですか。そんなことできるはずがないのに。」


僕は神様が行った「生き返る」という意味がわからなかった。だって今まで研究してきた中で生き返る何て言う代物に関する情報は一切出てこなかった……いや出てこなかったと言うより、見当たらなかった。


僕は一時期自分が転生者と言う事を考えて、生き返りに関しては色々調べた。だがその文献文章には全て神の行いと書いており、人間が出来るとは書いていなかった。だけど、その時は、まだ開発されていないだけだと思い研究をしていったが……その蘇生をいする方法が一切見つからなかったのだ。


どれだけ研究を進めても空振りばかり。


だから、僕はいつの間にかやめていた。なのに、目の前で「蘇生を行う」なんて言われた暁にはどうも理解できなかった。


「まあ、蘇生は難しいもんな。魂の認知しなければそもそも分からないだろうし。」

「魂の認知?」

「……まあ、俺はそこら辺の事は良く分からないから自分で調べてくれ。」


質問攻めをしようと意気込もうとすると、神様は分からないと抜けられてしまった。魂なんてものは僕は知らないから聞きたかったんだけどね、


「あ!そうだ。先に言っておくが蘇生には沢山の魔力が必要になるから今回だけだぞ。何回も出来ると思って簡単には死ぬなよ?」


すると、神様は釘を刺したように僕に言ってきた。


「ありがとうございます」


だが、僕自身死にたがりと言う訳では無いので、これ以上死にたくはない。だって僕2回も死んでいるんだよ!


普通の人なら出来なような経験を何回も出来るなんて得した気分にはなるが、でも死ぬときは凄い痛いし気持ちい物ではない。


「それじゃあ、動かないで立って居ろ。」


すると、神様が蘇生を始めようとした。どんな風に蘇生をしてくれるのか気になるので僕はジッと見つめる。一応魔導専門の研究者ではあるが、蘇生に関しては気になるしね。


鎖をジャラジャラ鳴らしながら神様は立ち上がり、手を大きくたたいた。


『パン!!』


その叩いた音は遠くまで響く様な音であり、近くで聞いた僕はその音にびっくりして動きそうになってしまった。


だが、その瞬間。それ以上の衝撃を与えられた。


『【ア・ランア・ィ・エア】の干渉を確認。

スキル 制限 の効果により徴収した魔力を使用します。』


それは【制限】の発動である。でも確かに【制限】の呪いは【ア・ランア・ィ・エア】がかけたと言っていたから、こんな風に起動する事も出来るのかも知れないが……徴収した魔力って使うことが出来たの!


てっきり、僕を守るために何らかの事に使用しているのかと思っていたけど……


すると、その徴収した魔力は神様に集まってゆき色が見えるまでになってきた。僕はその魔力の圧によって脚が震えてきてしまうが、根性で耐えようと頑張っている。でも、これ以上の圧をかけられると立って入れないかもしれない。


「・・・」


神はその魔力を操り、ずっと乱回転させている。すると、準備が出来たのか顔をこっちに向けてきた。


「【ア・ランア・ィ・エア】の名において命ずる!ミツキ・アトラスコールを蘇生せいよ!」


その言葉を皮切りに紙に集まっていた魔力は僕の方へ一気に向かってきた。その魔力の奔流に耐えきることが出来ず僕は気絶しそうになっている。


「……次は死んでくれるなよ?」


気絶する前に聞こえた最後の言葉は強い信念を持っていた。




【行動上限があるミツキくんは最強になりたい】をご覧いただきありがとうございます。もしよければブックマークや評価をしてくださるとうれしいです。


投稿時間 7時&17時で毎日投稿です。

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