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行動上限があるミツキくんは最強になりたい  作者: 人形さん
3章 出会いの始まり~僕に会いたい人は多いみたいです~
54/58

54話目




 54話



 足を少し早める。このままでは手遅れになるかも知れないと言う恐怖からだ。そもそも、キング級の魔物がどこまで離れているのかは僕は知らない。ギルド長はA級の討伐者にⓉ偵察に行かせたといっていたことから、結構な距離にいるのだろうと思う。


 A級ともなればその足は時速60kmを軽く超える事を僕は知っている。それは昔騎士団の総隊長であるおじさんの伝手でとあるA級が集まっているパーティーに護衛を頼んだ事が有るからだ。その時はしっかりと偵察を専門にしている討伐者がいたので経験と言う事で見ていたのだが……・その人の速度は僕の認識を超える物だった。


 時速で言えば40キロを平均的に走っており、それは前世で言えば100Mを9秒台で走ったウサイン・ボルトの速度を3キロほどうわ待っている。さらにはそれが全力と言う訳で把握、その人は緊急の時にしか使わなかったが、魔法で瞬間的ではあるが時速80キロを超えていた。


 それは、普段から鍛えていなかった僕にとっては認識する事すら難しい速度であり、これがA級の偵察者なのだと認識させられることとなった。なので、A級が偵察に行ったということはそれなりに遠い事は許容しなければいけないかも知れない。


 だが、今の現状。早くしなければいけない状況なのに、銃弾の魔法を警戒しなければいけないと言う事で、僕は速く走れていない。もう、脚には魔力を余分に纏う事すらやめている。


 だが、そんな中でも、一つの脚光が見えてきた。


「これは……魔力痕か!」


 ぼくがいま通った場所には少し雲散されてしまっているが、魔力痕が残っていた。その魔力痕はどこか法則性がある物によって発生させられた物に見える……僕はこの様な魔力痕が出来る状況に見覚えがあるのだ。


 召喚魔法。

 規模が大きい召喚魔法を使用した時このような魔力痕が残る。


 僕はその痕跡に恐怖を抱くどころか研究者としての目を輝かせていた。普通の人ならばその魔力痕にキング級の魔物の力量を感じ取ってしまい、恐怖し慄いてしまうかもしれないが、僕自身これ位の魔力痕ならば簡単に残せると言う建前があるのでそう簡単には恐怖すらしない。


 もちろん多少はどうやって倒すかを考えてはいるがそれよりもこの痕跡に興味が湧いてくる。


 その魔力痕から僕は一つの考察がでた。これは研究者という立場でありそして、僕自身召喚魔法と言う希少な魔法を持っている一人だからだ。その事から一つの考えへと導かれる。


 もしかしたらキング級の魔物は逃げているのではないのだろうか?と言う事だ。


 それはなんでなのか?


 これほどの魔力痕を残す魔物ならばなぜここで召喚魔法を使用したうえで移動しているのか。それも王国から離れるように後ろへ後ろへと……それでは全てを召喚した魔物に任せているようで、自分には戦闘能力が無いと言っているようなもの。


 これほどの魔力痕を残せるほどの魔力操作の技量を持っているのであれば、自分から前に出た方が勝算が有るのではないのだろうか?僕はそう思う。


 僕のように魔力を全身に纏わせたり、もしくは魔力投射のように魔力事態を操作させたり。それはある程度の技量があれば誰にでもできることで、これほど大規模な召喚魔法が使えるのであれば出来るはずだ。


 そこで一つの結果へと導かれた。

 この召喚魔法は魔法と言うより、神聖術に近い物なのかもしれない。


 完全な仮説であり、考察だ。だから間違っている可能性の方が高いが……でもこの違和感はそれでしか説明できない気がする。


 そもそも、召喚魔法とはこれほど大量の魔物を召喚する魔法ではなく、自分の相棒と呼ばれる魔物を召喚する事を主とした魔法だ。だから、たった一体を召喚するだけで大量の魔力がかかったりする。


 それを数千、数万体も召喚しているのだ。もちろん魔法を授かった魔物は魔力が無制限と言われ、だからこういうことが出来るんだと言われるかも知れないがそれは根本的な部分が違うといいたい。


 これは結構前の事でうろ覚えなのだが、そのぶぶんだけ覚えている。それは第一魔法学院のとある教授に個人指導してもらった時のことなのだが……「魔法が授けられた魔物は魔力が無制限だと言われているが、それは誤りである。その証拠に、基礎魔法学第一章で習う魔力の存在の項目にも書いてあるのだが、【魔力は有限の物質である】という文章だ。

 この通り、魔力は無制限ではなく有限であり、それは魔物にも言えるのではないかと考える。それならば、なぜ魔法を授けられた魔物は魔力が無制限だと言われているのか…………それは神の魔力を借りているのではないのだろうか?」


 その事だけは覚えていた。


 だから、無制限と言われるほどの魔力を使用できる。

 僕はこの考えに賛成であり……最近はそれに関して新たな論文が出来たとか何とかと言われているので僕は早く確認したいと思っていたりする。


 で、つまりはこの魔物の大群を召喚できたのは神の魔力をつあっているからということなのだが……それだけでは無制限の魔力と同じだろう。そう思うかもしれない。だが、神とはそう簡単に現世へ干渉できないのだ。


 それはある条件を課したり、何かを失わなければの話なのだが……それは魔力も同じことだ。無制限の魔力を使うには何らかの条件を付けたり。もしくは何かを捧げたり。


 つまり、これほどの魔物を召喚するには何らか条件を付けていること。


 もしかしたら、寿命かも知れないし、もしかしたら身体能力かも知れない。


 もしかしたら……戦闘能力の低下。何て言う概念的なものかもしれない。


 今の僕にはそれを考察できるほどの情報が手に入っていないが、でも確信に近づいている気がする。


 さ、はやくキング級の魔物に追いつこうか!


 ☆



 銃の魔法に注意して走っている。そんなとき、強大な魔力を感じた。

 今まで感じたことが無いくらいの魔力で神と間違えてしまう位の存在感である。僕の魔力よりも多いみたいだ。


 追いつく事ができたのだろう。キング級の魔物だ。




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