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行動上限があるミツキくんは最強になりたい  作者: 人形さん
3章 出会いの始まり~僕に会いたい人は多いみたいです~
52/58

52話目




 52話



 ジェームス君が転移によって騎士団の人たちを転移させることが出来たらしい。これで僕が決死の覚悟で撤退させることは必要なくなった。


「ありがとう。」


 小さくではあるがそうつぶやく。


 さて、改めてこのスタンピードの対処を考えますか。今の僕は何の作戦もなくなってしまっているそれは、魔力増強剤を飲んでしまったことに他ならない。でも、飲んでしまったのはしょうがないと改めるしかない。


 そもそも最終手段の一つとして持っていた物だから、誤差の範疇ではあるからだ。でも、のんでしまったからには、劣化魔力しか使うことが出来ないので、キング級の魔物を倒すには苦労しそうだ。


 代償は、複雑な魔術が使えなくなって上に魔法の使用が出来なくなった。まあ、完璧に直す方法はあるので、この戦闘の間だけの問題だが、その問題が今の僕を蝕む。


 もし、万全の状態ならば前回のスタンピードのように【魔術 絶対零度】を使用したり、もしくは他の魔術を使ってもいい。さらには僕の魔法である【悪魔契約】を使って倒してもらうことも考えられる。


 今の僕ではそれが出来ないのだ。もちろん最大火力で魔力投射を使ってキング級の魔物を倒すことも考えられる。それは非常に簡潔で勧奨ではあるが、それはこの劣化魔力ではできない。


 魔力が統一されておらず、いつものような操作がままならない。それぞれが勝手に動いており、それぞれがかけており、そして、それぞれがそれぞれに干渉をし続ける。これは操作という範疇にとどまる事が出来ないのだ。


 なので、一度に大量の魔力を使う事も出来ない。


 他の方法としては、小出しに魔力を使い攻撃すると言う手があるがそれはそもそもキング級の相手に効くかどうかすら怪しい。それではいつまでたっても倒すことが出来ない。さらに言えば小出しに攻撃するのは僕の呪いである【制限】と非常に相性が悪い。


 魔力投射のように、使用するだけならば【制限】に魔力を取られない部類の攻撃ならば良いのだが、魔術のような物を使うのであれば、それは毎度【制限】によって魔力を取られてしまう。


 魔力増強剤によって魔力が回復したとはいえ、それほどの魔力量は所持していない。最も、劣化魔力を徴収させようとしても、劣化と言う事で【制限】によって取られる魔力は増えてしまう。


 なので、小出しにして魔術を使うことは出来ない。


「どうしようか。」


 これでは倒す余地を見出すことが出来ないだろう。そんな言葉も出てしまう。


 だが!僕はキング級の魔物を倒す方法を一つではあるが見当がついている。それには前段階として正確に魔術を発動する事が求められるが、それさえできれば高い可能性で倒すことが出来ると信じている。


 今の僕にはそれ以外の可能性が見いだせないので、さっそく出張るが準備をしよう。スタンピードの真ん中ではあるが。


「魔力投射」


 まずは、周りの魔物たちの攻撃を妨害するためにまずは魔力を放射する。さっきの騎士団の時と比べて、守る人数が僕しかいないので攻撃をいなすのは容易いだろう。


 その予想は当たっていたようで、魔物たちの攻撃は僕には届いていない。こういういなし方とかは武術を習っていたから自然と出来るようになったのだ。


 さて、それでは準備の本番に移ろうか。

 すると、僕は腰にある魔術書を取り出しそこのなかから一枚の魔術式を取り出す。その魔術式は今まで使って使ってきたような式とくらべて、見た目がごちゃごちゃしており、整理されていないように感じる。これでは発動するのに大量の魔力が必要になってくることから。

 、機能美が損なわれている。


 だが、この魔術はこれでいいのだ。この式でなくてはちゃんと発動しない。確かに見た目はごちゃごちゃしており、気持ちが悪いが……まあ、それがこの魔術の本質だ。


「魔術 変身」


 僕がその魔術を使用した瞬間、魔術式は光輝きながら僕の体に投影される。もちろんこれで終わりではない。その後僕の体はゴリゴリという音を立てながら変形をしていった。それはまるで第三内魔力が暴走している時と同じようである。


 だが、その時とは大きく違う点があり……それは、


 僕の体が、元の人間のものに戻っているということだ。


 さっきまでは第三内魔力の変形の特性によって、四肢が変化してしまっていた。それが、魔術を発動した瞬間元に戻って行ったのだ。これこそが変身の魔術である。


「ぶっつけ本番だたけど、発動できてよかった。」


 その状態に僕は思わず大きく息を吐いた。

 なぜ僕がここまで心配をしていたかと言うと、この魔術で使う魔力は第三内魔力なんだ。つまり、今の僕には劣化第三内魔力しかないので、少しでも操作を間違える事でもあれば変身の魔術は不完全に終わってしまっていたかもしれない。


 だから、安心しているのだ。本当はこの魔術は、劣化第三内魔力によって変態させられてしまった体を直すために、この後安全で安心できる場所で使おうと思っていたんだ。だけど、今は体を直す必要があったので至急使ったのだ。


 少しの賭けを含んでいたけど、そもそもの魔術式自体がよかったのか勘案に戻すことが出来た。


 さて、それじゃあ反撃と行きましょう!


 僕はそう言いながら魔物たちに向かって拳を出す。型だ。

 だが、さっきと違う点がある。それはその手に魔力を纏わせていると言う事。


『10体の魔物に対しての死傷ダメージを確認。干渉を確認。

 スキル 制限 の効果により魔力を20徴収します。』


 僕が出した拳の延長上にいた魔物はことごとく風穴を開けられて死んでいった。


「この術に対抗できるかな。」


【魔纏】。それが僕が作った技術の名前だ。

 魔力を外部に放出させ自分の動作に連動させることで、魔力投射のように面倒な操作が必要なく、さらに特別な武術と連動させることで魔法にも負けない破壊力を発揮する。


 一番の利点は感覚的に操作が可能と言うこと。もちろん体に纏わせているだけで魔力投射のように操作をすることは出来るがそれでは脳味噌のキャパを多く使ってしまう。だが魔纏だと、魔力を手の周りに纏わせることで疑似的に大きな手を再現することで、少ない処理能力で魔力が体の延長上になってくれるのだ。


「魔纏 一の型 装」


 すると、魔力は僕の全身に纏っていき最終的に全身を覆い隠すようになった。だが、劣化魔力だからか半透明になってしまっている。普通のいつもの魔力ならばその色は知覚できないのでこのように色は見えないのだが……多少視界がぼやけてしまうが、しょうがない。


 魔力を纏うことで全身の防御力も上がるので容易く解除する事は出来ない。それもこの魔物の大群の中だと何があるか分からないので、このように防御に魔力を回す必要はあるのだ。それに、今は【肉体強化】を使用してはいるが、僕の貧弱ボディーだと簡単に怪我をしてしまう。


 なので、保険になるとはいえ纏っておいた方が良いのだ。


 まあ、魔力はちゃんと劣化とは言え回復が出来たので、変に節約をする必要が無いのだ。魔法や魔術を使う訳では無いからね。


 そう思いながらさらに魔力を放出して、脚にさらに纏わせる。すると、脚に纏っている魔力のみがと特出して多くなってアンバランスな状態になるがこれでいいのだ。


 今は早くキング級の魔物を倒さなければいけないからね!


 僕は間の前にいる魔物たちを無視してキング級がいると言われた方向に思いっきり足を蹴り向かう。その時、足に纏わせている魔力を少し操作して地面と体を反発させるように衝撃を与える事で、本来人間には出せないようなスピードで走る。


 まるで【魔法 疾風】を使っているようなくらい早いがこの速度を魔力のみで出せているのは一途に僕の魔力操作能力が高いからである。操作するのは一瞬のみで無駄な操作を行わない事で体のバランスを保ち、安定した走行を可能にしている。そもそも魔力操作以外に体幹がよかったりしている事から、この走り方に慣れているように見える。


 ・・・この走り方は今が初めてだと言うのに。


 そうなのだ。僕はそもそもこの魔纏に関してそこまで研究していなかったので、殆どの事がぶっつけ本番になっている。もちろんこの技術を見つけて、多少は使用したがそれよりも魔術を使った方がよかったり、そもそも貧弱な体で行う利点が見つけられなかったので思考錯誤する以前に見てていた。


 だけど、こんな状況になるのであれば少しは仕様の仕方を考えておけばよかったと思っていたりするが、こんな事は魔力増強剤を飲んだ時しかありえないので、需要は無いのかも知れない。


 ちなみにそんな中でも見つけた使い方の一つが、この国に来るときに使った魔力噴射だ。……まあ、根本的な技術の違い。この魔纏は魔力融解によってでしか魔力を消費しないが、魔力噴射は魔力を放出する事で消費するので消費量が違いすぎる。


 なので、違うかも知れないがこの魔纏を見つける最中に発見したので系統としては似ている。


 まあ、今はその魔力噴出を行うと魔力劣化によって制御できなくなるかもしれないからやらないんだけどね。今はこの魔纏で加速しながらキング級のところまで行くんだ!






 そんなとき……さっきとは違い魔纏で不自由さが無くなっていたから気が抜けていたのかもしれない。

 目の前から黒い弾丸の様な魔法が飛んできた。

 その弾丸は異様な速さをしており、さらには僕の速度も合間ってその魔法を確認した数瞬後には直撃する直後であった。






【行動上限があるミツキくんは最強になりたい】をご覧いただきありがとうございます。もしよければブックマークや評価をしてくださるとうれしいです。


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