44話目
44話
ジェームズ君
俺はなんや合って気疲れしてしまいながらギルド長の所に行く。少し歩いてから石の階段を上り、一番上まで行くと多くの討伐者がいるからその中を歩いて行く。ある程度奥まで行くとそこにはギルド長がいる。
ここは城壁の上だ。
門から出ては行けないと多くの人に注意をしたが、それではスタンピードの様子が確認できない。それでは、俺に何かあった時討伐者たちが対応するなんてことは出来ない。外の様子なんてわからないのだから、準備が出来ない。
そんなときにギルド長が関係者しか入れない城壁の上を解放してくれたのだ。これだと、スタンピードの様子を見れないなんてことはないし、それに俺も安全な場所から様子を見れる。
初めは俺だけ門外に出て事を行おうと思っていたけど、この場所にいる方が魔物たちが見えやすく、対処しやすいのだ。
俺は感謝しながらその場所からスタンピードの様子を見ると、魔物たちはもうすぐそこに居る。事が始まるのはもうすぐだろう。
そう思いながらギルド長を呼ぶことにした。
「ギルド長!」
俺の声はその討伐者がいる中でもよく響いており、多分ギルド長にも届いているだろう。いつもはここ万で大きな声おw出すには数秒ためを入れなければいけないが、今日は気が経っているのか、もしくは興奮しているのか自然と大きな声が出る。
すると、俺の声が聞こえたのか討伐者が一気に動き出しそこからギルド長が出てきた。
「そろそろか。」
「そうですね……始めましょう。」
俺はそう宣言をすると、討伐者にそれが伝わったのかその場には緊張感が生まれる。それは先ほどまでのざわざわした感じではなく、統一されている感情が渦巻いているのだ。その様子に俺も緊張が生まれてくる。
だが、ある程度の緊張は戦場においていい効果を発揮してくれる。
俺は魔物を見ながらそう考えた。手を動かし、体を伸ばす。…うんガチガチにはなっていない。どれだけ国を救ってきたとしても、開戦前のこの緊張感はいつ前で立っても苦手である。
すると、スタンピードの一部の魔物たちが俺に照準を合わせて、こので遠距離の中で魔法を使ってきた。それは俺にとってみればあまりに貧弱で、当たる事もないと思うが、B級討伐者にとってみれば、魔物が魔法を使うと言う自体が珍しく脅威になってしまうだろう。
それにしても……このスタンピードの中には魔法を使える奴が要るのか。完全に予想をしていた戦力とは違うな。
スタンピードの戦力を訂正しなければいけないと認識させられる。それは魔法を撃ってきた事が見えたギルド長も同じらしく、急いで周りの討伐者たちに指示を飛ばしていた。そもそもスタンピードで魔法を使う魔物が出てくる事は珍しいので完全に想定外だったのだろう。
「でも、俺には関係ない。」
そう言いながら俺は羽織っているローブから一枚の布を取り出した。その布は有る一点を除けば新品同様に綺麗であるが、その一点が非常に気になってしまう。それは布が破いた切れ端だというてん。
俺はその布を起点にある事をする。
「【空間魔法 転送】」
魔法だ。その布の正体は神から魔法を授かる時に使われる依り代なんだ。だからいつも所持しているにもかかわらず、ボロボロになる事は無く、そして汚れる事もない。
俺が放った空間魔法に後ろにいる討伐者たちは驚いていた。なぜならそのスタンピード前部分にいた魔物たちは全員一瞬にしていなくなったのだから。あまりにも非現実すぎる現象で、いつも魔法を見ている討伐者にとっても理解が滞ってしまう。
これがS級討伐者なのかと認識させられる出来事だ。
これが俺の魔法だ。
「それじゃあ、このスタンピードが収まるまで続けるから。」
一応ではあるがそう注意をしておく。もしこの一回で終わりだと思われて魔物を倒しにいかれてしまったらこの戦術は台無しになってしまうので、分かっていると思うが口をはさむ。それならなんで討伐者を待機させているのかと言うと、もしも俺になんか会って魔法が使えなくなった時に、魔物を相手してもらうからだ。
なので、一応ではあるが待機を強制している。
☆
ドスンドスン。
それは魔物の大群が進行をしてきている足音だ。その足音は多くの人を恐怖させ、そして安心を奪っていく。だけど、そんな足音が聞こえている中、まだ魔物がこの城壁を破っていない。これは俺の魔法があってこだろう。
だが……この戦いが始まってどのくらい時間が経っただろうか。多分 1時間は行っていないと思うがそれでも30分40分は立っているとおもう。なのに…なぜか魔物の数が減っている様子はなかった。
俺の予想ではそろそろ魔物の数にそこが見えてきて、もし俺が倒れるなどの不慮の事故が起きても、この国にいる討伐者だけで対処できるくらいになっていると思っていたんだが、それは完全に予想外であった。
これは完全にスタンピードの規模の想定を間違えていた。これではスタンピードを何とかする前に、俺の魔力が尽きてしまうだろう。…これでも俺の【空間魔法 転送】は様々な条件に縛られているが、その分魔力の消費量がする無くなっているので、大丈夫だと思っていたのだけれど。
改めて作戦を考え直す必要がありそうだ。そう思い待機しているギルド長に話を付ける事にした。
「……と言う訳なんだが、、、」
「…くそ。。。それなら一度スタンピードの調査を行った方が良いな。」
すると、ギルド長はどこか焦っている様子である。だがそんな状況でも今できる最善の案を出してきた事から、冷静では入れているんだろう。だけど、その焦りはがどこから来るかは分からない。前提としてこのスタンピードは現在は楽々と対処できている。
魔物の規模を間違えたとしても、まだ焦る時間ではない。それは賢明なギルド長なら分かっているだろう。だが、そんな状況でも焦っているのだから…もしかしたら俺が見えていない場所があるのかも知れない。
それはいやなよかんと言う物だろう。だけど俺はその不確定な要素を信じることが出来ず、今は無視をすることにした。もしかしたらこれが大事なことかもしれないが。
「分かりました。それでは少しの時間スタンピードに対しての対処の方法を変えます。」
「ああ・・それは何か手伝う事はあるか?討伐者達はまだ何もしていないから多少なら手伝えると思うが。」
「いえ大丈夫です。下手に手を出されると魔法の条件に抵触してしまいますから。」
そのギルド長の言葉に少し違和感を感じたが、その違和感が何か分からない。でも。。。いや、今はスタンピードをどうにかする事に神経を向けなければ。
対処方を変えるのだから、そんな状態で一歩でも間違えたら何が起きるか分からない。条件が多い俺の魔法で対処するのだからそこらへんは全力で気負付けなければいけないんだ。
俺はそう硬く信念としてある「条件」と言葉を中心に決意をした。
「それではお願いします。」
俺はギルド長にそう指示を出し、このスタンピードではまだ出していない魔法を使用する。・・・この魔法は多数に対して使うのには適していないが、それでもこの指定の範囲に人間が入る状況なら最適と言わざる負えない。
ただ…
【空間魔法 質量操作】
その城壁の上から見える魔物たちは立ち止まりゆっくりと倒れていく。何が起きたか見ただけでは分からないがそれはこの魔法の神髄だ。何が起きたか…それは簡単に言えば質量を変えさせてもらったんだ。
魔物の質量を変化させた。それはどの様な現象につながるのか?魔物たちはその重さによって動く際の慣性が変わり、いれる力の強さが変化した。そもそも魔物たちの動きは一種の最適化された剣士のような動きだ。それは、入れる力の強さが多くもなく少なくもない。これ以上ないくらい丁度いい強さなのだ。
そして、自身の質量が突然変化してしまう。
それは本能で動く魔物達にはあまりにも多すぎる変化なのだ。今までできていたことがなぜかできなくなっている。「あの動きはこのくらい力を入れればいい。」そんな思い込みが邪魔をする。
その変化は人間にとってみれば、理性によって調節が出来るかも知れないが、本能では調節出来ない。それは自然な現象ではないからだ。
知らない現象で、そしてその対処法を知らない。
だが、大量の魔力を使うため魔物の質量を大きく変える事は適わなかった。だから、直ぐに慣れてしまうだろう。それでも、偵察に行った人たちが帰って来るくらいの時間はある。
俺はそう信じて、いったん休憩に入った。
・・・・そもそもなんでこんな魔法を使ったかと言うと、一番の理由は【空間魔法 転送】を発動する際の条件の中に指定した範囲内に人がいてはいけないと言うのがあるからに他ならない。
だから、討伐者が前に出て魔物を倒すことは出来ないし、俺はそれを強制している。だけど、この魔法はそれをするほど強いのだ。それはこのスタンピードで理解できるだろう。
・・・だけど、この魔法は他にもいろんな条件があるからそう簡単に発動は出来ない。
めんどくさいのは「魔法を発動出来る範囲は自身の魔力で書いた円の中」という事前に仕込みを行わなければいけないので、使いにくいったらありゃしない。俺はこの条件によって苦悩してきた。
だけどその分消費する魔力量が少なく、魔法の対象にできる範囲が大きいので、たまにいい仕事をしてくれる。
【行動上限があるミツキくんは最強になりたい】をご覧いただきありがとうございます。もしよければブックマークや評価をしてくださるとうれしいです。
投稿時間 7時&17時で毎日投稿です。




