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行動上限があるミツキくんは最強になりたい  作者: 人形さん
3章 出会いの始まり~僕に会いたい人は多いみたいです~
42/58

42話目




 42話


 手品のアストラ。それは人類8人目のS級討伐者である。


 その力量はひと目見ただけでは本当にS級なのか信じられるほどの存在感はなく、反対に芸能系の人間に発せられる雰囲気がある。


 だからなのか、その戦闘方法も普通とは一味違い、見た多くの人に金輪際忘れることがないような衝撃をあたえるほど少数派の戦闘を行う。



 ★



「それで、ジェームスくんが来たってわけね。」


 僕の目の前にいるのは、研究所にいるはずのジェームスくんである。なんでも、S級の緊急依頼が飛んできたので見てみると、メソミア王国にスタンピードが来ているではないか!と、知ったみたいなのだ。


 だから急いでギルドの空間転送を使用してこっちに来たんだと。


「ミツキ教授は呪いのせいで何も出来ないじゃないですか。」

「まあ、そうだけど…ジェームスくんが来るとは思わなかったよ。」


 そう言いながら僕のことを心配していてくれていたとわかるくらいの魔力回復薬をバッグから取り出してきた。


 その量は僕の魔力がすべて回復してくれるほどのもので、これだけあれば軽い『制限』の魔力徴収には耐えることができるだろう。魔力回復薬が少なくなってきたのでこれはありがたかった。


「今回は俺がなんとかしますよ。教授が守った国を滅ぼす様子をただみていることは出来ないですからね。」

「頼もしいね~」


 それは僕に対する尊敬からくる感情で動いてくれたのだろう。確かに僕もせっかく一度救った国の滅亡を見ているだけで終わらせるのは嫌であった。


 できれば、あと数十年は残っていてほしいし、それに僕の魔術がどれほどすごかったのか広めて魔導の発展を図ってほしいと切実に思っている。


 もちろんそれで僕は『制限』の魔力徴収がきつくなってしまうかもしれないが、このままぼくひとりで研究を行っていても呪いの解決にはいつまで立ってもありつけないと感じているのでしょうがないことではある。


 だからといって、何もしないのは癪なので僕は僕ができることをハイリスクでも取っていこうと思ったのだ。


「あ、あとこれ。空間に対する干渉の術式が起動するまでには行きましたので、見ておいてください。結構いい感じに出来たと思うんですよね。」


 ……あれ?、、、もしかして、僕を救う以外にもここに来た理由が入ってない?いや確かに新しい術式を開発したときはすごい興奮してしまうけど。


 ちょうど完成したところに依頼が来たんだろうね。それで丁度いいと思って……いや来てくれたのはうれしいけど、その環状が見えてしまったらなんて言えばいいかわからなくなったよ。


 そう思いながらも、ジェームスくんが研究を進めていた『空間への干渉』というテーマがちゃんと進んでいることに関心を持っていた。僕自身そこまで強く関心を持っている分野ではないけど、それでもそのテーマがどれほど難しいものかはちゃんと理解していると思っている。


 そして、ジェームスくんが『空間への干渉』をテーマにするといってきたときは無茶だと心のなかで思っていた。だけど、それを実際に達成してきたのだから、驚くのは無理もない。


「後で見ておくよ。」


 そんな感じで軽く言葉を返すと、なにか気に入らなかったのか、さっきよりも大きな声でいってきた。


「俺がスタンピードを対処している間は何も出来ないと思うので、その術式を見ておいてください!」


 それはここに来た理由であり、できるだけ早く確認をしてもらいたいと言う感情の先行であった。だけど、実際にジェームスくんが来たからには僕は何も出来ないので、一応脳みそはちゃんと動いているようだ。


 だけど…


 僕はその感情を受け止めてそのもらった術式を軽く見るが…その難解さは【魔術 絶対零度】の比ではなく、そして、無駄だと思われる機能しない部分が多いので解読する時点で大変そうだ。


 この術式を見るだけで少し気が疲れてしまう。まあそれほど、頑張ったのだろう。


 僕は弟子とも言える立場であるジェームスくんの成長に感激しながら、このあとの方針を聞くのであった。


「うん、それなら僕は適当なところにいるから。ジェームスくんはいつ頃から攻撃を開始するの?」

「そうですね……そうだ!今回はど派手な仕込みをしたいと思って言うんで、城壁の近くに来るまでまとうと思います!」

「そっか、できれば静かに終わらせてほしいところだけどね。」


 ジェームスくんの戦い方は摩訶不思議なものと言ってもも過言ではない。一般的に戦うと言ったら、剣を持って相手をたたき斬ったり、もしくは弓を持って遠くの敵を射抜いたり。


 もしくは魔法によって倒したり。色々あるが、それらすべてに共通することはいつでも行えるということ。


 それとは大きく違うジェームスくんの戦い方とは、近いもので言えば狩人だろう。それは罠を張り来るときまで気配を消す。


 その有様は戦っていると表現をするのは不格好で、狩りをしていると表現するのがよく当てはまっているだろう。


 つまり、ジェームスくんの戦い方は、事前に仕込みがあるのだ。もちろんただの罠ではない。まあ、それは本物を見て知ってほしい。


 僕は今からこの術式の解析をしなければいけないからね。





【行動上限があるミツキくんは最強になりたい】をご覧いただきありがとうございます。もしよければブックマークや評価をしてくださるとうれしいです。


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